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深夜のラジオで起こった奇跡

aikoさんと井口理さんのセッション「カブトムシ」

ラジオでは時々、奇跡が起きる。
それは深夜。井口理さんとaikoさんで歌う「カブトムシ」が、それはもう、もう、素晴らしかった。

2月20日に放送された「King Gnu 井口理のオールナイトニッポン0」に、aikoさんがゲスト出演した。その放送がどうやらすごかったらしいと放送後に知った私は、タイムフリーで再生した。
井口理さんのaiko愛がこれほどのものだとは。アブナさのギリギリ、むしろ向こう側に到達している井口さんの挙動が凄い。愛とは人を狂わせる、をこんなに体現する人がいるとは。
aikoさんが大きくそれを受け止めるから、カラッとキュートに仕上がる素晴らしいバランス。

aikoさんとラジオの相性は語るのも野暮なほどで、私は山里亮太さんのオールナイトニッポンに来た回を聴いて以来、またaikoさんの声をラジオから聴ける日を待ち望んでいた。それなら聴かない手はないと、井口理さんのオールナイトニッポン0を再生した自分を褒めたい。
King Gnuの井口理さんのラジオが面白いということも何となく知っていたけれど、なんだか今ではない気がする…未知の沼が広がっている予感がしてこわいぞ…とタイミングを探っていた。
今だった。タイミングはまさに今。
  

番組内で突如「さてここで一曲なんですけど…」と歌の時間が始まり、ハンドマイクを持った井口理さん。
aikoさんの歌声入りの音源に合わせて歌い始めたところに、aikoさんがすっとハンドマイクを手に取り、一緒に歌い始める。
aikoさんにユニゾンするaikoさんという贅沢さに、さらに声を重ねる井口理さん。そして、“少し背の高い…”のフレーズからハモりに突入する井口さんの歌声。

当然というように、2番も歌う流れに胸の高鳴りが止まらない。
2番になってからのサビ、ハモりの本気スイッチが凄くて、aikoさんにメロメロな井口さんの夢が叶っている瞬間ではあるものの、aikoさんと井口さん、それぞれに歌手としてのエネルギーが炸裂した瞬間を目の当たりにしていることに鳥肌が立った。

なんでこんなに泣けてくるのかと戸惑う。ふいに告げられた想いのような輝きがあるからだろうか。
「カブトムシ」を聴くたびに私はずっと、女心!という感じの曲だと思ってきた。それが変わり始めたのは数年前で、今回、さらに完全に覆された。井口さんの声に、「カブトムシ」の中で描かれる切実な女心が、切ない男心と合わさる瞬間を見た。ラジオ内で歌うまでの二人の会話を含めて「カブトムシ」だった。
「この日のためにめちゃめちゃ考えた」と言う、ハモりラインのアレンジが本当に素敵で、お願いだからリリースしてくださいと思うほどに、唯一無二のセッション。

毛布のように優しいハモり。繊細さとはまさにこのこと。
2番の歌詞の“あなたの声”の、“え”のひるがえし方。泣きだしそうな声色が一瞬にして現れて、次の“深い安らぎ”ではもう包容力に変化して、弱々しさと頼もしさの行ったり来たりがとにかくすごい。
さらに“琥珀の弓張り月”の“い”の引き上げ方。“息切れすら”のニュアンス。
“琥珀の弓張り月”の語尾は特に、aikoさんにしか歌えないエフェクトのつけ方だと思ってきたけれど、生歌でここまで忠実に歌うことのできる人を初めて見た。

もうこれ以上どう言葉にしてこの感動を伝えていいかわからない。井口さんの歌声という末恐ろしい魅力を知った。「カブトムシ」を歌う井口さんの声、なんという彼氏感。なんという温もり。

どえらいものを耳にしてしまった。
聴かなかったことに、できないだろうか。

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