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『寄り添ってくれる』ものがあるということ

ハンブレッダーズとの出会い。コロナ禍で考える、私にとっての彼らの存在。

コロナウイルス感染拡大防止のため、私の通う学校は3ヶ月近く休校中。
そんな中で、彼らの音楽に出会った。
自分に『寄り添ってくれる』音楽に出会った。
 
 
 
 

あの日の深夜もいつもと変わらず、真っ暗な部屋でベッドに寝転がり、スマートフォンの光るディスプレイを眺めていた。夜更かししても仕方ないしもう寝ようかな、そう思っていたその瞬間だった。

出会ってしまった。

Twitterのタイムラインに流れてきた、誰かがリツイートしたその動画。

歌っていたのは、ハンブレッダーズ。

それは「DAY DREAM BEAT」という曲だった。
(1stアルバム「純異性交遊」収録)

スマホをもつ手が震えた。心臓がバクバクと鳴り始めたのが分かった。言葉にすることが出来ない、ときめきと興奮。すぐにYouTubeで彼らの名前を検索した。彼らのことは名前しか知らなかった。
しかしこの曲を聴いた瞬間、これは私の曲だ、すぐにそう感じたのだ。

私はこれまで、歌詞に共感するということの意味が理解できなかった。今までの私にとっての歌詞といえば、“その曲の世界に浸らせてくれるもの”であり、“自分に寄り添ってくれる”ものではなかった。

でも、初めてハンブレッダーズを聴いたこの日、音楽が自分に『寄り添ってくれる』ものになってくれることを知ったのだ。
 

《 幾千回 脳内でリピート再生 余すところなく丸暗記したミュージック 》
《 人目につかない程度のヘッドバンギング ドラムも叩けないくせに刻むビート 音漏れするかしないかの瀬戸際の音量で 心の中は暁色に染まった 》
《 たった一秒のあの旋律が たった1行のあの言葉遊びが 揺蕩う僕の光になったんだ 》
「DAY DREAM BEAT」より
 

そう、この曲の主人公は私だった。私のことを歌っているの?そう勘違いしてしまうほどに私だった。私と同じ想いの人がいる。そして、その人達はその想いを曲にして発信している。その衝撃は凄まじく鮮烈なものであり、私の中での救いだった。

こんなにも歌詞まるごとに共感したことはなかった。この出会いに興奮して寝つけず、その夜は貪るように彼らの音楽を聴き漁った。

あの日、初めて聴いたハンブレッダーズの音楽。
あの日、初めて知った自分に『寄り添ってくれる』音楽。

あの夜、私は彼らの音楽に心を撃ち抜かれたのだ。
 
 
 
 

その日からハンブレッダーズは、私の大好きなバンドのひとつになった。そして、それから少しの日々が過ぎた頃に彼らの新曲が発表された。
 

タイトルは「ライブハウスで会おうぜ」
 

この曲は、ハンブレッダーズのメンバーが、コロナウイルスによって苦しい立場にあるライブハウスに向けて、ミュージシャンである自分達に何か出来る事は無いだろうか?と考え始めたことから出来た曲だそうだ。
世間に反抗をするのではなく、怒りの矛先を他の誰かにぶつけるのではなく、ライブハウスの曲を作ろう。その考え方はとても素敵だと思った。
 
 

コロナウイルスによって今、たくさんのものが傷つき失われている。
1年前には夢にも思わなかった映画の中の出来事のような世界。

そんな中、悲しいことにライブハウスでコロナウイルス感染者が出てしまった。世間や報道番組、SNSなどでの批判の声は大きかった。閉店の道を選ぶことになったライブハウスも少なくない。
また、私の好きなバンドのライブもたくさんの公演が中止になった。

そしてTwitterなどのSNSでは、こんなこのご時世に音楽なんて、ライブハウスなんていらない。そんな意見を見た。
音楽だけじゃない。演劇や映画など私たちを楽しませてくれてきた多くの文化が、国や世間から今「必要ではない」と言われているも同然の扱いを受けていると感じた。
もちろん、音楽を始めとするたくさんの文化がなくても人間は生きることができる。

でも、だからこそ。
音楽を始めとする文化を、楽しんで、満たされて、愛して、それらに『寄り添われて』来た人は本当にたくさんいると思うのだ。

私は、ハンブレッダーズを知って自分に『寄り添ってくれる』音楽があることの幸せとあたたかさを知った。それは私の中で絶え間なく光りを放つ、溢れんばかりの喜びだった。

また、この「ライブハウスで会おうぜ」を聴いたことで、その喜びを胸に宿らせているのは私だけではないということにも気が付いた。
 

《 いつからか当たり前になっていた 大袈裟じゃなくて居場所になっていた 死ぬ間際の走馬灯に なりそうな夜がいくつも重なった 》
《 ヘイ ロンリーベイビーズ ライブハウスで会おうぜ 涙を流したって ここじゃきっとバレないさ 》
「ライブハウスで会おうぜ」より
 

私はこの曲を聴いて、ハンブレッダーズの彼らも私と同じように音楽に『寄り添われて』ライブハウスに『寄り添われて』、たくさんの日々を過ごしてきたんだということに気が付いた。

だから、この曲はそんな彼らがライブハウスに向けて歌うラブソングなのだなと思う。
そして、コロナウイルスの流行が終わったら1番に、ライブハウスで輝く彼らを観に行こうと思う。
 
 
 
 

自分に『寄り添ってくれる』ものがあるということは、とても素敵なことだと思う。
その存在は音楽に限ったことではないが、私にとってのそれは音楽であり、ハンブレッダーズだった。

そして、コロナウイルスが流行するこの時期だからこそ、自分に『寄り添ってくれる』ものの存在を忘れてはいけない。そう強く思う。
生死に直接関係しないコンテンツが蔑ろにされてしまいそうな、今のこの世の中だからこそ。

それは生きるために必ずしも必要なわけでないけれど、自分の中の光となってくれる。
そして、少しだけかもしれないけど人生の彩度をあげてくれるんじゃないかなと思うのだ。
 
 

最後に。
 

《 僕たちの音楽よ このまま鳴り止まないで 》
「ライブハウスで会おうぜ」より
 

私に『寄り添ってくれる』もの。
そんな愛してやまないハンブレッダーズの音楽が、ずっとずっとずっと鳴り止まずに輝いてくれますように。

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