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履き潰した靴を捨てた日に思い出した曲

希望への一足を踏み出したMr.Children、宇宙へ昂揚感を投げたaiko

登場人物、不肖わたくし、Yとします
その友人、Tとします

何か月か前の「対話」です

Y「20年、履いたデッキシューズを捨てた」
T「20年!?」
Y「ええと…正確には19年だな」
T「きみ、物持ちがいいのは知っていたけど」
Y「気に入ったものは徹底して長く使う」
T「でも靴って、さすがに19年は持たないものでは」
Y「かなり質の良い、丈夫なものを買ったし」
T「それにしたって」
Y「徹底的に管理もしてきたよ」
T「たとえば?」
Y「ステッチとか、減った靴底とか、工房で直してもらってきた」
T「うーん、大事にしていたんだねえ」
Y「中敷きは何度も取り換えたし、せっせと磨いてもきた」
T「思うところあって、新しいのを買ったわけだね」
Y「うん、どういえばいいのかな、気持ちを切り替えたかったんだ」

<<舗装された道を選んで歩いていくだけ>>
<<そんな日々 だけど もうやめたいんだ>>

T「Mr.Childrenの『足音 〜Be Strong』だね」
Y「俺にとっての<<舗装された道>>は、変化を恐れることだった」
T「なるほど」
Y「もちろん、ものを大事に扱う基本方針は変えないよ」
T「でも、捨てすることにしたんだね、その靴は」
Y「さすがにボロボロになりつつあったし」
T「そりゃ、そうだろうね」
Y「19年も履いてくると、いい思い出だけが刻まれるわけでもない」
T「そろそろ明日を見ようと決めたわけだね」
Y「まさに、その通り」

<<新しい靴を履いた日は それだけで世界が違って見えた>>

***

T「それでも長年、履いたものを捨てるというのは…」
Y「もちろん寂しくはあったよ」
T「いまはスッキリしている?」
Y「うん、いくつかの負の感情と別れられた気がする」
T「ずいぶん大きな変化があるものだね」
Y「そう、何かを買い替えるだけでね」
T「何だか、aikoの曲を思い出したな」
Y「そう、まさに、そうなんだよ」
T「あ、やっぱり?」
Y「ヒロインが靴を飛ばした曲、分かるでしょ」
T「ヒット曲『ボーイフレンド』だよね、知っている」

<<宇宙に靴飛ばそう>>
<<哀れな昨日おだやかな今>>

Y「aikoさんは靴を『捨てた』わけではないかもしれないと思うよ」
T「飛ばしたあと、拾ったのかもね」
Y「でもさ、俺の勝手な解釈だけど」
T「うん」
Y「こうやって思い切った行動に出ることで…」
T「靴を飛ばすことで?」
Y「aikoさんも『負の感情』にケリをつけたのかもしれない」
T「なるほど、<<哀れな昨日>>と別れたくて飛ばした、と」
Y「まあ、俺の勝手な解釈だよ」
T「きみ、aikoが好きだったよね」
Y「Mr.Childrenと同じくらい好きだね」
T「あまり詳しくないんだけど、歌詞がユニークらしいね」
Y「そうそう」
T「たとえば?」
Y「『ボーイフレンド』なら知っているんでしょ」
T「うん」
Y「この部分とかどう?」

<<地球儀は今日も回るけれど>>

T「この部分が、きみは好きなの?」
Y「単純に『地球は回る』と言っても良かったはずでさ」
T「ふむ、ふむ」
Y「<<地球儀>>と書いたことで、この曲には詩情が溢れたと思う」
T「どういうこと?」
Y「自分たちの生きる場所が、小さくとも尊いことを表したのでは」
T「なるほど!」
Y「それだって、いちファンの、ひとつの読み解きでしかないだろうけど」
T「それにしても、きみ、今日はスッキリした感じがあるね」
Y「靴が真新しいからかな」
T「いや、全体的な雰囲気も違うよ」
Y「そう言ってもらえると嬉しいね」

<<昨日までと違った自分の足音が どこか嬉しくて>>

T「この歳になって、俺は大それたことを願わなくなったけど」
Y「でもさ、小さなことに歓びを感じたりするようにはならない?」
T「それな、本当にそう思うのよ」
Y「そういう小さなことが、遠い場所へつながっているのかも」
T「何だかスゴいことを言い出したね」
Y「まあ、ミスターチルドレンが気付かせてくれたようなものだけど」

<<夢見てた未来は それほど離れちゃいない>>

T「今日は随分とポジティブ思考だねえ」
Y「相変わらず、ぐったりと落ち込む日もあるよ」
T「それでもMr.Childrenやaikoから元気をもらえるわけだ」
Y「そのとおり!」

<<時には灯りのない 寂しい夜が来たって>>
<<この足音を聞いてる 誰かがきっといる>>

T「なるほどね」
Y「そして、この部分」

<<まつげの先に刺さった陽射しの上>>
<<大きな雲の中突き進もう>>

T「うーん、力強い歌詞だね」
Y「こんな風に生きられたらと俺も思うよ」
T「自信まではないんだ」
Y「うん、でも気の持ちようは変わった」
T「靴を捨てることが、それほどの転機になることがあるんだねえ」
Y「そして、Mr.Childrenとaikoさんの曲をイメージすることがね」

※<<>>内はMr.Children「足音 〜Be Strong」、aiko「ボーイフレンド」の歌詞より引用

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