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2017年8月29日

ぴぴこ (27歳)

後悔を幸福に変えるまでの1年間

ROCK IN JAPAN FESでSKY-HIが見たいと願い続けた私

私は、まだ6時前、早朝の新宿駅付近を爆走していた。
くしゃくしゃになった、バスチケットを握りしめて、集合場所へ向かっていた。
大きなキャリーケースは、途中駅で預けた。
少し身軽になった私は、走るスピードを少しあげた。

”やっとだ!!”

そう思いながら、慣れない土地を、Googleマップを頼りに走る。
前日から、いや、発表されてから、この日をどれだけ待ちわびていたか。

”去年の悔しさをここで返す”
そう心に決めていた。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL2017。
私は、その会場に向かうバス停に向かって全力疾走をしていた。

2016年、私は、5月にSKY-HIに出会った。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL2016に出演すると知ったものの、まだSKY-HIを知って数ヶ月。
「好きになったばかりの私が行っていいものなのか…?」
「フェスに行ったことがないしなあ…」
「そもそも、SKY-HIのライブってリリイベしか行ったことないしなあ…」
そんなことをグダグダと考えつつ、そして何より、当時一緒に行く人がいなかったことから、行くことを断念した。

そして私は、SKY-HIの2016年8月7日に更新されたブログによって、強く後悔する1年を送ることになる。

<三年前の敗北(敢えて言うけど敗北)から、
最高の仲間達を連れてロッキンに戻ってきて、
ここ数年でも最高のステージがやれました。
昨日が、ここ数年の、集大成でもありました。>
(SKY-HI-2016/8/7ブログより)
 

「なぜ行かなかったんだ!!!!!!!!」

行っていたとしても、まだSKY-HIに出会ったばかりである以上、
何がどうなっているかなんてわからなかったといえば、そうだが

SKY-HIが”最高のステージが出来た”と。
そして、なによりブログからも伝わって来るほど興奮したステージを見なかった自分を悔やんだ。
 

「来年こそは絶対に」
そう決めた瞬間だった。

そこから1年。
ROCK IN JAPAN FESTIVAL2017のアーティスト発表が出れば、すぐに調べた。
第一弾、まだ名前がない…。

第二弾…私の目に
「SKY-HI & THE SUPER FLYERS」の文字が入る。
「キタッッ!!!!!!!!」
ガッツポーズをした瞬間だった。

無事にチケットも手にいれ、まだ数ヶ月先の
【決戦の日】に向けてわくわくがおさまらなかった。

迎えた当日。
前日の夜も、LIVEに行っていたにもかかわらず、私の足は軽かった。
ここ数年、こんなに長い距離を走ったことはなかった。
早まる足を、もう抑えることはできなかった。

バスに揺られ、会場の駐車場から、入り口へと向かって歩く。
たくさんの人が、私と同じ顔をしながら歩いている。
みんな「笑顔」だった。

そんな彼らと、リストバンドをもらい、会場マップを手にし、
LIVE Tシャツに着替えた私は、PARK STAGEへと向かった。
1組目、2組目、3組目と、終わる。

朝、雨が降りそうなほどに曇っていた空は、カラッと晴れた青空に変わっていた。

私は気がつけば、一番前にいた。
”今年だけは、絶対に最前列で、みたい。”
その思いで、その場所に立っていた。

さあ、去年、行かなかった悔しさをひっくり返す時間が来た。

先に、サウンドチェックで、SUPER FLYERSが入って来た。
次々に、SKY-HIのファン(以下、FLYERS)が、SUPER FLYERSの名前を呼ぶ。
SKY-HIは、「バックダンサー」や「バックバンド」といった呼び方をしなかった。
名前を必ず呼んで紹介することから、多くのFLYERSは、SUPER FLYERSの名前を覚えている。

し、SKY-HIと同じくらいの熱量で、彼らのファンである人が多い。

サウンドチェックでボルテージがあがったところで、
SKY-HIが颯爽と登場し、さらに会場のボルテージが上がった。

この夏のサウンドチェックに用意された
「Shape of You」を歌い、「あと少しだけ待っててくれ!」と、一旦袖に戻った。

後ろを振り向くと、一体どれだけの人がいるかわからないほど、PARK STAGE付近には、FLYERSだけではなく、多くの人がいた。

そして、再び、登場したSKY-HIが1曲目に選んだのは、「逆転ファンファーレ」だった。

あのファンファーレの音が、ROCK IN JAPANの会場に響き渡る。
もうそれだけで、全身に鳥肌が立つほどに興奮した。

衣装は、ROCK IN JAPANに敬意を称して、その日に新調をした、スーツに身を包んでいた。
SKY-HIカラーと言ってもいいだろうか。
青、赤、白で、構成されたそのスーツが、私たちがはめているFLYERSリストバンドと、一体感を感じさせた。

これは、完全に個人的な意見にはなるが、
ワンマンライブの時には、純粋に、アーティストと、ファン。
アーティストから送られてくる、想いや、パフォーマンスを受け取る”リスナー”としてその場を楽しんでいるが、

フェスやイベントになると、
ファンも、アーティストと一緒に会場の雰囲気を”作る側”にもなるのではないかと思うことがある。
ファンが盛り上がることによって、周りの人が
”楽しそう”、”行ってみよう”と思ってくれれば、素直に嬉しいと思える。

「SKY-HIの音楽をまだ知らない人に、届け」

そんな思いも抱きながらも、自分にできるのは、たった一つ。
”最高に楽しむこと”だけだ。

手をあげ、コールレスポンスがあれば全力で応える。
飛び跳ね、全身で楽しいという気持ちを抑えることなく溢れさせた。

この日のセットリストには、
メジャーデビュー曲の『愛ブルーム』

彼が、もっとも苦しみ、180回以上のリテイクを繰り返してから生み出した『スマイルドロップ』(Amebreakより)

その時に、「死」と向き合い、「本当に勝負の一曲でした」と言う「カミツレベルベット」(Amebreakより)

そして、
”1人で作って来た音楽を通して大切な仲間と出会えた事”、
そして“今度は自分が、みんなを幸せにしよう”と作ったナナイロホリデー。(T-SITEニュースより)

が入っていた。
この曲以外の全ての曲を含めて、セットリストにグッと来るものがあった。
 

そんな
今年のSKY-HIのブログにはこう書かれていた。

<スタート前から待ってくれてる人が去年よりたくさんいて、心強かったし嬉しかったです。本当にありがとう。>(SKY-HI-2016/8/7ブログより)

その中に今年は私もいる。
私の後悔は、完全にひっくり返され、”幸福”へと変化していた。

私の顔は、きっとくっしゃくしゃの笑顔だっただろう。

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