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Mrs. GREEN APPLE,4Dシアター

エデンの園でミセスに出逢って

 来たる2020年2月16日。

 Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR/エデンの園」の千秋楽に参加するため、私は友人と代々木国立競技場第一体育館に足を踏み入れた。
 ミセスに興味を持ったのは約一年前、ミセスのライブに参戦するのはこの公演が初めてだった。セットリストや演出を全く見ずにここまで来たので、今からこの広いエデンの園でどんなパフォーマンスが見れるのか全く見当もついていなかった。

 ライブTシャツを各々で着こなした、アリーナにあふれんばかりの人々。
 同じアーティストを好きな人がこれだけいる。その事実だけでなんだかとても気持ちが綻んだ。

 会場が暗くなり、キューブ型のオブジェに灯りがともっていく。

 いよいよだ。エデンの園、千秋楽が幕を開けた。

 1曲目「インフェルノ」から、私の心は完全にステージに持っていかれてしまった。大森元貴さんの天まで突き抜けるような歌声、息がぴったり合ったセッション、各楽器のソロの秀逸さ、生演奏とはこういうことなのかと、その迫力に度肝を抜かれた。
 またそれと同時に、曲ごとに変わる効果的な光や色の演出にも目を奪われた。照明の工夫がパフォーマンスをより引き立たせているように感じた。

 アルバム曲「Viking」では、ステージ上に大きな船が現れ、海賊姿のダンサーが激しい踊りを見せた。躍動する演奏、モニターの映像も相まって、まるで自分が荒れ狂う大海原にいるような体験だった。ミセスがここまで曲の世界観に合わせて凝った演出をしているのには驚いた。

 豪華なステージから一転、大森さんがアコースティックギターを抱え、一人でステージ花道に現れた。そこで演奏されたのは「クダリ」。生きることへの孤独や葛藤が綴られた歌だ。
 ひとしきりの歓声の後に、一万人の観客が一気に静まり返る。
 ソロでの弾き語りが始まった。

 「瞳はいつからか 嘘が見えて 汚れた世の中の仕組みも嫌ってほど見えて」 

 シンプルなアコギの音に乗せて届けられる、切なく苦しい歌声。
 胸の奥がきゅうと締め付けられる感覚。

 そんな中で、世の中の理不尽さに絶望したこと、心にもないことを言ってしまったこと、自分の価値を見失ったこと、色々思い出しているうちに、自分の頬が濡れていることに気づいた。そこから、大森さんの紡ぐ歌詞一つ一つが心に染み入ってきて、肩を震わせるくらい泣いてしまった。
 誰かの歌声一つでこんなに感動するなんて思ってもみなかった。

 ライブ後半「WanteD! WanteD!」「青と夏」など代表曲のパフォーマンスが続いた。
 曲に合わせた振りをみんなでしたり、会場全体で大合唱したり。一万人の観客、そしてミセスのメンバー全員が一体となり、楽しさが会場の隅から隅まで広がっている感じがした。
 この時間が終わってほしくない。切実にそう思った。
 

 「エデンの園」から出た後は、素晴らしいものを見せてもらった高揚感と満足感、夢のような時間が終わってしまったという寂しさが同時に込み上げてきてしばらくは友人とも饒舌に話せず、上手く歩くこともできなかった。
 パフォーマンスを全身で感じて、演出に目を奪われて、MCでたくさん笑って、声を合わせて体を動かして、歌声だけで涙がとめどなく溢れたりもして。
 いろいろな角度から楽しめる、言うならば4Dシアターのような最高のライブだった。
 届けてくれてありがとう。これからも全力で応援していきます。

 

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