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ACIDMANの音楽に触れた、私の備忘録

音楽、ライブハウスへの渇望

何から書こうか。

困った事に、また申し訳ない事に、私はこれまでの人生において、ACIDMANの音楽を殆ど聴いてこなかった。ただ単純に、私の音楽に対する活動範囲が狭いだけなのだが、それ故に、彼等に対する知識が乏しい。

そんな人間が、なぜ今こうやってACIDMANをタイトルに含む文章を打っているのかー。

きっと、2020年3月11日の彼等の生配信を観た方々にはわかるのではないだろうか。
 

2020年3月11日。
私はその日は仕事もなく、暇を持て余していた。Twitterを眺めながら、どんどんと中止・延期となっていく様々なアーティストのライブやイベントのニュースを目にしては気持ちが沈み込んでいた。
私自身も参戦予定だったライブがツアー延期となり、2020年に入ってからは一度もライブハウスに行くことが出来ていない。
自宅で好きなアーティストのライブDVDを観たり、音楽を聴いて過ごす日々だ。

そんな中、「ACIDMAN大木がYouTubeにて生配信」というような内容のツイートがタイムラインに流れてきた。
何かお知らせがあるようだ。

その時点では、「まぁ明日も休みだし、観てみようかな。」と軽い気持ちだった。
軽い気持ちの割には、生配信が始まる時間にはきちんとYouTubeを開いていた。「準備万端だな、私」とも思うが、もしかしたら、何か大きな動きがあるのかも知れない・その時間を一時も見逃したくないという心理が奥底には眠っていたのかも知れない。

19時。
大木さんが画面に映る。
場所は…事務所かどこかだろうか?
コロナによって、色々なイベントが中止になっている現状。それに対する大木さんの考え。聞きながら、頷いていた。言葉に安心感を感じられる喋りをされる方だな、そんな風に感じた。
色々話しながら、大木さんが移動する。
「もうお分かりの方もいらっしゃるかと思いますが…」そんな事を言いながら移動していく。
私はその場所に、正確に言えば見覚えはないのだが、その雰囲気に、見覚えがあった。故に、大木さんが歩みを進める度に、心拍数が上がっていった。もしや、これはーー。

最後の扉が開かれた時、そして、そこが東北のライブハウスだと聞かされた時。

ACIDMANの3.11に対する想い、ファンが集まらないように詳しく告知をしなかったという配慮、音楽を鳴らすことを諦めないという意志に、ただただ感服するしかなかった。

そして無観客生配信の幕が開ける。

冒頭に書いたように、私にはACIDMANの音楽に関する知識はほぼ皆無だ。今歌っている曲のタイトルさえ知らない。

でも、ライブハウスで音が鳴り、歌が聴こえ、それを画面越しとは言え、観ている。

もうそれだけで、私は泣いていた。

そして、実感した。
 

私は、ライブハウスで聴く音楽を、こんなにも待ち望んでいるのだと。

同じように配信を観ている人達のコメントも読みながら、大木さんの澄んだ歌声に耳を澄ませる。

涙はなかなか止まらない。
私だけじゃない。こんなに沢山の人が、ライブハウスで鳴らす音楽を待っていた。本当なら、ACIDMANのファンの皆さんは画面越しではなく、彼等の前に立っていたいよね。そんな事を想いながら、最後まで観続けた。

「私も早くライブハウスで生の音を浴びたい。」
家で音楽を聴くことで誤魔化していた自分の本当の気持ちが溢れ出ていた。私は、こんなにもライブハウスに行きたかったんだ。早く、今、画面の向こうで繰り広げられているその世界に、私も行きたいー。
ライブに行けない、渇き切って砂漠のようになった心に、水を与えるようにACIDMANの音楽が、歌が、沁み渡ってくる。
「いつになったらライブが出来るかわからない。でも、きっと、いや、必ず、またここで会えるさ」そう語りかけてくれているようだった。
 
 

あれから、約2ヶ月が経った。

コロナの感染者数は減ってきたものの、ライブハウスでライブが出来るようになるのは、残念ながらまだまだ先のようだ。ライブが再開できる頃には、どれだけのライブハウスが残っているだろう。そんな不安も大きくなり、まだ明るい兆しは見えてこない。
インターネット上では、ライブハウスを支援するべく、日々、色んな企画が立ち上がっている。
その一つである、LFLHプロジェクトの第二弾支援のキックオフ企画として、昨日(5/15)、YouTubeにて生配信の中でACIDMANの大木さんが出演していた。
そこで、既にネットニュースになっていたが、3/11の配信で発表されていたツアーが残念ながら中止になった事、その代わりに無観客ライブ配信を行う事について触れていた。
現状、自粛解除が始まってきているものの、ライブハウス業界においては、以前のようなライブを行えるようになるには時間がかかるであろう事、その中で出来る事として、無観客ライブ配信という形をとり、先陣を切ってみようと考えた事。
現状に対して、誰かを責めるでもなく、皆が前向きになれるよう策を練り、実行していく大木さんの言葉は、今回も素直に心に沁みてくる。
 

ライブハウスを愛しているが故に、誰かを責める。ネットではそんな光景もよく見かけるが、そういう声も大きく包み込んでくれそうな、温かな言葉。歌声。
 

今まで、何故ACIDMANの音楽に触れてこなかったんだろうか。

そんな事を思いながら、今出来る私にとっての最善を選び、久々にライブの予定がスケジュール帳に書き込まれる。
 

「2020.7.11. ACIDMAN」

また渇き始めている私の心に、沢山の潤いを与えてくれる、そんなライブになりそうだ。

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