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2つの覚悟

BUMP OF CHICKENがくれた微かな光を掴んだ

「あなたを乗せた飛行機が あなたの行きたい場所まで どうかあまり揺れないで 無事に着きますように」
-(please)forgive
 
 

私は小さな頃から飛行機だったり空だったりが好きな人間だ。
それだけの理由という訳では無いが、BUMP OF CHICKENが奏でる音楽に強く惹かれる。
 
 
 

彼らの音楽に初めて出会ったのは2014年の10月、忘れもしない某テレビ局のドキュメンタリー番組だった。
 

その当時高校2年生だった私はいじめを受けていた。
 

勉強も部活も生徒会副会長としての仕事もやっていて、はたから見たら順風満帆な高校生活に聞こえるかもしれない。
 

しかし神様は絶対に試練を与えてくる。
 

部活中、左膝の靭帯を損傷し、全治6ヶ月の大怪我を負った。そこから全ての歯車が狂い始めた。
部活に参加できない間、私は生徒会副会長として会長の仕事から先生の雑用まで全て受け入れて行っていた。もちろん部活にも顔を出し、時間があればリハビリもしていたし、マネージャーの手伝いだってしていた。何か1つでも誰かのためになればと動いていたはずだったのに、部員の目にはそうは映らなかった。
「お前副会長だからって調子乗ってるよな」
「怪我したんだったらやめろよ どうせ居場所なんてないだろ」
「生徒会の仕事って言ってサボるなよ」
 

「何も調子になんて乗ってない、サボってる訳でもない」
 

その言葉がその時の私には言うことが出来なかった。自分の体も恨んだ。なんで俺が、なんで俺が、なんで俺がと毎日自問自答したが何も答えは見つからず、その時には体も心も全部が壊れていた。誰にも相談することも出来ず、言葉さえも発することが出来なかった。
 

自分は気が強い人間だと思っていたし、そんなことを気にするような人間じゃないと思っていた。でもそれは違かった。気づくのが遅すぎた。毎日独りで泣いていた。なんで泣いているのかも分からないそんな日々が続いていた中でふとテレビをつけると彼らの音楽が響いていた。
 

「一人だけの痛みに耐えて 壊れてもちゃんと立って 諦めた事 黄金の覚悟」
-firefly
 

きらきら光るリスナーの腕の発光体と、光るボールが東京ドームの中を舞うなか、力強い詞を唄う彼ら。
 

涙が止まらなかった。
 

自分のために作ってくれた曲なんじゃないかと思うくらいに心を奪われた。ただそのワンフレーズだけで、私は助けられた。肩の重荷がスっと無くなった。
 

諦めることを黄金の覚悟と言ってくれた彼らの言葉は部活を辞めるという覚悟を私にくれた。何も続けることになんか意味なんてない。自分の居場所はしっかりと自分でみつけ、作らなきゃ行けないと教えてくれた。その時の痛みや傷は輝く、そう信じることが出来るんじゃないかとおもった。
 
 

「分かれ道もたくさんあって 真っ暗に囲まれて 微かな金色に 必死で付いていった」
-firefly
 
 

全てを1からやり直そう。自分が目指すべきものはなんなのか。何が必要で何が不必要なのか。
自分を見つめ直すことの出来るチャンスをくれた。
部活を続けることを諦めた私はどうしても諦めたくないことを見つけることが出来た。
 

それは「夢」という、暗闇に光る微かな光だ。
 

幼い頃から好きな飛行機。大きな翼で世界に羽ばたく人たちを安全安心に送り届けるお手伝いをしたい。そんな夢を諦めることは出来なかった。
 

そこから私はあいつらを見返してやりたいという反骨心と黄金の覚悟は正しかったんだという気持ちを貫き通した。必死で勉強もした。必死で大学でもいい成績を残した。必死で就職活動も行った。

そして今年の春大学を卒業した。
 
 

2016年7月16日

念願叶って初めて、彼らを目にしたのは国内最大級のスタジアムでのライブだった。
鳥肌が止まらなかった。彼らは知らないけれども、私にとって人生を救ってくれた人達を目の当たりするのは本当に嬉しかった。長いカウントダウンから天体観測の後の花火、そして帰りの電車まで胸の高まりが止まることはなかった。
 

この日を境に様々なリスナーさん達と出会うようになった。
 

なんだろう、こう不思議なことに多くの人たちに出会っていく中で、BUMP OF CHICKENのリスナーには私と境遇は違えど、ふと彼らの音楽に助けられたという人達が数多く存在する。この曲は自分に向けて作ってくれたんじゃないか?と話す度に笑い合えることがとても多い。
 

心が壊されるほどの出来事があったのにも関わらず、今はそんな話でもりあがることの出来るBUMP OF CHICKENのリスナーがとても大好きだ。
 

2017年9月16日-2018年3月18日
2019年7月12日-2019年11月4日
 

「響く鐘の音の様な あのメロディーを思い出して 出会った頃の僕と君が刺した旗 思い出して」
-メロディーフラッグ

「強くなくたって笑いたい 涙を拭った勇気の手」
「とても素晴らしい日になるよ 怖がりながらも選んだ未来」
-GO
 

それぞれPATHFINDER、aurora arkツアーともに6会場ずつ足を運んだ。
あの時助けてくれた人達に、こんなにも首ったけになっているなんて、今考えればおかしな話だ。もう私の人生からは手放すことの出来ない存在になっている。一会場ごとに伝わってくる音と詞は全く違くて、なんでかな、毎会場で泣いている。考え方が宗教じみているかもしれないのは重々承知の上なのだが、それくらい彼らの音楽が優しさで溢れてることに気付かされることが多い両ツアーだったなとそう感じる。

メロディーフラッグとGOはこの2つのツアーで印象の深い曲だ。
2019年11月4日 aurora arkツアーファイナルでこの2曲は結びついた。
GOのイントロにメロディーフラッグが流れた瞬間、自然と涙が溢れていた。
あの時刺した旗、私にとってはfireflyの歌詞を思い出した。あの旗が今の私と彼らを繋ぐ、揺るぎないものとなっている。
あの時涙を拭った手で、選んだ未来を必ず掴み取ってやる。そうさらに固く誓うことが出来たきっかけとなった。

これから悩んだりしても、彼らと刺したメロディーフラッグに集合すればまた何か違う世界が見られるんじゃないかとそう信じている。
 
 

そんな中、昨年のツアーから2ヶ月もしないうちに、見えないものとの戦いに怯える生活が始まった。
新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るいはじめた。見えないものとの戦いに私たちは、新しい生活様式だったり、緊急事態宣言で家から出ることの出来ない日々が続くようになった。アーティストのライブといったエンターテインメントがなくなる現在、時期が悪ければ、彼らのライブだって中止になっていたかもしれない。私が彼らに救われたように、様々な人達が様々なアーティストに救われていることだってある。この日々がいち早く終息し、全ての人々がまた笑って会場に集まることの出来る日がとても待ち遠しいと感じる。
 

こんな状況下でも、アーティストは私たちを勇気づけてくれる。彼らもその1人だ。
YouTubeでのライブ映像、MVの公開。彼らにできる精一杯を私たちにくれようとしている。
そんな彼らのために私たちも精一杯生き続けようと思える。
 
 

「強く手を振って 君の背中に サヨナラを 告げる現在地 動き出すコンパス」
-ロストマン
 

世界的危機的状況で混乱する現在…………報告したいことがひとつある。
 

2020年4月1日

あの時の黄金の覚悟が生み出してくれた、諦めない覚悟は実を結んだ。

夢であった航空会社に入社することが出来た。世界に羽ばたかれるお客さまのお手伝いをすることの出来る職に就くことが出来た。
このご時世、空の便は欠航せざるを得ない厳しい状況ではあるが、明けない夜はないように、この今の状況も永遠に続く訳では無い。今はまだ無理かもしれないけれども、いつかまた世界に羽ばたかれる多くのお客さまを、無事に送り届けることができるように今は知識を蓄えることにしようと思う。
 

夢の出発点に立つことができた今となってはあいつらのことなんてどうでもいいと思っている。むしろきっかけを作ってくれてありがとうとさえ言える。あの頃の自分にサヨナラを告げよう。
新たな出発点に立ち、はじめの一歩を踏み出す時が来た。

周りにはあの時も支えてくれた家族がいて、信頼出来る友達、同期、そして彼らの音楽を愛しているリスナーの皆さんそしてBUMP OF CHICKENがいる。自分を不幸だなんて思ったことなんて1度もない。あの時あの覚悟がそうしてくれた。
 
 
 

私の人生はちっぽけだ。まだ始まったばかりだ。
 

でもこの私と彼らの音楽の関係を読んだことで、私と同じように苦しんでいる、苦しんでいた人達に少しでも勇気を与えることが出来るならこの文を書いて良かったと思える。

諦める黄金の覚悟。その裏に諦めない黄金の覚悟。この2つの覚悟を持つことが出来たなら、乗り越えられない壁なんて私は無いと信じている。

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