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「私」を嫌いな”私”に響いた『私』

星野源は異世界の人間じゃなかった。

自分で自分のことを「好きだ」と思える人はいったいどれくらいいるのだろう。
そこまではいかなくても、自分で自分のことを認めてあげられる人はどれくらいいるのだろう。

私は、間違いなくそういった人間ではない。
この世で一番私のことを嫌いなのは自分なのではないかとさえ思う。

自分に自信がないから、他人の幸せなんて妬ましくて仕方がないし、褒められたところで心の中の「どうせ私なんか」野郎がひょっこり顔を出す。

だから、芸能人とかキラキラした人は特に苦手だ。苦手というか、そのキラキラに目があてられて心が苦しくなるのだ。

星野源もその1人だった。
 

ある日のこと。
動画サービスのアプリを開くと、ある動画がおすすめとして表示された。
「星野源 私 official video」
そのサムネイルには、こちらを見つめてくる星野源がいた。
不思議と目があった気がした。
心の奥底を覗かれてる気がした。
星野源なんて、音楽番組で自分の名前を叫んで可愛い女優さんとたくさん共演してる、私の敬遠する最もたるthe・キラキラな人物じゃないか。
そう思った、思っていた、はずだけど。再生ボタンを押さずにはいられなかった。
 

「あの人を殺すより 面白いことをしよう 悲しみと棒アイスを食う」(星野源 ”私”)

あぁ、やっぱりこの人は私とは違うなぁ。と思った。いや、同じであるはずがないのだけれど。

やっぱり星野源は違う世界のキラキラ人間だったかぁと思い、その動画のコメント欄を漁っていると気になる歌詞が書き込まれていた。

「殺してやりたい 人はいるけれど 君だって同じだろ 嘘つくなよ」 (星野源 ”バイト”)

調べてみると、昔の星野源の「バイト」という曲の歌詞だった。

あぁ、これはまさに今の私だ。
輝かしい人を見ても、「こいつだってどうせ性根はどんなもんかしれないくせに」と卑屈になる。
「嘘ばっかいうなよ」と思う。
 

でも、殺すより面白いことをしよう、幸せになろうと歌っているのも、殺したい奴がお前にもいるんだろうと歌っているのも、どちらも星野源という人間だ。いったい彼の中でどんな心の変化があったんだ。

あくまで私の推測でしかないから怒らないで聞いていただきたい。
星野源も、私と同じだったのではないだろうか。自分への激しい劣等感、嫌悪感の持ち主だったのではないだろうか。

きっと、彼は「バイト」の歌詞を描いた時より、自分自身のことを受け入れられるようになったのではないだろうか。
 
 

わたしも、変われるだろうか。
いつか、他人の悪意も、自分の中の悪意も、全部ひっくるめて、受け入れられるような、そんな人に。
 

本当のところ、星野源に何か変化があったのかはわからないけれども。

少なくとも私は星野源の「私」を聞いて、誰かのことを、自分自身のことをもう少し愛おしく思いたいと思えた。
 

どうか、自分のことを卑下してしまうあまりに誰かのことをうがって見てしまってしまうような、「私」を好きになれない全ての”私”に、この歌が聴こえますように。

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