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生きる希望

米津玄師

肺の3分の1が潰れています。進行していく病気で、残念ながら今のところ治療法はありません。

僅かな望みを期待し、セカンドオピニオンを求めて、たどり着いた大学病院での主治医の説明は最初の病院で聞いた説明と同じだった。

誰にでも平等に訪れる死、
でもその訪れが他の人より確実に早い。その紛れもない事実。愛する家族との別れ、思い描いていた未来が叶わないという絶望感が身体中を占めていた。
不安を隠しながら、仕事に出かけ、同僚と談笑し、日々の家事をこなす。
夜になると不安が押し寄せ、1人で枕を濡らしていた。
不安にさらに、追い討ちをかけたのは時を同じくして、常に家族の為に自分を犠牲にして頑張ってきた心優しい姉が、さまざまなストレスが重なり、精神的な病を患い、入院したことだった。
私は出口のない暗闇にすっぽり入り込んでしまっていた。

米津玄師の歌に出会ったのはそんな時だった。

唯一無二の彼の歌声は心の奥に優しく入り込み、暗闇の中で不安に支配されている私の心をそっと包んでくれた。

とめどなく流れる涙を止めることは出来なかった。

それから毎日聴き続けた
アルバムBOOTLEG
聴くたびにどれだけの涙を流したのだろう。
歌を聴いて、その度に涙を流し続ける。それは長い人生の中で、初めての不思議な体験だった。
 

その涙は紛れもなく、長い人生の中でおそらく初めて流した自分のための涙だったのだと思う。

私は私は私の人生で最高のアーティストに出会うことができたのだと確信した。

その後運良く、初めて彼のライブに行くことができた。
ライブで聞いた彼の言葉は、愛に溢れ、とても誠実であった。そしてその言葉の中に彼の音楽への壮大な想いを感じることができた。その日から、私の中で、涙が生きるパワーに変わっていったのだ。

出会ってから、一年半。
彼の活躍は目覚ましく、さらに幅広い年齢層に支持されるトップアーティストへと進化していった。生まれる楽曲は日本中で支持されている。

今、私たちは最大の不安を抱え、先の見えない時代で生きている。
その時代に米津玄師が存在すること、彼の音楽があることが、唯一の希望の光なのではないかとさえ、今、私は感じている。

彼の音楽は、常にそれぞれの辛さを抱えて生きる私たちの心を癒し、寄り添ってくれる。

彼の発する誠実な言葉は多くの人の心に響き、光の見える場所へと導いてくれているのだ。

他の誰の言葉よりも。

感謝。

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