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桑田佳祐の魔法

2020年の歌「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」を聴いて

私はサザンオールスターズのファンである。今さら説明する必要もないと思うが、サザンオールスターズは40年以上に渡り日本音楽界を引っ張ってきたバンドである。昨年東京オリンピックの【民放共同企画”一緒にやろう2020″】の応援ソングをそのサザンオールスターズのボーカルである桑田佳祐が担当することが発表された。お待ちかねの楽曲は、今年1月下旬に民放同時生放送でMVの形で初OAされた。タイトルは「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」である。

「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」というタイトルを初めて聴いた時、まず、”SMILE”という単語で桑田さんの思いが分かりやすく伝わってきた。そして、”晴れ渡る空のように”とサブタイトルを入れるのは久々だなと思った。
タイトルとともに初OAされたMV。桑田さんがデビュー以来、40年以上数々の楽曲を制作してきた青山のビクタースタジオの屋上にて、東京オリンピックのメインスタジアムである新国立競技場を背景に綺麗な空の下で桑田さんが歌唱し、老若男女が寄り添いながら、来たる2020年の新時代を感じる壮大なMVだった。

“SMILE”の和訳を辞書で調べると”微笑み”と書いてある。一見とても分かりやすい言葉に感じる。前向きな言葉である。しかし、どうだろう。

〈世の中は今日この瞬間も 悲しみの声がする
次の世代に 何を渡そうか!? 今この時代を生きて〉

この楽曲の歌詞の一節である。人それぞれ良いことばかりではなく誰しも辛いこともあると思う。そんな時に前向きな言葉だけを素直に受け入れられるほど人生上手くいかないことは、20年余りの私の人生でも分かってきた。
“晴れ渡る空のように”。桑田さんはどうしてこのサブタイトルを入れたのだろうか。”SMILE”だけでも十分伝わりそうなのに。その答えはMVにあると思う。先程どんなMVなのか書いた。

[タイトルとともに初OAされたMV。桑田さんがデビューから40年以上数々の楽曲を制作してきた青山のビクタースタジオの屋上にて、東京オリンピックのメインスタジアムである新国立競技場を背景に綺麗な空の下で桑田さんが歌唱し、老若男女が寄り添いながら、来たる2020年の新時代を感じる壮大なMVだった。]

このMVの撮影は二回行われたそうである。一回目は空が曇っていたため、少し時間を空けて晴れてから二回目の撮影を行い、それがMVに採用されたそうである。{注1}

MVの綺麗な空を観ると心が安らぐ。通学、出掛けといった日々の暮らしにおいてもそう感じる。落ち込んでいる時に、綺麗な空を見上げると心が安らぐだけでなく、不思議と嫌なことが考えにくくなる。”晴れ渡る空のように”という言葉を聴いて何をイメージするだろう。私は自然と上を見上げてその言葉を思い浮かべる。

桑田さんは、「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」という楽曲についてこう語っている。

『いざ2020年を迎えてみると、頑張れば明るい未来がやってくる、とかばかりじゃなく、もっと足元を見つめることの大切さも感じるようになったんですよ。ここでいったん立ち止まって、振り返りつつ、その上で前を目指すというかね。』{注2}

先日、東京オリンピックの開催がコロナウイルスの影響により延期されることが発表された。不安に満ちた世の中ではあるが、今はこの楽曲を支えにして、来年桑田さんの歌声が街に流れる日を楽しみにしたい。

「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」という楽曲のタイトルは、ただ前向きな言葉というだけでなく、聴き手が自然と微笑みになれる桑田佳祐の魔法なのである。

{注1}『代官山通信』2020年 vol.149 p.4 サザンオールスターズ応援団
{注2}同上 p.10

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