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桜の花を目にしたら

Janne Da Arc解散から一年が過ぎて

2019年4月1日、12年以上にも渡る活動休止期間を経て、Janne Da Arcは解散を発表した。

私がJanne Da Arcと出会ったのは1998年の夏。インディーズバンドをメインに取り上げる深夜の音楽番組がきっかけだ。既に彼らはインディーズシーンの中でも絶大なる人気を誇っていた。当時は今のようにSNSやインターネットも普及しておらず、情報源は雑誌やテレビ、ラジオといったメディアだった。
まだ中学生の私は、耳に残るメロディと重厚感のある激しいビート、そして凄い勢いで頭を振りながら歌うボーカリストの姿にすっかり心が奪われてしまった。
お小遣いをかき集め、発売されていたミニアルバム「Dearly」を購入。その後も「Resist」「CHAOS MODE」と発売告知がされるともに予約をして発売イベントに参加したり、親に頼みこんでライブへも行った。まさに彼らが創り出す世界へ瞬く間に魅了されていった。
そこまで夢中にさせる魅力のひとつには、楽曲の世界観があげられると思う。

彼らの曲には、ファンタジー、恋愛、反発心、夢、葛藤、社会問題、そしてファンへの思いなど様々なストーリーが描かれている。
これらすべての曲に共通していることが、曲の世界へと聞き手の心が飛び込んでいってしまうということである。
演奏だけでも情景が頭に浮かぶような完成度に、物語を際立たせる歌詞がのる。まるで一本の映画を見た気分になるように、その世界へと連れて行ってくれるのだ。
思春期特有の孤独を感じていた時も、Janne Da Arcを聞くと前向きになり、一人ではないような気がした。自分の武器がわからなくても、何か可能性があるかもしれないという勇気をくれた。男女の恋愛模様が描かれた曲には刺激的な歌詞もあり、今思うと当時はきちんと理解していなかった部分もあるだろう。しかし「大人になるとこんなにも幸せな恋愛ができるんだ!」という大人への憧れも抱かせてくれた。
まさにJanne Da Arcは私の青春を彩り続け、学生時代の思い出にはほぼ全てといっていい程にJanne Da Arcの曲がリンクされている。

2000年に発売されたメジャー1stアルバム「D・N・A」の7曲目に「桜」という曲がある。
軽快さを感じるポップなテンポのリズムとは裏腹に、ギターとキーボードの音色が切ない。そしてとても綺麗なメロディラインがもの悲しさを増し、個性的で印象的な一曲ではないだろうか。
歌詞を読むと、もう会うことができないかつての恋人を思う切ない曲と私は解釈している。その解釈はおそらく正解であると思っている。しかし、今聞くと不思議なことに違う印象を受けてしまう。Janne Da Arcのメンバーと私たちファンの曲のように思えてしまうのだ。
最後にこんな歌詞がある。

約束の言葉、、、”桜の花を目にしたら、、、”

今年はもちろん、少なくとも活動休止をしていた期間は桜の花を目にするとこの歌詞の部分が頭から離れなかった。そしてJanne Da Arcのことを思い、曲を再生する。
桜の季節でなくても彼らの音楽を忘れたことはないけれど、桜の季節は特に強く思いがよみがえる。CDを手にした日の喜び。初めて行ったライブ。CD発売記念イベントのこと。インディーズラストライブが学校行事の林間学校で行けなくて泣いたこと。大好きな5人のステージ上での笑顔。そして、一生忘れたくない大阪城ホール公演でのMC。初めてテレビで目にしたあの日から今日までの思い出があふれだす。
私は少し自分に酔ってしまってるのかもしれないけれど、切ない恋愛の曲だと思っていたものが、バンドとファンを繋げる曲に感じるとは不思議なものだ。
本来と違った曲の受け取り方をして、彼らからしたら甚だ迷惑な話かもしれない。けれど、Janne Da Arcとの強い繋がりを感じていられる気がして、切ないけれど幸せでもある。
そして聞き手の感情や環境によって、音楽は変化をするのだなと思うと、改めて音楽の奥深さを実感した。

解散はもちろん悲しい。今でも悲しくてたまらない。
信じたくなくてメンバーからの解散についてのコメントを何度読み返したかわからないくらい読んだ。丁寧に丁寧に語られた言葉。正直に綴られた文章。そして多くを語らなかったコメント。私はどれもバンドとファンへの抱えきれないくらい大きな愛を感じてしかたがなかった。
私が大好きなJanne Da Arcは嘘じゃなかった。曲を聞いて感じた思いも、5人の笑顔も、全部全部本当だった。そう思うと私は幸せな時間を過ごし、幸せな思い出を手に入れたのだなと心の底から思う。

突然の解散に怒ったり、嫌いになったりできる程、軽く片付けられるような気持ちではない。むしろJanne Da Arcに出会えた喜びと感謝を再認識し、より一層愛情が深まった気がする。
ありきたりな言葉かもしれないけれど、音楽は生き続けるし、思い出だって消えない。これまでとは違った形で、今の生活に曲がリンクして新たな思い出が増える可能性だってある。Janne Da Arcとの思い出、第二章の幕開けと考えてみたりもする。
だから、また5人が同じステージにあがる光景を見たら、私はこれからも笑顔で両手を広げて迎え入れるだろう。たとえそれが、彼らの残してくれた映像の中だとしても。
そして春にはまた「約束の言葉」を思い出す。来年も、その先もずっと。

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