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aiko。 あなたはいつまでも あたしの光

2020年 aikoは2度目のメジャーデビューを果たしたと思う。

『あたしにとって あなたの全てが愛の味』
テレビのCMに乗って流れてきた、このワンフレーズが耳からなぜか離れなかった。
何度も観たわけでは無いのに、気付くとこのフレーズを口ずさんでいた。

まだ中学生になるかならないか。
本当の恋も愛も知らないのに、私の胸に突き刺さった。

しばらくして、クラスの友達からたまたま借りたCDで、その歌声と再会を果たした。
その曲は、aikoの『小さな丸い好日』に収録されている『ナキ・ムシ』だった。

当時、すでにテレビの歌番組でaikoの存在は知っていたが、『花火』や『ボーイフレンド』などのアップテンポな曲を元気いっぱい歌う彼女の姿と、『ナキ・ムシ』の、何とも胸を締め付けられるような、それでいて暖かい歌声の彼女が、すぐには結びつけられなかった。

スルメソングとも言われる、彼女の歌の一つ一つに虜になり、部屋に彼女のCDばかりが並ぶまで、そう時間はかからなかった。

SNSが普及した昨今では、似たような思想を持ったり、同じ趣味をもつ人を見つけることはたやすいだろう。
しかし、当時の私は(多感な時期だったこともあるだろうが)独りぼっちを感じることが多かった。
友達と長電話をしたって、好きな人と帰り道で一緒になったって、ふとしたとき、自分は独りぼっちで孤独な存在だと思えて仕方なかった。

そんな一瞬一瞬の気持ちを言い当てるかのように、とにかくaikoの曲は私のそばにいつも寄り添ってくれていた。

『誰が何を言おうと関係ないあたしは味方よ』
ーbe master of life

ラジオでは、こんなふうにも言っていた。
『笑うのが苦手な人 人ごみが苦手な人
学校が苦手な人 会社が苦手な人
君だけじゃないよ。
明日はいい日になりますように。』

ひとりぼっちは、孤独じゃない。
いつしか、そんなふうに思えるようになった。
彼女の歌に共感する人がたくさんいること、彼女が人気アーティストとして扱われることで、なおさらそう思えた。
 

初めてライブに行った日のことも、鮮明に覚えている。
Love Like pop vol.10
NHKホールの3階席の、端の席から観たaikoの姿と、初めて聴く生の歌声。
私は最後まで、手を挙げることもできなかったし、『aikoー!』と叫ぶこともできなくて、ただ泣いていた。顔なんてはっきり見えない距離なのに、aikoとさしっかり目があった気がした。
(その後、aikoのライブに繰り返し行ってみて分かったが、目があった『気がした』のではなく、絶対に目があった。彼女のライブはそういうライブだ。)
 

時が過ぎて、いつの間にかライブに行くことも当たり前になった。
恋もしたし、愛についても、昔よりはちょっと分かる。
aikoの歌に共感できることも、前より多くなっただろう。
当たり前に側にいるaikoの歌は変わらずに、私の生活に寄り添い続けている。

でも、それは『変わらずに』ではないのだろう。

2019年。
FM802の春のキャンペーンソングで、aikoは他のアーティストと1つの楽曲を歌っていた。

『つまずいて転んでも 桜はきれいだよ』
ーメロンソーダ

どうやったってaiko節なフレーズを、上白石萌歌が歌っていた。
ドキドキしたし、なんだか嬉しかった。

そして2020年。
突然のサブスク解禁。

CDという媒体に想いを込め、毎回パーツの1つ1つにまでこだわる彼女が、サブスク解禁したことは、衝撃的でさえあった。
でも、やっぱりこれも嬉しかった。

そして、サブスク解禁にSNS上も沸いていたように思う。『なんだよー、あいつもaiko好きだったのか!』という感じになったりもした。

畳み掛けるように、東京スカパラダイスオーケストラとのコラボ。

明らかに、今までのaikoとは違った活動が増えた。
でも、やっぱり変わらない。

彼女は最新曲でも、やっぱり恋を歌うのだ。
変わらずに、とてもリアルに。

『触れてはいけない手を 重ねてはいけない唇を
あぁ知ってしまった あぁ知ってしまったんだ』

『想ったり嫌になったり自由で不自由だった
それはあなたがいてくれたからできたんだ』
ー青空
 

こんなに色んな初めてが続いて、aikoジャンキーとしては嬉しい反面戸惑いもあった。
でも、各媒体で、彼女が口にする言葉は、とても心強くて、なんだか楽しそうで安心した。
 

先日のLove Like Rock vol.9~別枠ちゃん~
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、Zepp Tokyoでの公演を延期とする決断をした。
その彼女が、とっておきのライブをYouTubeで配信してくれた。
セットも、バンドメンバーも、aikoの衣装も。
カメラアングルも、セットリストも、無料配信のクオリティを遥かに超えていたように思うし、あの配信に関して彼女やその周りのスタッフが、完全に『ガチ』なことを感じた。

その配信を見ながら、私は思った。
aikoはいま、2度目のメジャーデビューを果たしたのだと。
今までしてこなかった、他のアーティストとのコラボレーションも。
サブスク解禁も。
無料配信のライブも。
今までaikoに出逢えなかった人にとって、aikoに出逢うチャンスになったのだから。

『ナチュラルと草ぼーぼーは、違うからね。』
とは、aikoがいつだったか松任谷由実からもらった言葉だという。
変わらずにいるためには、ほったらかしでは駄目なのだ。
変わらない強さと、変わらずに、維持していく努力。

あまり見せつけないけれど、aikoも努力に努力を重ねて、あたかも当たり前のように私のそばにいてくれる。

配信ライブの最後の1曲。
『さよなランド』を歌う彼女の姿が小さくなり、初めて客席(フロア)が映された。
フロアに敷き詰められたLEDライトは、まるで私たちだった。
aikoは、いつも私たちファンに向けて『ありがとう』と言ってくれる。

aikoを照らす光に、私もなれているのだろうか。
 

ううん。
ちがうよ、aiko。

『あなたはいつまでもあたしの光』
ー スター

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