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音の粒に打たれて

浪人がtoeを聴いて思う

もうすぐ20の誕生日を迎える。
ひたすら同じ場所で足踏みをしてきたこの一年間、何を得たのか答えるのは非常に難しい。予備校の帰り、電車に揺られながらイヤホンを耳に挿れる。

toeというバンドがある。高校時代のいつかに出会ったバンド。ポストロックの括りに入る。私は柏倉隆史のドラミングに胸がときめいてしまった。電車のリズムなど関係なくただビートが刻まれてゆく。

音の粒が弾ける。

音量を上げると、音の洪水は外のノイズを締め出してくれる。今の立ち位置、外の出来事、何もかも全てを。

『エソテリック』

このバンド、おおよその曲はインストであるので、曲のイメージはタイトルからしか想像できない。エソテリックとは何だ。全くわからない。ググったら『秘境』とかそんならしい。『秘境』。ライヴだと柏倉さんは飛び降りスネアをするのだが非常に楽しそうである。エソテリックって感じだ。

と、こんな風に過ごしている間に電車は次の駅、次の駅と進む。

『孤独の発明』

いったいどんなワードセンスがあればこんな言葉が思いつくのだろう。
ミッドテンポながらも絡み合うツインギターに流れる疾走感。フィルインの心地良いドラム。影は薄いけれどどっしりと支えるベース。そこに言葉はないけれど、音が心に染みる。おいしい。

ふと思い返すと人生は音楽と共にあった。しかし、インストバンドに興味を持ったのはtoeのおかげである。American footballやelephant gymを知ったのもそのおかげだった。そうだ、浪人したせいでfujirockでAmerican footballを観れなかったんだった。気分は下がる。

『グッドバイ』

そうして自分の立場を再確認する。
あと1週間も立たないうちに大学が決まる。電車が止まる。ドアが開く。

"その先は何だ…..? Humm……."

そう呟く。

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