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笑顔の舞台の中の真顔に引き込まれて。

チーム欅坂46に色を付けてもらった30代の再出発

私は現在37歳の女です。
30歳で結婚し、仕事と家事の両立、中々できない子供、過酷になっていく仕事。夫の事は大好きで結婚生活は楽しいけれど、幾つもの役割と義務と想いが重なり合って、出来ていない自分が情けなく、出口の見えない暗闇に、帰ってきてから一人でめそめそしたり、時には悔しくて発狂しそうになったり、生きている意味がないかもしれない、そんな風に思うことも多くなっていました。
そんな中、2017年、欅坂46との出会いがありました。
年末の歌番組、私はその時特に好きなアーティストもおらず、漫然とテレビを見ていると、お笑い芸人のいとうあさこさんと踊っている欅坂46がたまたま目に入りました。私は欅坂46もきちんと認識しておらず、でもよく見ると真ん中で踊っている子はあまり乗り気ではない様子。よくある年末の企画モノ、実は本意ではなかったのかな、と思っていると、一応笑顔?と思われる表情でいとうあさこさんと目を合わせており、やる気がないわけではないのか、と感じました。踊りや曲調が好きだったのと、感じた少しの「違和感」の正体を確かめたくて、その後も続く年末歌番組で欅坂46を自然と追っていました。明るい曲調でメンバーは笑顔で踊っている…その中でやっぱりセンターの子だけ、表情が浮かない。なんだろう。既に興味しかなかったのに、「アイドル」を好きになるわけがない、というプライドから「そんなに興味はありませんけど、一応見てます」という体で見たFNS歌謡祭で、平井堅さんとのコラボレーションで踊る平手友梨奈さんにどうしようもないくらい引き込まれていく自分が既にいました。しかし何か見てはいけないもののような気がして…、いや、自分の中の暗いみじめな部分を見たくなくて、夫に見られたくなくて感動を胸の奥にしまい込みました。
でもそんなちんけなプライド如きで、平手友梨奈さんへの興味を消し去ることはできませんでした。どんどんのめり込んでいき、気が付けばピチカート・ファイヴやサカナクションなど音楽性の違う趣味を持つ夫ですらドはまりし、2018年夏には欅共和国へ二人で入国しました。二人とももちろんアイドルのライブなど初めて。結果はチーム欅坂が大好きになり、その後も何度もライブへ行くことになりました。
話を戻しますと、平手友梨奈さんへの好奇心は、「なぜみんなが羨むTVの生番組でやる気のないと見受けられてしまうような態度をとるのか」という疑問からでした。ファンになるとともに、時間をかけて過去の動画やネット記事、雑誌のインタビューなどを読んでいくうちに、平手友梨奈さんがいかに自分に正直で、皆から愛されていて、もちろんかわいくて、若いのに信念がありはっきりと自分の意見が言えて、そして何よりミュージックビデオやライブで人を震撼させるほどの得体のしれない才能が有る人ということがわかっていき、私の中で完璧な人になっていきました。
ところが2018年夏、欅共和国の後に行った全国ツアーの新潟公演。夏休みをとって、とてもとても楽しみにしていった全国ツアー。新曲「アンビバレント」の発売も控えており、前日はミュージックステーションで初披露。ファンとしては、疲れてしまうとライブが心配だな、とは思っていましたが、欅共和国でのパフォーマンスを見ていたので、不安よりも期待が高まっていました。しかしながら、平手友梨奈さんは絶不調。ライブでこんなことがあっていいのか、周りのファンは怒らないのか、既に親の心境で別の意味でどきどきしながら、終始ライブを見終えました。なぜだったのかわからないまま、ファンの方たちは変わらぬ熱い声援で、私の見間違いかと思うほど、つつがなく終わったライブ。正直、ファンでいることを続けられない、と思いました。
その後も複雑な気持ちでTVでのパフォーマンスを追い続けました。タイミングにより、波があるのだということもだんだんわかってきて、我が家では「今日は好調!」とか「今日は乗らないね。」とかそんな会話が暖かく繰り広げられるようになりました。
そして今では欅坂46全メンバーの名前も覚え、それぞれの押しもいて、チーム欅坂としてのすべての楽曲や活動からパワーをもらっています。
私は37歳と入社15年目になりますが、自分が信じたことに頑固で、筋を通さないではいられない性格です。しかもそれを言わないと気が済まない性格で、そのため会社の上司にありえないほど強く抗議もしますし、同僚ともぶつかり合うことが多々あります。正直とても疲れます。最近やっていた『同期のサクラ』のサクラまで流石にいかないですが、気持ちはとてもわかってしまうのです。穏やかに過ごしたい、と思う一方で、その気質は変えられない。本当は家庭第一、妊活第一、女性らしく優しい先輩でありたい、そんな理想像は木っ端微塵に打ち砕かれる毎日で、自分を変えたいと何度も思ってきました。それでも言いたいことが言えず、空気を読むことも社会人としてはもちろんあり、そんなときは激しい後悔しか残らない。だから戦う、その繰り返しでした。平手友梨奈さんがどんな性格なのか、どんな風に仕事をされるのか、本当のところはわかりません。もしかしたら激しいパフォーマンスとは反対に人付き合いは穏やかで仕事で言い合いなんてことはないのかもしれません。でも欅坂46が届けてくれる楽曲から、悩んでいた私に「それでいいんだ。合ってるか間違っているかはわからないけど、それでしか進めないならそれでいい。」と言ってもらえた気がしたのです。
そしてもう一つ、私は女らしくできない自分に引け目を感じていました。もちろん見た目も中身も。でも平手友梨奈さんはスーツを着て、濃いメイクもせず、笑顔を見せなくても、あんなにも素敵で、あんなにもみんなに愛されている。アイドルだからもちろん男性ファンもいる。私はいわゆる「女の子らしさ」を前面に出していないアイドルを男性が支持することに、その世論が私の固定観念と違ったことに晴天の霹靂でした。30代半ばまで、女性はかわいくて笑顔を振りまいて、服もかわいらしいのが一番で、大半の男性はそんな女性が好きだ、という固定概念です。実はそんな呪縛を解けない女性はたくさんいるのではないか、と想像します。別にいいんだ、笑顔じゃなくて、と思った瞬間、とっても肩の荷が下りたのです。もう30代だし既婚だし男性に媚びる必要はなかったけれど、それでも世間体を気にして気負っていた部分があったのだと気づかされました。逆に男性も、同じように社会的に認知された性別の価値観というものに、縛り付けられている方もいるかもしれません…。
本題に戻りますが、腐りかけていた私の背中を押してくれた欅坂46、そして平手友梨奈さん。最初に見たTVパフォーマンスやライブでの違和感、普通に考えたら、社会的な評価をもろに受ける大舞台で、全力でパフォーマンスをすべき舞台で、不本意そうな、苦悩に満ちた表情で、辛うじて体裁を保っているレベルのパフォーマンスだったのに、何故、あんなにも輝いてしまっていたのか。苦悩して、やりたいこと、やるべきことを伝えようと本気なのが、やる気のなさそうな姿から、逆に伝わったというか、逆説的に一番本気に見えた。笑顔でいなければならない場所で、笑顔でいなかった姿が逆に本気に見えた。あるべき場所に、あるべきものがない時、逆に意図が強調される。その違和感が人を引き付ける、見過ごすことができない。もしかしたら不快感を持たせるかもしれない、そのリスクを分かっていても、信念を曲げないことの美しさ。彼女の本心はわからないけれど、一ファンが勝手に想像し、勝手に解釈し、勝手に憧れている。
そんな私は、自分を蝕んでいると分かった会社を辞めることを決意。先行き不透明。やるべきことをやる美しさもあると思うけれど、自分の為に、我慢をするのを辞めました。「逃げる」ということではなくて、裸一貫からやる勇気が湧いたのです。自分には本気の気持ちがあることが分かったから。決意した矢先、コロナウイルスのような考えもしなかった敵が現れましたが、変わらない気持ちで、青春みたいにわくわくどきどきしています。自分の人生がこんなにも彩られたのはいつぶりだろう。怖い気持ちと楽しみな気持ち、なんでもできるというパワー。こんなパワーが湧いてきたのは、チーム欅坂46を好きになれたからです。欅坂46との出会いに感謝。これからも欅坂46と、卒業したメンバー、そして平手友梨奈さんを応援していく所存です!

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