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2017年8月28日

あかり (16歳)
23
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君がいれば、それでよかったの。

彼と ザ・モアイズユーが教えてくれた恋

今の時代では珍しいと笑われるかもしれない。
少女マンガみたいだと信じてもらえないかもしれない。

それでも、聞いてくれますか?
私が最初に、最後に愛した、最低だけど大好きだった彼の話を。
 
 

【君がいてくれたら 僕はそれでいいんだよ】
 

ザ・モアイズユーの曲の中で
特に大好きなこの歌の 大好きなフレーズ

聞くたびに思い出す、彼の笑顔…
 
 
 
 

私には許嫁がいた。
考えるだけで吐き気がするほど、嫌だった。
 

恋愛ものの 音楽、映画、ドラマ、小説、漫画は全て禁止された不自由な生活。
 

何もかも虚無になっていた私に
刺激を与えてくれたのが彼。
 

意地悪だし 憎たらしいし
口は悪いし 冷たいし
 

いいところはどこ?なんて聞かれても
答えられないくらい嫌なやつで。
 

それでも 彼の隣はとても心地よくて
彼と見る景色は すごく綺麗で。
 
 

彼が他の人と付き合っても
私に気持ちが向いていなくても
それは変わらなかった。
 
 

これが 好き っていうことなのか。
 
 

相手の嫌なところでさえも
愛おしいと思えたら それは本当の恋
 

いつか隠れて読んだ恋愛小説の
一文を思い出して そう思った。
 
 

【願いが叶うなら ずっと君のそばにいたい】
 
 

許嫁がいたことで 恋愛を禁じられ
普通とはかけ離れていた私
 

そんな私の心の穴を 埋めてくれた彼
 

私を好きになってほしいなんて思わない
付き合ってほしいなんて言わない
 

叶わない恋だと分かっているから
彼がいてくれるだけでいいの。
 
 
 

…でも結局
その願いも叶わなかった
 
 

彼は私を利用するだけ利用して
最後には 裏切って去って行った
 
 

もともと虚無だった私は
涙すら出なかった
 
 

彼と出会う前に戻るだけ。
だから大丈夫。
 
 

そう言い聞かせても、私は自分でもわかるほどに無気力になっていった。
 
 
 

そんなとき、私は友達に誘われて
小さなライブハウスでのライブへ足を運んだ。
 
 

そこで出会ったセンチメンタルロックバンド
「ザ・モアイズユー」
 
 

【君がいてくれたら 僕はそれでいいんだよ】
 
 

今までどんな音楽も 心に響かなかった。
だから期待はしていなかった。
 
 

だけど彼らの歌声は
なぜかスっと心に入ってきた
 
 

すぐ横で訴えかけるような
惹き込まれるその声
 
 

思わず顔を上げて 彼らの顔を見た
 
 

忘れようとするほど溢れてくる
彼との思い出が さらに蘇る
 
 
 

【君が悲しいときは 僕がそばにいるから】
 
 
 

気づけば頬を冷たいものが流れていた
 

自分でも驚いた。
歌を聞いて泣くなんて、初めてだった。
 
 
 

【ああ、どうか泣かないで

僕も泣いてしまうからさ】
 
 
 

その言葉一つひとつが
私に言われている気がして。
 
 

辺りが薄暗いのをいいことに
私は静かに泣いた。
 
 

ザ・モアイズユーの温かい歌声で
私の心の穴が塞がっていく感じがした。
 
 
 

【夢の中でもいい 二人で生きてゆこう】
 
 
 

そうだ、忘れようとするからいけないんだ
 
 

彼は何もかも諦めていた私に
誰かを好きになるということを教えてくれた
 
 

だったら、いい思い出にしてしまおう
 
 

不思議と そう思えて。
 
 
 

【どんな希望さえ見つけれたら

きっと 越えてゆける】
 
 
 

曲が終わるころには 私の涙は
流した痕跡もないくらい 止まっていた。
 
 
 
 
 

それから私は 許嫁との結婚が嫌なこと、
普通の恋愛がしたいことを 親に打ち明けた。
 
 

最初は理解してくれなかった両親も
私の熱意に負けたのか 好きにしていいと言ってくれた。
 
 

そこまで訴え続けられたのも
ザ・モアイズユーの音楽のおかげ。
 
 

あのとき彼らに出会えていなければ
絶対にこうはならなかった。
 
 

私の人生を変えてくれたと言っても
決して過言ではないと思う。
 
 

まだ彼以上に好きになれる人が
現れるとは思えないけど
 
 

私は私らしく生きていけばいいと
ザ・モアイズユーが教えてくれたから
 
 

穴があく隙間もないほど
今の生活に満足しています。
 
 

ありがとう、ザ・モアイズユー

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