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モーニング娘。がロックフェスに出るのは必然的出来事だった

2020年JAPAN JAM出演から見えたモーニング娘。の魅力とは

モーニング娘。がJAPAN JAMに出る。

このニュースを知った時に私は、ついに、本当にモーニング娘。は見つかってしまったのだと実感した。
自分が、「この音楽は凄い、もっと多くの人に聴いてもらいたい」と思っていたものが、ようやく日の目を見る。非常に自分勝手だが、こんなに嬉しいことは無い。

しかし、2018年にROCK IN JAPAN FES.に出ると聞いたときは同じ様には思わなかった。

この気持ちの変化はどこから来るものだったのだろうか。
 

そして、深堀りしていくと、モーニング娘。がロックフェスに出ることは、過去の知名度故のことではなく、今のメンバーだからこそ成し遂げられた晴れ舞台だったのだと気付くことが出来た。

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モーニング娘。が初めてロックフェスに出た2018年、の1年前のことだが、2017年にハロー!プロジェクト内の℃-uteが解散した。
モーニング娘。は、ハロー!プロジェクトの長い歴史の中で常に、メンバーの平均年齢がトップということで、リーダー的ポジションにいた。しかし、2014年に道重さゆみがグループを卒業すると、℃-uteがハロープロジェクト内でトップとなる。その間、後輩メンバーの多くが℃-uteのパフォーマンスを見て勉強していたことと思う。モーニング娘。の当時のメンバーもそうだろう。その℃-uteが解散するさいたまスーパーアリーナでは、後輩たちが℃-uteの門出に花を添えるべく、オープニングアクトとしてパフォーマンスをする。
そんな℃-uteが解散し、2017年夏から再びモーニング娘。がハロー!プロジェクトのトップとなった。

トップに立った譜久村聖率いるモーニング娘。は、その貫禄を見せつけるかのようにパフォーマンスに磨きをかけていく。
と同時に、EDMに特化していた楽曲も多様化していき、難易度が上がっていく。

そんな変化があった頃にやってきたのが、「ROCK IN JAPAN FES.初出場」のお知らせだった。

ロッキンにモーニング娘。’18が出ると聞いた時の私の気持ちを述べると、「なんか違う気がする」であった。
ハロー!プロジェクトのグループがロッキンに出ることは、過去にも℃-uteやアンジュルムという前例があるから、おかしくは無いというのは理解できる。しかしその2グループは、ハロプロの中でもストイックなパフォーマンスをしていると思うからこそ、ロッキンに出ているのだと感じていた。楽曲も、激しいダンスが似合うものだったり、力強く歌うボーカルが似合うものだったりと、ハロプロの中でもロック寄りのものだろう。

では、モーニング娘。はどうか。
一時代を築いた楽曲たちは確かにロックシーンでも盛り上がるだろう。誰もが知っているから。その後の曲は、女子の切ない恋愛を歌うような大人っぽい曲が目立つ時期に突入していた。心躍るような曲というよりは、思わず聴き入ってしまう系統と言えそうだ。
そして、ダンスに力を入れる時期が数年続き、現在は”モーニング娘。にしか歌えない歌を歌うグループ”という表現がしっくりくる楽曲が目立つ。
それらがロックフェス向きか?という問いはもはや野暮であり、モーニング娘。はモーニング娘。というジャンルを確立している印象であるが故に、簡単に見つかってはいけないような感覚、そしてこのグループのファン以外に受け入れられるのかという不安が私の中にあった。
 

しかし、いざステージに立つと私の気持ちもその場の空気も一転する。
彼女たちのパフォーマンスは、ロックバンドに負けず劣らずのロックそのものだったからだ。モーニング娘。のファンでなければ、セットリストの曲全てを知っているということはなかなかないと思う。それでも時間が経つにつれて、会場には溢れる数の人が集まり、熱狂している姿があったのは事実だ。
登場してすぐの「HOW DO YOU LIKE JAPAN?~日本はどんな感じでっか?~」の頭の石田の煽りをはじめ、いつもと変わらない本気の歌とダンスでロックファンの心を奪う。
本番の後のSNSでは、「曲は知らないけどかっこよかった」という言葉を多く見かけた。
これ以上何が必要か。普段どんな曲を歌っていようが、彼女たちのやっていることは、アイドルファンの集まる場所以外でも通用する力があったことが分かる。

“体力おばけ”という言葉も飛び交う。
その呼び名はおまけで、彼女たちは「私たちの曲を聴いて欲しい」という思いから、間髪空けずに歌い続けていただけである。

華々しくロッキンデビューを飾った翌年は、6万人を収容できるGRASS STAGEに選ばれる。
この発表に何を思ったか。
私もだが、恐らく多くのファンが、嬉しさと不安が入り混じる気持ちの中にいたことだろう。モーニング娘。がグループ史上最も大きなステージに立ち、多くの方に見てもらえることへの喜びが大きい。しかし、そのステージを埋められるのか。お節介ながら私は、自分の事のように嬉しく感じたし、心配もしていた。
 

だが……
「なんか違う気がする」
昨年感じたこの気持ちは、もう微塵もなかった。
彼女たちの普段通りにロックファンを魅了するパワーがあることは、自信をもって言えるからだ。
だからこそ、モーニング娘。という音楽を多くの人に知ってもらいたかった。
 

2019年のロッキンの前に私は、3年ぶりにモーニング娘。のワンマンライブを見た。
そこで感じたのは、MCやVTRが減ったということだった。変わりに何が増えたかというと、ステージ上でメンバーがパフォーマンスしている時間だ。もちろん、ファンに向けたワンマンライブなのだから、メンバー一人ひとりの個性をアピールするMCやVTRの時間も大事だと思う。しかし、メンバーはそれ以上にモーニング娘。の楽曲を愛し、良さを存分に発揮する道を選んだように感じた。
3年のブランクがあったため、どのタイミングでこのパフォーマンス特化型に変化したのかは分かりかねるが、2018年にロッキンに出たことが何かのきっかけとなるような気がしている。
 

迎える2度目の夏。

GRASS STAGEのトップバッターということで、ロッキング・オンの渋谷社長の挨拶が入る。彼はモーニング娘。についてこう述べた。

「彼女たちは、ロックフェスだからと言ってロック仕様になったのではなくて、いつも通りのパフォーマンスをやってあれだけの熱狂を繰り広げてくれた」と。

さらに、
「モーニング娘。をこのフェスは発見した」
と続ける。
モーニング娘。は渋谷社長にこう言わせたのだった。
 

この言葉を聞いて確信した。

モーニング娘。がこのステージに立つことは、世間の知名度とか、話題性とか売り上げとか、そんなことは関係ない、昨年の彼女たちのパフォーマンスを見ての抜擢だったということを。
彼女たちのやっていることは、ロックであるということを。

更に続く言葉には、私が感じていた思いを代弁してくれるものがあった。
「ここに集まっている人たちは、モーニング娘。を勝たせたいという人、そして、モーニング娘。の勝利を目撃したい人たち」
という言葉だ。
そう、モーニング娘。を知ってもらいたかった私は、GRASS STAGEにも通用する彼女達の姿を見るべく、朝早くからロッキンに足を運んだのだった。

そんな、GRASS STAGEに立ったモーニング娘。のパフォーマンスはどうだったのか…

登場してすぐの「みかん」から、「私たちは今、”ここにいるぜぇ!”」と力強く宣言する50分間。あの場で楽しんでいたのは、モーニング娘。のファンだけではないことは確かだった。見に来ていたロックファンを魅了するものはあったと思う。

そのステージは、半年後にJAPAN JAM出演という知らせで評価された。
誰でも出来る音楽ではなく、自分たちの色を見せつけてきたモーニング娘。は間違いなくGRASS STAGEで勝利した。
 

彼女たちがロックフェスに出ることが必然だったのは、自分たちの音楽を愛し、精一杯のパフォーマンスを披露してきたからだろう。結果的に、数多くの人を魅了することが出来たからこそ、ロックシーンに受け入れられるようになったと考える。
 

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ところで、近年のモーニング娘。の楽曲に目立つ、”モーニング娘。にしか歌えない曲”とは何か。

私が思うに、誰もが聴いて100%カッコイイ曲では無い、必ずしもサビで盛り上がる曲ではない、16ビートでリズムを取れないとズレて崩れてしまう、そんな繊細な曲が、モーニング娘。にしか歌えない曲の特徴としてあると思うのだ。

歌詞をマジマジと見ていると、お世辞にもかっこいいとは言い難いフレーズが含まれていることもあるし、1番盛り上がる箇所がまさかの間奏部分だったなんてこともある。サビでドラムの音が消えてしまう曲は、鍛えられたリズム感でパフォーマンスするしかない。

所謂ダサいに崩れてしまうか、かっこよく魅せられるか、そんな難しいバランスを華麗にかっこいい方に転がすのがモーニング娘。である。

それこそがモーニング娘。にしか歌えない曲だと私は考える。
 
 

さて2020年の春、彼女たちは新たなロックシーンでどんな景色を見るのか。ロックファンに何を見せつけてくるのか。

「アイドルになりたい」からオーディションを受けるのではなく、「モーニング娘。になりたい」からオーディションを受けるくらい、誰よりもモーニング娘。というグループの歴史や音楽、グループそのものを愛しているメンバーが集まって本気でぶつかってくる”ロック”なステージを私は今から待ち遠しい。

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