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新・愛の指針「喜ばせたいんです」

忘れらんねえよ柴田の過去でも未来でもない現在

「柴田ぁー!ありがとうー!!」

2020年1月24日、Zepp DiverCity「がんばれ柴田〜こっからもっかい青春はじめる〜」のワンマンの終焉、ステージを去るのが名残惜しそうな柴田に向かって僕はありったけの声を振り絞って叫んでいた。

僕は正直、内気である。
でも胸に熱く迫ってくる彼の音楽がとても大好きで、久々に1人でライブに行った。
普段スタンディングで声掛ける事など恥ずかしくて到底出来ないキャラで、ライブに行ってもMCでニヤニヤ笑うのがやっとくらい。
でもその日は違った。
僕の中の陳腐な自己防衛フィルターは全て取っ払われ、等身大で叫ぶ僕がそこにいた。
自然と涙がこみ上げて頬を伝っていた。
あんなにまで心の芯まで揺さぶられたのは久々だったからかもしれない。

そんな彼の新作「週刊青春」の中でも、
ひときわ好きな曲がある。
今回の作品は、言わば久々にドッグランに「行けっ!」と解き放たれたような柴田節全開で、本当に好きな様に暴れ回って散々欲望振り撒いてぐちゃぐちゃにかき乱す様なアルバムだったのだが、その最後に「喜ばせたいんです」という曲がそっと大切に収録されている。

一切の無駄の無い、生きた温もりのあるフレーズで埋め尽くされる名曲の誕生である。
と言うのは、この曲は図らずとも愛の根底、真理を歌っていると言っても過言では無いからだ。
巷では、安易な表現や薄ぬるいコーヒーの様な愛の歌がもてはやされる事もあるが、彼の歌は間違いなくそれらとは一線を画す。

この曲は、この音楽文のタイトルにもある様に、最早「新・愛の指針」なのである。世の女性方は是非この男(柴田等身大)の様なヤツを信じてみて欲しい。決して損は無いはずだ。
ではどこに一体そんな魅力を感じるのだろうか??
それはその愛すべき愚直さである。

「下心がないってわけじゃないけど
優しいね好きよ
そう言われたい気持ちないわけじゃない
けど単純に君を
喜ばせたいんです」

そしてまた彼は、こうとも歌う。

「エロ動画は一回見ればもういいし
ああやっぱ君を
喜ばせたいんです」

お分かりであろうか。
やはり男はいつまで経ってもバカで、正直言えば、喜ばせた先にどこか見返りを期待してしまう事も往々にしてある。(それが人間らしくもあるのだが。)
しかし彼はそんな気持ちを吐き出しつつも、完全に逆を言ってるのだ。
そう、彼は単純に純粋に、
好きな子を喜ばせたい気持ちに全てを昇華している。
つまりは自らの欲望だけにひれ伏さず、エロの先にも「喜ばせたい気持ち」が尚強く抱かれている事を示している。
こんな熱い気持ちにきっとウソなどない。

「喜ばせたいんです」「ほんとそれだけなの」
と何度もリフレインする柴田。
何と真っ直ぐで熱く、切ないラブソングだろう。
これが柴田の10年間の集大成であり、1年間ずっと”がんばって”来た現在の彼の等身大である。
背伸びもしていなければ、卑下してもいない。まさに柴田隆浩そのままが、そのアルバムに佇んでいる。

そして変わらず、ダメになりそうな僕らに寄り添い、上辺では無い「そのメロディと歌」で、何度も何度も心を救ってくれる、真の「ロックスター」で居てくれる。

僕にとってそんなもん、「ブルーハーツとブランキーとチャットモンチー以来」なんだよ、本当に。
ありがとう、柴田。
がんばれ、柴田。
がんばったね、柴田。
がんばる、柴田。
がんばる、俺。
ありがとう。

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