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NICO Touches the Walls と歩んだ青春

突然の”終了発表”から燻っていた気持ち

Youtubeに光村龍哉の路上ライブ動画が上がっている、という書き込みを目にして、
そんなまさか、と思いながら検索をした
映っていたのは紛れもなく、自分の青春時代のヒーローだった

NICOを知ったのは中学一年の頃、NARUTOのエンディングだった「Broken Youth」を見て
声、歌詞、ギターソロ、とにかく全てがカッコよくて、お小遣いを握りしめて吉祥寺のディスクユニオンに走り
インディーズ盤「Walls Is Beginning」「runova x handover」を手に入れた

CDから流れ出てくる音は、テレビで見慣れた流行りの音楽と何かが決定的に違った
「行方」や「image training」の刺々しさ、鼓動が跳ね上がるようなヒリヒリしたサウンドに一瞬で虜になった
逆に「梨の花」のようなバラードは、幼かった自分にはすごく大人っぽく感じ、歌声の色気にドキッとしてしまった

それからは、新譜が出るのを心待ちにし、テレビのタイアップ、ラジオの出演は必ずチェック、
彼らのインタビューが掲載されたROCKIN’ ON JAPANは全て保存していた
そして古くんのマネをして白いテレキャスター(ただしフェンダーではなくスクワイア)を買って練習を始めた

高校生になりバイトでお金を貯めてようやく、生で彼らの音楽を聴くことが出来た
人生初の新木場STUDIO COAST、アルバム「Passenger」のツアー二日目
一曲目の「ロデオ」が始まった途端、バスドラの音圧で吹き飛びそうになる

ラッキーなことに前から五列目くらいににポジションを取れたから、
生音も聴こえてくるんじゃないかと思うほどの近さに、ただただ圧倒され
揉みくちゃにされ、「ライブってすげぇ!」と体感したのが昨日のことのようだ
そこから昨年の「QUIZMASTER」ドームシティ公演まで、
ツアーの関東公演に皆勤賞で参戦することになったのは、自分でもびっくりしている

部活の大会前夜は「ランナー」を流して気持ちを高めた
はじめて付き合った人と一緒に「April」を聴いた
友達と組んだバンドで「ホログラム」をコピーして初めてステージに上がった
大学受験会場に向かう道で、イヤフォンから流れていたのは「鼓動」だった
11月25日は必ず予定を空けておいた

11年間
彼らの曲は、青春の重要な場面に寄り添い続けてくれた

NICOの曲を初めて聴いたときの
「こんなカッコいい曲聴いたことない」
という感情にとり憑かれて、音楽の奥深さにはまったせいで、
自分は今も、裏方という形で業界の片隅にしがみついている
 

突然の”終了発表”はずっと受け入れられなかった
バンドは人と人の関係性で作られるものだし、継続が難しくなることもあって当然
だけど、あの短いメッセージ一枚で、今までのNICOの全てが過去形になってしまったことが堪らなく寂しい

幕の引き方なんて本人の勝手だけど、それでも
活動終了の言葉はライブハウスで本人の口から聞きたかった、というのは我侭だよな

でもさ、NICOファンのみなさん
「あのライブで見たのが最後だったなんて」という気持ちから中々抜け出せてないんじゃない?
どうしたらいいんだろうね、この喪失感のやり場は

そんな中で突然あらわれた、みっちゃんの弾き語り動画
薄汚れたコンクリートの路上で「Passenger」を弾き語る姿を見て
初めて行ったライブのラストも同じ曲だったな、と思い出した
その時は、静かな情熱を湛えたエネルギッシュな曲だと感じたけど
「命の限り 声を枯らして 孤独を歌う僕はPassenger」
という歌詞が、今は切なすぎる・・・

でも、NICOの曲を楽しそうに歌っている姿を見ると
バンドは決裂して終わったわけじゃないのだろうと思えて、少しホッとする

今後、彼らが個人で活動していくのか、メインストリームに戻るつもりは無いのか分からない
けどいつの日かまた、四人が揃った姿をステージ上で見られることを、願わずにいられない

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