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世間はまだ「Imitation Rain」の1面しか知らない

SixTONESの過去に寄り添うデビュー曲

SixTONESのデビュー曲が初披露されたのは、2019年11月27日。
SixTONESのデビュー日は、2020年1月22日。
この約2ヶ月間で「Imitation Rain」のフルバージョンが披露されたのは、1月に行われたSixTONESの単独コンサートのみ。
 

このコンサートに行けなかった私は、音楽番組でもラジオでもYouTubeの公式動画でも断片的にしか聴くことができなかった。しかし、ショートバージョンと言えども毎回全く同じ構成ではなかった。だから、SixTONESが音楽番組に出演すると聞く度に、今回はどのパートが聴けるのだろうとわくわくしていた。

必ず披露されるパートを軸に、他の断片たちを付け加え、ピースが揃っているのかも分からないパズルの答え合わせをするような気持ちを持ちつつ、私はデビュー日を待った。
 
 

そしてデビュー日前日、CDが世に放たれた。
私はやっとパズルの答え合わせができ、それから全景を眺めた。
 
 

ここで「Imitation Rain」の構成は以下のようになっている。

イントロ(1)(2)
Aメロ
サビ
イントロ(1)
Aメロ
サビ
Bメロ
ラップ(イントロ(1)(2))
Bメロ(転調)
サビ
Cメロ
サビ
イントロ(1)

(便宜上、イントロという言葉を使ったが、メインテーマとでも言った方が適切だろうか。)
 
 

この内、おそらく地上波で全く披露されていないのは、2番全体とBメロ(転調)だ。
 

Aメロについては、主旋律はほぼ同じなのだが、1番と2番とでは伴奏や歌うメンバーの声色によって印象がガラリと変わる。
張り詰めたような1番が雨が降っている最中とすれば、サビ後の間奏(上記では2回目のイントロ(1))で雨が上がり、2番の前半

「目を閉じて 翼を広げて Close your eyes
(Lalala lalala lalala you will be loved)」

で虹がかかっているような印象を受ける。しかしその後、

「飛び立つのさ 土砂降りの雨の中 We’ll fly」

と再び雨が降り始め、そして1番と同じサビへ向かう。
12小節しかない束の間の雨上がりのシーンが、長年デビューに届きそうで届かなかったSixTONESメンバーの姿と重なった。
 

サビの後、イントロのトラックにのせてラップパートが始まる。SixTONESのこれまでの曲とは違う、囁くような、しかしギターの音に負けない強さを持ったラップ。
ここでは顔や口には出さない、もしくは出すことのできない葛藤が感じられる。
 

ラップと重なるように始まるのが、地上波で披露されていないBメロ部分だ。
ラップパートの前後にあるBメロは音程こそ違うが同じメロディーラインである。ラップ前のBメロが諦めのような負の感情とすれば、ラップの終わりを待ちきれずに始まるBメロは’それでも…’と葛藤の末の前向きな感情が表れている。雨は止んだ。ここで「夢」という分かりやすい前向きな言葉が初めて登場する。しかしまだ儚さも共存している。
 

ここでピアノによってサビの前半が奏でられる。
このピアノソロを境に、もがき悩み苦しんでいた姿から肝を据えた姿へ変わる。あと一歩のところをピアノによって後押しされたのだろう。私は毎回この旋律でグッときてしまう。
 

サビの後半、メンバー全員のハーモニーはもう1番や2番のサビとは別物だ。同じメロディーライン、歌詞なのにこれまで感じられなかった力強さが滲み出ている。
 

そして耳に残るCメロ、最後のサビへ。
 
 

最後のピアノの1音の余韻からは未来へ飛び立った姿を感じる。
だからアイドルの曲といえども’キャーッ’とも’フーッ’とも口から出てこないのだ。ただただ黙って余韻を噛み締め、未来へ思いを馳せてしまう。
 
 

ここまで地上波でカットされがちな箇所を中心に取り上げてみたが、2番やラップ後のBメロの有無によってピアノソロ以降の印象はガラリと変わってしまうのではないだろうか。音楽番組でたまたまこの曲を聴いた人はおそらくずっと雨に打たれている曲に感じただろう。しかし、偶然か必然かカットされてしまう雨上がりのシーンがあって初めて「Imitation Rain」は完成する。本当はただ雨を耐えているだけではないのだ。
 
 
 

ジャニーズのデビュー曲と言えば、デビュー後の意気込みやグループのコンセプトを打ち出すような曲が多かったと思う。一方、SixTONESの「Imitation Rain」はデビューまでのいわゆる過去に焦点を当てた曲だ。「Imitation Rain」はSixTONESのメンバー6人のジャニーズJr.時代を総括した組曲と言っても過言ではないだろう。
 
 
 

組曲「Imitation Rain」を一人でも多くの人に味わってほしい。
しかしそれは遠回しにCDを買えと強要していることと同じだという状況が続きもどかしかった。
 

日本中にSixTONESのCDが放たれた日から1ヶ月後、SixTONESのYouTubeチャンネルにて「Imitation Rain」のフルバージョンが解禁された。デビュー直後の1月26日のライブ映像である。
「Imitation Rain」という名が公表されてから2ヶ月間歌い込んできたこの曲は、デビュー5日目にしてすでにCDやミュージックビデオを超えた存在となっていた。そしてデビューに対する覚悟を感じるパフォーマンスだった。
 
 

満を持してデビューした彼ら。この先節目節目で歌われるであろうImitation Rainに、それを奏でるSixTONESに、期待が膨らむばかりである。

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