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アーティストとファンが人間関係を築くということ

BUMP OF CHICKENが紡いだ新しい絆

コロナ禍の中にあって、多くのアーティストがそうしているように(おそらく同じ意図で)BUMPも未公開MVやLIVE映像を期間限定公開した。
既に全てディスクで持っているが、YouTubeで流すとランダムに見る事ができるので、私もおこもりしながら、それらの映像を流している。

そして気付いた。
rayやYou were hereなど、WILLPOLIS2014(2014年に行われた全国ツアーのタイトル)の頃の曲を聴くと、自然と胸がギュッとなって目頭が熱くなる。

曲を聴くと当時の感情が蘇って、無性に切なくなったり懐かしくなったりするのを経験したことがある人は少なくないんじゃないだろうか。
そういうのは大抵、片思いの相手を思いながら聴いていたとか、文化祭の時期にずっと流れてたとか、その曲自体というより、その曲を聴いていた時の自分の身の回りの状況やそれによる感情が原因であることがほとんどだ。

でも、この感情は違った。
明らかにMVに映っているBUMPに対する感情だった。

WILLPOLIS2014の頃のBUMPの楽曲や活動はそれまでのものとは大きく異なり、古参ファンからはかなり賛否両論があった。
ギター、ベース、ドラムを基本とした所謂ロックを貫いてきた彼らがシンセサイザーを使ったり、頑なにTVへの露出を控えていたのに立て続けに音楽番組に出たり、他のアーティストとのコラボが極端に少ないのに初音ミクとのコラボをしたり…「BUMPらしくない」と思ったファンは少なくないだろう。
かくいう私もその一人だった。新しい雰囲気の曲も好きだったし、TVで見れるのも嬉しかった。藤くんの声が大好きな私には初音ミクの声はいらなかったけど(笑)BUMPのことを好きな気持ちに変わりはなかったが、違和感だけはずっとあった。

だから、WILLPOLISの映画で彼らの恐怖と勇気を目の当たりにした時、涙が止まらなかった。
自らを変えてでも進んでいこうとする。それはひとえに音楽のためで、その音楽はひたすらリスナーに届けるためで。そのせいでファンがどう思うかをこんなに怖がっているなんて。

あの時、私は初めて、ただカッコよくて優しく面白い「偶像」だったBUMPが、本当にどうしようもなく「人間」なんだと思い知った。
その感情の記憶が、私を今も熱くさせるのだ。そして、それはBUMPというアーティストが一介のファンとの「人間関係」を築いてきたことの証でもある。なぜなら、この感情は当時より確実に強くなっているからだ。

“あまり泣かなくなっても 靴を新しくしても
 大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない“
rayでそう歌った藤くんがWILLPOLIS2014を経て届けた曲がYou were hereだった。
“君の昨日と明日に 僕もいたい“
“そこから伸びた時間の上を歩くよ 全て越えて会いにいくよ“
こんなにも直接ファンに向けて歌った曲があっただろうか。
イノセントやpinkieでも暴力的なくらい唄を届ける気持ちを伝えてくれていたけど、ライブで会ったファンに対し、想いを返すように歌った曲はなかった。
彼らも本当に心からファンを信じてくれたんだと思う。

そして、そこから彼らは曲やライブというコミュニケーションを通じて、ファンとの関係を確かな「人間関係」として築いてきた。

MVで、ファンにフォーカスが当たっている宝石になった日は特徴的だ。そこでは“あの温もりが 何度も聴いた声が 君がいた事が 宝石になった”と歌ってくれている。

ライブでは、曲の歌詞変えや間奏での煽り、MCでもっともっと直接的に伝えてくれている。

前のライブでは、ボーカルの藤くんが「大勢の一人とか思ってんじゃねぇぞ、お前に歌ってんだ」と叫んで、ハッとさせられた。
BUMPがあまりに強烈に眩しいから、つい一方的に見ているだけなんだと「関係」などないんだと思いそうになる。いや、ファンでない人からしたらそれが普通だ。
でも、BUMPはそれを打ち破ってくる。対話の仕方は普通と違うかもしれない。でも確かに生身の人と人との「関係」なのだと信じさせてくれる。

その一端をYouTubeで観れるPATHFINDERのライブで垣間見れるはずだ。
結成から変わらず4人で続けてきたBUMPの絆を歌ったリボンを、一つ目のサビのフレーズを変えるだけでファンとの絆の唄に藤くんが変えてしまう。

“嵐の中をどこまでも行くんだ 赤い星並べてどこまでも行くんだ”
藤くんが力強く歌う最後のこのフレーズが終わると、私は必ず叫んでしまう。

どこまでも行ってくれ!どこまでだって、ついていくから。
 

きっとまだまだ、この「関係」は変わっていくのだろう。
ファン同士の繋がりも巻き込みながら、BUMPの思いやりと熱は広がっていってるのだから。

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