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心の中で実在する木

BUMP OF CHICKEN Album "ユグドラシル"は神話の中の架空の木なんかじゃない。

『このアルバムはすごい。』
現代を生きるロックバンドを含め、多くのファンが口を揃えてそう言う。
けれども、その言葉の裏には
『みんなが言うからすごい。』
それで片付けてはいないだろうか。

少なくとも、4年前の私はそうだった。
BUMP OF CHICKENを好きになって、もっとたくさんの曲を聴いてみたいと、好奇心旺盛にインターネットで検索をかけてみる。
すると、たくさんのサイトでおすすめの曲が紹介されていた。
片っ端から調べていき、メモをとる。
そして、これらの曲が収録されているアルバムを探す。

検索結果、”ユグドラシル”。

なんだ、このカッコいい名前は。
恥ずかしながら、当時、中学生の私は子供ながらにワードセンスですでに心を奪われていた。
しかし、それが今となっては本当に素晴らしい出会いだったと思う。
もし、あの時、少年のような心がなかったら今は別の音楽を聴いていたかもしれない。
つくづく、人生とは選択の連続だと思う。
そして、その日、私は流れるようにして、初めてアルバムというものを購入した。
いわゆる、
『初めて買ったCDは、
BUMP OF CHICKENの”ユグドラシル”』
という歴史が刻まれた瞬間であった。
当時の私は、これで満足をしていた。
今日からBUMP OF CHICKENのファンの仲間入りだと。
しかし、あくまでそれはスタートに過ぎず、ゴールなどではなかった。
アルバムが届き、手にした途端に広がる色のない世界樹。
開けた途端に広がる色が感じられる世界観。
耳にした途端に広がる色のある音楽。
そこには、想像を絶する神話の世界が広がっていた。

笑われる事なく 恨まれる事なく
輝く命など無い
眩しいのは最初だけ 目隠し外せ
ほら 夜が明けた

-オンリー ロンリー グローリー

強く望む事が 欲しいと望んだよ
夢の先なんて 見たくもないから

-乗車権

響くベルが最後を告げる
君だけのドアが開く
何万歩より距離のある一歩
踏み出して君は言う

-車輪の唄

破り損なった 手造りの地図
シルシを付ける 現在地
ここが出発点 踏み出す足は
いつだって 始めの一歩

-ロストマン

例えば、これらの歌詞に共通するのは、
ある人物像が決心する瞬間を表現していることだろうか。
今となってはわかる解釈であり、当時の私には解釈するには時間のかかる奥深い歌詞だった。
これは一部の例に過ぎないが、”ユグドラシル”は何か勇気を与えてくれる曲が多い。そんな気がする。
私もこの4年間、つらいとき、苦しいとき”ユグドラシル”の曲たちに何度も救われた。
今だからこそ、聴きたい音楽、聴かせてあげたい音楽がこのアルバムには詰まっているのだ。

つまり、”ユグドラシル”が多くのファンから愛される理由の一つに勇気を与える力があるのだと思う。
けれども、BUMP OF CHICKENはあるラジオで口を揃えてこう言った。
『勇気を貰ったとか、背中を押してもらったとか、それは見つけた人の能力なんだ。』
その言葉を聞いた時、
『あぁ、あの時、私が”ユグドラシル”に出会ったのは偶然なんかじゃなくて、必然だったんだ。』
と思ったのを昨日のことのように覚えている。
選ばれなかったなら、選びに行く。
そういうことだったのだと。

いつも何かと迷子な私の心の中心には、”ユグドラシル”が立っていて、歩むべき道を照らしている。
そうであるとするならば、神話の中の架空の木ではない。
そう、”ユグドラシル”は心の中で実在する木なのだ。

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