521 件掲載中 月間賞発表 毎月10日

2017年8月29日

バクナンシンドローム (29歳)
129
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

back numberが言葉にしてくれた

口下手な僕の気持ちの代弁者

僕がback numberに出会ったのはたぶん就職してすぐのラジオの月間パワープレイで流れていた『花束』だ。
その当時は仕事にも慣れず、毎日車の運転中に聞くラジオにもあまり耳を傾けることはしていなかったので、ほかの曲については覚えがないが、なぜか耳に残っていた。ただその頃はあまりバンドに興味を持ったりもしなかったのだが。。

月が替わると流れることもなくなり忘れていたが、2年ほどして今度は『高嶺の花子さん』に出会った。この曲を聴いたとき、他力本願なところや行動を起こせないところなど、まるで自分を見ているようだと感じ、back numberに興味をもって曲を聴くようになった。そこで『花束』に再び出会い、それからはCDを借りたりしてずっと聞くようになった。

聞けば聞くほど、恋愛経験などない片思いばかりで、弱気で行動も起こせない口下手な僕の気持ちを代弁しているものばかり、ダメな主人公がほとんど自分に一致する感覚からどんどんハマっていった。

しかしそんな僕にも好きだと言ってくれる人ができた。職場の人であった。
何度も食事やカラオケに誘ってくれるが、正直モテたこともないので周囲の人間全員にモニタリングされているのではと常に疑ってしまうほどであった。

何度も断るのも気が引けたので1度2人でカラオケに出かけた。
最近back numberしか聞いていなかったり、自分が楽しめればいいとずっとback numberを歌い続けていたが、彼女はback numberを知らないながらも真剣に聞いてくれていた。なかでも『わたがし』が気に入ったようで、何度も流して「歌って」とリクエストしてきた。彼女もそのころからback numberにどハマりしたようだ。

それでもその相手には恋愛感情はまだ持っていなかった。片思いの相手がいたこともあるのだろう。その相手に彼氏がいることも知りながら。。

それからも食事や映画など頻繁に誘ってくれた。
片思いしていた相手に対しても気持ちがほぼなくなり、そのころにはほんとに好きになっていたのだが、恋愛経験がないこともありその好意に対して素直になれず、好きなのに断るという謎のひねくれ、こじらせ行動をとり続けていた。

メールも来るが冷たい内容で返したり、お誘いのものに関してはスルーも頻繁だった。職場が同じなので仕事関係の話では普通に会話できるのだが、どうしても恋愛関係になると素直に話せない。

しばらくそんな関係が続いたが彼女からの連絡が来ないようになった。
当然だろう、いくら押しても反応のない相手をいつまでも押す人はいない。

素直になれない自分が大嫌いになった。
大好きだし毎日職場で顔も合わせるが、ほとんど話もしない日が増えていった。

半年ほどして、どうしてもこんな関係が嫌だとはっきり言おう、今更だけどちゃんと好きになってもいいですかって言わなきゃと決めたタイミング、彼女が話しかけてきた。
この話が終わったらちゃんと言おう、そう決意したとき彼女から聞かされた話は「私明日入籍することになったから」であった。相手は職場の人間だそうだ。

その時のリアクションは僕は覚えていないが、彼女にはあまり興味がないように見えたようであったが、『へぇそうなんだよかったねおしあわせに(そのドレスちょっと待った)』の依与吏さんの歌い方にも似たものだったと聞いた。

よほど告白すらできなかったことがショックだったのか、彼女に対しての関わり方がついさっきまでどのようにしていたのか本当に思い出せなくなった。超部分的記憶喪失といえるほどで、未だに思い出せない。
 

家に帰ってからメールの履歴を泣きながらすべて読み返した。

そのとき思ったこと、考えたこと、うまく言葉に表現はできなかった。

『こんなに好きになる前に どこかで手は打てなかったのかな(幸せ)』
『君に嫌われる理由など 山ほど思いついてしまうけど 優柔不断と口だけの 二重苦がきっと決め手だった(スーパースターになったら)』

しかし挙げればきりがないが気持ちのすべてが代弁されている、そんな歌詞を聴いてまた泣いた。
 

次の日、唯一一緒に出掛けたカラオケで今度は1人、back numberを歌いまくった。
大きな声を出すことも苦手だが、うまくなくたっていい、気持ちのままに大声で歌った。
帰り際携帯を見ると1通のメール。
彼女からだ。

「今カラオケ来てるよね?〇号室でしょ?気づいたら〇号室に遊びに来てよ。」
旦那と来ているらしい。

行きたくなかった。行かなかった。
その後電話でカラオケにいたことやもう帰ったことなどを話した。
やっぱりそのあと泣いた。

全部自分が悪いのに、ほんとは隣にいられたかもしれないのに。。
そんな歌ばっかり歌ってさっきカラオケですべて発散させたはずだったのに。。
倍になって帰ってきた気がした。
 

その翌日から、彼女と職場で直接話すときも、今まではどうしてもひねくれた対応しかできなかった自分がどこかに行ってしまったかのように素直に話せる自分がいた。
先日の記憶喪失から生まれた新しい自分だ。
『今日新しい 自分を始めよう(バースデー)』
のような気持ちで彼女と話すようになった。

仕事以外のことも普通に話せるし、当然仕事のほうも今まで以上に連携がとりやすくなった。

なんでも話せるようになったある日、既婚者になった彼女から「どうしても聞きたいことがある」とメールが来た。

「本当は私のことどう思ってた?」と。
「既婚者相手にいうべきことじゃないのはわかってるから最初で最後。
 
『形があるといつか壊れてしまうなら 初めから作らなければその方がいい 失うのが怖くて繋がってしまうのが怖くて(僕の名前を)』とか考えてしまったから好きだって言えないままだらだら時間だけが経って、『もしもあの時僕が強がらずに電話をかけられてたら その鐘を鳴らす君のとなりに(そのドレスちょっと待った)』いられたかもしれないけど、『僕は失くして初めて有難さに気付くような奴だった あなたに愛想尽かされるのも納得の愚か者です(おまえさん)』のでどうしようもないよね。」

みたいなことを返した。

お互いback numberが大好きだから、文章以上に歌詞からのメッセージが伝わったみたいだった。

今でも仲良くさせてもらい、親友だと呼んでくれ、結婚式にも呼ばれた。
これからは『浮ついた気持ち』にならないようにしながらも『パレード』のような気持ちで生きていくのだろうな。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい