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笑顔を選びとること

大事なことは、ザ・ドリフターズに教わった

4月4日。土曜日の夜。スマホの動画配信アプリを開いた。

「8時だヨッ!」
「全員集合ーッ!」
(♫チャンチャチャチャンチャンチャンチャンチャ〜ン…)

目の前に、顔馴染みのメンバーたちがいた。

「いってみよ〜!」の号令に、思い出がプレイバックする。
 

––– 小学2年の頃。

沢田研二さんの「勝手にしやがれ」のパフォーマンスを、食い入るように見ていた。
背中で聞くことも、バーボンの意味もわからなかったが、目が離せなかった。
平成生まれの自分を昭和歌謡とめぐり合わせてくれたのは、ケーブルテレビのとあるチャンネルで再放送していた「ドリフ大爆笑」の歌のコーナーだった。

キャンディーズ、西城秀樹さん、ピンク・レディー……。
父からもらったMDや、中学に入ってお年玉で初めて買った携帯音楽プレーヤーはドリフで知った歌謡スターの曲でいっぱいになった。

番組内では、そんな歌手たちもみんなコントに挑戦する。
沢田さんがコントをする時、その相方はいつだって志村けんさんだった。

物心ついてから、テレビを見て笑ったいちばん古い記憶は「バカ殿様」。
志村さんが出る番組を見逃したくなくて、新聞のテレビ欄を見ることやVHSに予約録画する手順を覚えた。

「バカ殿様」「だいじょうぶだぁ」「ドリフ大爆笑」「全員集合」。
むさぼるように見ては、腹をかかえて笑った。
気持ちが沈んだ時も、クスッと前向きになった。

漫才や、ほかの芸人さんにハマることもあった。
それでも「東村山音頭」や「ヒゲダンス」などのリズムネタを、今でも何の気なしに口ずさんだり、「あんだって?」とか「ひっくしゅん!」とふざけたりする。それくらい、ドリフがつくり出してきた世界は日常になっていた。
 

あたり前だった日々が揺れている。
不安だし、もどかしいし、くやしい。
だから無性に声を聞きたくなったのかもしれない。
やはり、笑ってしまった。

エンディング曲が流れると、自然と首が揺れた。
 

〽︎
ババンバ バン バン バン
アービバノンノン

笑ったネ アハハン
唄ったね アハハン
笑うかどには 幸せがくる
 

聞き慣れたことわざに、今は強く問いかけられる。

ドリフは世代や性別、国籍も超えて笑い合える時間を届けてきた。同じような大立ち回りはできなくても、時にはむっと口を結びそうになっても、笑顔を選びとることで前を向き続けたい。
 

※〽︎記号部分は、ザ・ドリフターズ「ドリフのビバノン音頭」より引用

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