3459 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

エレファントカシマシ 雨の野音

エレファントカシマシの歴史

今朝、私がお世話している豆柴の女の子と、雨の中、散歩に繰り出した。
夫が調べた柴犬情報によると、柴犬は、自分の住まいを汚さない習性があるので、絶対に家で排泄をしないそうだ。
お世話係としては、責任重大だ。
散歩に行くまで、我慢していると思うとせつない。
毎朝、犬に引かれて3千里(大袈裟)。牛に引かれて善光寺まいりのようなものだ。
犬が行きたいところに私がお共をするのだ。
雨は、降り続き、犬も私もずぶ濡れだ。
それでも、犬が楽しければ私は嬉しい。可愛いのだ。
雨に打たれながら、私は、エレファントカシマシの野音が、2度とも激しい雨だったことを思い出した。
1回目は、ファンになってから日も浅い2018年だった。
友人と二人で、外聴きというものをしてみたのだ。
中に入って行く人達を羨ましく思いながら、傘もカッパも役にたたない激しい雨で、外でずぶ濡れになるということを、初体験した日だった。
初夏でも、雨にうたれると、体が芯から冷えることがわかった。
歌も演奏も、そぞろにしか聞こえず、でも、結局、最後まで聴いて、震えるほど冷え切った体を温めるべく、有楽町の駅近くのお蕎麦屋さんで、私達の初冒険を熱燗で乾杯して、やっと帰宅の途についた。
自分にも、このような忍耐力が残っていることを認識した日だった。
翌日、ボーカルの宮本さんが喉を傷めて、Wake Upツアーの最初の名古屋公演を延期して、しばしの休養に入ることを知った。
2017年から47都道府県の30周年ツアーをメンバーと駆け抜けて、2018年3月最後のアリーナの公演を終えて、6月新しいアルバムを出して、その間もその後もいろいろなことをこなしての野音。
どう考えても、お疲れのはず。すごく寒い日だったし。
そう、外で聴いても、宮本さんの声が少しかすれているのかな?という感じがした。
でも、その後、Weke Upツアーが順調に始まり、ほっとした。
最初が最後に延期された名古屋公演の日は、粘れども、結局チケットが取れなかった私達は、物好きにも名古屋まで日帰りの旅をした。
公演会場の名古屋Zeppで記念写真だけ撮って帰って来たのだ。
若い人達がいっぱい並んでいるのを羨ましく眺めて、とにかく夜中の12時までには帰宅した。
二人の弾丸ツアーだ。
チケットがなくても楽しめる。
チケットなんかいらない。「風と共に」というエレカシの歌を体感したのだ。

私達の野音2回目のトライは、この努力が実ったのか、奇跡のように友人と共に抽選に当たった。
野音は、ご存知のように、一人一枚しか申し込みができないのだ。しかも、今回は記念すべき30回目の野音なのだ。嬉しすぎる。
初スマチケだったので、当日までに、スマホを落としたり、壊したりしないか、とても心配だった。
大丈夫。私達は無事、当日を迎えた。
本当の初野音。それも30回目の。なんという幸運。
入口で友人と分かれて、会場入りした私は、自分の席に座った。
右隣の二人の若い女性たちと、始まるまで少しお話しすることができた。
埼玉から来た方は、昨日は外聴きに参加したそうだ。
「宮本さんのシャツは、黒と白のどちらが好きですか?」とか
「エレカシの誰のファンですか?」とか
「赤箱は買いましたか?」とか楽しい質問があった。
勿論、3人とも購入していた。
赤箱は、とても美しかったので、思わず、追加注文してしまいそうだった。
エレファントカシマシの育ての親の深い愛を感じた。
もう一人の方は、30周年のブルーレイに自分が映っていて、びっくりしたと言っていた。なるほど、そのようなこともあるのだ。いいな。エレカシの歴史に刷り込まれるなんて。後で、じっくり見てみたが、私は、やっぱり、映ってなかった。
映るはずもない遠い席だったのだ。
そうこうしているうちに30回目の野音が始まった。
シグナル、愛の夢をくれ、孤独な旅人と続き、宮本さんの髪が風にたなびいて美しい。宮本さんは、骨格からして美しいと友人とも話したことがあるが、そもそもエレファントカシマシの4人の佇まいが美しい。
いやらしさや卑しさの微塵もない気品ある4人の佇まいに、私はいつも感銘を受ける。
60代後半の私から見た4人は、とても可愛い人達なのだ。
だから、エレファントカシマシを支えるすべての人達も可愛いのだ。
私は、現実に野音のただなかにいる自分に震える気持ちで、何度も何度も雨の空を仰いだ。その時の空の様子を忘れたくなかったからだ。今でもはっきりと覚えている。
雨は、ずっと空から降り注ぎ、ますます激しさを増してきたが、どの曲も雨にとても似合っていた。
特に、かけだす男では、雨が劇的に花を添えて、その臨場感にはすごいものがあった。宮本さんすごい! 楽器隊も素晴らしい!
30回目の野音は、エレファントカシマシがお世話になった方々に感謝し、ファンも心から祝福して、心の交流の場だった。
とても温もりを感じるコンサートだった。
「こんなこともあっていいんじゃないですか?」
というようなことを宮本さんが言っていたけれど、本当にそのとおりだった。
これこそハレルヤなのでは。
アンコールの星の降るような夜にで、ついに野音の幕が閉じた。
どんなに楽しくても、終わりがある。
友人と待ち合わせて、感動でぼう然としながら帰宅の途についた。
後日、この日の野音のブルーレイの中に、私の後頭部がたくさん映っていて、驚いた。ステージへのカメラの通り道だったのだろう。
私の後頭部は、エレファントカシマシの歴史に刷り込まれたのだ。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい