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ライブハウスで会おうぜ

これまでのハンブレッダーズから分かる音楽愛

私にとっては趣味や大半の仕事が無くなった事が主だが、単純に外でのアクティビティや人との交流ができない事がとても苦しい日々が続く。クラブで踊ることもライブハウスで声を上げるのは勿論、外を出歩く人たちを見て疑問が浮かぶ誰かがいることがもはや常識となりつつある現在。誰かが声を上げると同調圧力と正義に睨まれ、分断が起きるインターネット。

’’文化だのカルチャーだの言っている場合じゃない’’

ある人はこう言う。もっともだ。ただ、そこには音楽を愛する人々が駆け込んでいたことを忘れてはいけない。
YouTubeに3人の若者が大阪のライブハウスを舞台に、ライブハウスに救われたことを歌った曲のMVが上がっていた。

ハンブレッダーズ。
彼らのライブや音楽はポップな曲調に彼らなりの青春を現したリリックを乗せてリスナーを惹きつける。思春期なりの葛藤や衝撃を受けた音楽に没頭する様などバンドメンバー自身のリアルな表現にどうしても共感せずにはいられない。
初の全国流通盤であり1stアルバム「純異性交遊」には、ハンブレッダーズの初期衝動が詰まっていた。

その10カ月後に発売された2ndアルバム「イマジナリー・ノンフィクション」。共感にフォーカスした1stでは表現しきれなかったバンドの意思が明確に伝わってきた。
敷いてあったレールから一歩外に踏み出すと見えてくる未知の社会や少しづつ見えてくる自分の人生に対する少しの希望とそれを覆うような不安。ただ、この中に地続きでずっと存在している物はこのバンドもリスナーも音楽が好きだという事。嬉しい時に限らず苦しい時も常に音楽が側にあって音楽を信じていることを純粋に伝えてくれるバンドであり、2ndである。
<弱者の為の騒音を>では、誰にでも音楽は平等であってその中では誰でも自由だと解釈した。賛歌だ。

今年2月、メジャーレーベルからリリースされた1stフルアルバム「ユースレスマシン」。バンドの素朴さは失わずに、アレンジや主にギターの部分で曲ごとの違いが現れ、サウンドに対する世界観が前作より遥かに広くなった今作。ストーリーテリングや独特の耳に残るリリックも健在で、一枚のアルバムの中で様々なバンドの顔が見える。
その中でもリード曲<ユースレスマシン>。ハプニング的になのか、今の日本でロックや音楽が鳴る意味としてより濃く成立してしまっている一曲だと思う。最低限生きるのに必要の無いとされる音楽やロックがどう存在しているか、芸術性と衝動を両立するように描いている。バンドやムツムロ自身のことを歌っている様で、他の誰かの事を歌っている様にも聴こえるこの曲にバンドの変化を確かに感じた。何より、[時代遅れのガラクタで静寂をシャットアウト]、[小切手もノウハウも必要がない魔法 世界を変える娯楽を]など、エンタメやカルチャーが好きな人間は口角を上げながら涙してしまうようなフレーズが散りばめられている。
ただただこの曲が存在していることに感謝したい。

4月1日、彼らの公式YouTubeチャンネルにある曲のMVが上がった。<ライブハウスで会おうぜ>。ライブハウスで疫病の感染者が惜しくも出てしまったことがニュースとなり世間や報道番組、さらには都知事からライブハウスという単語が名指しで発言されるようになった。ある人からすると人生に関わりのなく’’不要不急’’なものかもしれないこの場所は、音楽同様誰にでも平等で誰にでも自由をくれる場所なのである。疫病蔓延をきっかけに、ヘイトを吐かれ先入観を持たれやすい場所になったのかもしれない。それを見てこの場所を愛する人は悲しくなったかもしれない。この曲は、そんなライブハウスや音楽を愛する人の為にある。そしてハンブレッダーズが歌うからこそ意味がある。出自はスクールカーストの最底辺、バンド活動と会社で働くことを両立していた彼ら、音楽に救われてきた経験や人生にとっての娯楽の意味を歌ってきた彼らがライブハウスを愛する人間に歌う賛歌。

Dragon AshのKj氏が京都大作戦にて=音楽は聴き方も性別も学歴も問わず全員が楽しむ権利がある(要約)=というMCをしていた。四星球の北島康雄氏は=ライブハウスは若者だけでなく、お年寄りもよく来る。若者向けのバンドもおれば全世代に向けたバンドもおる。(要約)= とツイッターで発言していた。
音楽やライブハウスは開かれているものであるのに、どうしてもマニアックなものだとされてしまう。好きなものを堂々と好きと言えない、経験者以外は本質を楽しむことが許されないようなことなど今の時代の違和感はあるが、いつか’’人生に必要の無いもの’’とされないようになればいいのにと心の底から願う。ただ、そうではない現実にもハンブレッダーズがいる。音楽や娯楽が間違いなく人を救ってきたことが証明されるように。

※「」内はハンブレッダーズのアルバムのタイトル名から引用
※< >内はハンブレッダーズのアルバムの曲名から引用
※[ ] 内はハンブレッダーズの「ユースレスマシン」という曲から歌詞を引用
※ = = 内は京都大作戦2017でのKj氏(Dragon Ash)のMCから要約して引用、北島康夫氏(四星球)のTwitterのツイートから要約して引用

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