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BIGMAMAとリアド偉武

最高の未来を作り上げてきた今までのこと

5月の第二日曜日。
日付ではなく曜日で決まっているその日は他の日曜日とは違う役割を与えられている。
「母の日」である。
その「母の日」をひょんなことから思い入れのある日にしているバンドがある。
そのバンドはBIGMAMA。
そう、バンド名に「MAMA」が入っているのである。
高校時代に適度にダサいという理由で名づけられたバンド名によって、バンドの大切な日が決まるなんて当時は思いつかなかっただろう。
ましてや命名は当時メンバーではなかったベース安井英人が「これいいじゃん」とボーカル金井政人の自転車に貼ってあったステッカーに指さして決まったのだから。

BIGMAMAは高校の同級生であった金井政人(当時ベース)、リアド偉武(ドラム)を中心に高校の先輩であるTOTALFATを見てバンド結成。
Shunに憧れた金井はベースを、Buntaに憧れたリアドはドラムを持ちバンドはスタートした。
その後金井をヘッドハンティングしようとした同級生の柿沼広也(ギター)が逆にハンティングされる形で加入。
イエローカードのコピーバンドをやるようになり、バイオリンがいる現在のBIGMAMAの形になる。
そして2006年「大学在学中」にUK PROJECTのRX-RECORDSから1stミニアルバム「short films」でデビュー。
しかしリリースツアーを終えるもその後2本のライブを行った後にメンバーが「就職活動」を理由に2名バンドを脱退、またBIGMAMAも活動休止。
リリースしてから約2か月後のことだった。
ちなみにこの時抜けたのは当時のもう一人のギターとバイオリンを担当していたメンバーであり、柿沼広也も就職を考えていた。

活動休止後、メンバー探しを行ったBIGMAMAは餅は餅屋に精神でいつか神戸のライブハウスで知り合ったバイオリンを弾くライブハウスのスタッフに誰かバイオリンを弾ける「良い人」を尋ねた。
その「良い人」が神戸のライブハウスのスタッフでもあり現在BIGMAMAのバイオリンを担当する東出真緒である。
また、ギターも一人いなくなったBIGMAMAはもう一人のメンバーも探し求めていた。
すると、柿沼が当時他のバンドで活動していた安井英人をスタジオに連れてくる。
ただ安井の担当する楽器は「ベース」であり、当時のBIGMAMAのベースはボーカルも務めている金井である。
ダブルベースも過ったが、柿沼の一声により金井政人ギターに転向。
メンバーだけでなく楽器もチェンジ。
柿沼はメンバーを紹介した手前抜けられなくなりBIGMAMA続行。
現在のVo.Gt 金井政人,Gt.Vo 柿沼広也,Dr リアド偉武,Bs 安井英人,Vn 東出真緒の5人体制となる。
活動再開後リアドは坊主になっており(金井曰プリズンブレイクに出てきそうな感じ)、ドラムも新メンバーになってる?!と少し話題になっていたらしい。

新たな形で走り出したBIGMAMAは2010年に一つ転機を迎える。
それがコンセプトアルバム「Roclassick」の発売だ。
このアルバムのリリースツアーはワンマンツアーだけでなく、タイバンツアーやTOTALFATと回る先輩ツアー、また同時期には高校時代コピーバンドをしていたイエローカードの来日公演の前座を担当。
そしてそのツアーのグランドファイナルがSHIBUYA-AXでのワンマンライブだった。
SHIBUYA-AXはBIGMAMAがメンバーチェンジ前に行ったライブハウスの中で一番大きなライブハウスであり、目標としているライブハウスの一つであった。
公演日は2011年3月30日。
何もなければ盛大なグランドフィナーレになるはずだった。

ただし、この年日本を未曾有の大災害が襲う。
2011年3月11日 東日本大震災である。
東北は甚大な被害を被り、東京も機能が一部麻痺していて「自粛」という言葉が飛び交った。
それは音楽業界も同様でライブの延期や中止が目立っていた。

その中でBIGMAMAは必要最低限の電力でライブを行うことを決断。
おそらく推測だがカットした演出などもあったのだと思う。
しかし、この日のライブは人々の悲しみを遠ざける素晴らしいライブであった。
その時披露された曲の中に当時まだリリースされていない曲が2曲あった。
それは「秘密」と「until the blouse is buttoned up」である。
「秘密」は以前にも披露されていたが、「until the blouse is buttoned up」は3.11の直後に作られたもので演奏も少し手探りな部分やリリースされた時とは音もだいぶ違ったように思う。
ちなみにこの日の模様はDVD化されているが「until the blouse is buttoned up」は収録されていない。

そのライブ中のMCで収益の一部を東日本大震災の復興支援に寄付するチャリティーライブを行うことを発表。
日付は2011年5月8日。
2011年の母の日であり、母の日に初めてライブを行った日である。
この年からBIGMAMAは母の日に毎年ライブを行うこととなる。

その後Zepp TOKYO、新木場スタジオコーストなどライブハウスの中では巨大な会場を満員にするようになり、2016年にデビュー10周年、2017年に現在のメンバーになり10周年ということで日本武道館でのライブも行われた。

そして2018年、ユニバーサルミュージックとのパートナーシップを結びメジャーデビューすることが決定。
下北沢から青山に華麗にお引越しを行い気持ち新たにバンドの活動を行っていく。

2019年にはRoclassick作品としては3作目となる「Roclassick ~the Last~」が発売され、それに伴い恒例のクリスマスライブ、母の日をファイナルとするアルバムツアーも発表された。
アルバムタイトルに「Last」がついていること、ツアーファイナルが「the Last of the Last」というサブタイトルがついていることでBIGMAMAが活動休止するのでは・・・?といった不安もファンの中に漂ったが、映画は3から見ないでしょ?という理由で「Last」になったという本人たちのコメントで少し安堵し、クリスマスライブを迎え、クリスマスという雰囲気も相まって最高の空間を作り上げた。
しかし、少し遅れて届いたクリスマスプレゼントは予期していないといっては嘘になるが、異なる「LAST」のお知らせだった。

それは2020年5月10日母の日をもってリアド偉武の脱退である。

BIGMAMAの正真正銘のオリジナルメンバーであり、BIGMAMAのリーダーであり(金井曰)、BIGMAMAの体幹、ボディである(金井曰)リアドの脱退はファンの間でも大きな衝撃となって伝えられた。
RoclassickツアーはつまるところBIGMAMAのリアド偉武としての最後のツアーになるはずであった。

しかし、またしても世の中を悲劇が襲う。
それはコロナ禍である。

今回は日本だけでなく地球規模の感染症で人が一つの場所に密集するライブなどは真っ先に延期、そして中止に追いやられた。
BIGMAMAのライブも例外ではなく走り始めていたツアーはファイナル含めて中止となった。
長きを共にしてきたメンバーの別れがこんな形になるなんて思わなかったし、メンバーが一番心を痛めていると思う。

バンドというのは人間がやっているもので、永遠ではない。
人にはそれぞれ寿命があるし、そのすべてをバンドにささげることが絶対ではない。
いつ終りが来るか、いつ今の形が変わるか。
好きなものがずっと存在するとは限らないと心の中ではわかっていたし、理解もできていた。
ただ、お別れの場として用意されていたものがなくなるというのは予想外であった。

パワフルな肉体からはじき出されるドラムの音、マイクを通さずとも会場全体に響き渡る雄たけび、時折見せるまぶしい笑顔。
そのどれもがBIGMAMAのトレードマークであったし、BIGMAMAの音楽を支える大事な要素であった。
それがもうBIGMAMAの後方からいなくなってしまう。

これから先、リアドがBIGMAMAがどんな未来を歩んでいくかはわからない。
ただ、リアド偉武が参加している最後の作品としてリリースされたセントライトにはこんな歌詞がある。

“生きていく意味が死ねない理由が
ずっとこの日を待ち焦がれていたんだろう?”

“希望の光へ
セントライト
チャンスは一度使い切りでしょう?
自分のその手で叶えないと
最高の未来で会いましょう
また会いましょう”
(セントライト)

この歌詞は今書かれたものではないし、この曲は少し前からライブではファンは耳にしたことがある曲である。
ただ、リアドの脱退があったからと言って自分たちは歩みを止める気はない、コロナ禍でどんな苦しいことがあっても自分たちは少しでも聞いてくれている人の不幸を遠ざけられるようににいろんなものを発信していくんだという決意のようなものが宿ったように思う。

リアドは居なくなるが、BIGMAMAは進んでいく。
BIGMAMAではなくなるが、リアドも進んでいく。

きっとBIGMAMAもリアドもこの先僕たちに素敵な未来を用意してくれる気がするよ。
気がする?いや、出来るはず

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