3914 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

寂しさに嬉しさを感じた日

BUMP OF CHICKENの数年越しの伏線回収

『寂しくなんかなかったよ ちゃんと寂しくなれたから』ray
『こんなに寂しいから 大丈夫だと思う』宝石になった日

つい最近まで、これらの歌詞の意味がよく分かっていなかった。rayは高1の時、宝石になった日は高3の卒業を目前にした頃にリリースされた曲だ。

どちらの曲もリリースされた時から何度も聴いているし、初めて聴いた時からずっと好きな曲たちだ。

rayは、歌詞の意味が難しい。未だに理解できていないところがたくさんある。

『大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない』
『あの透明な彗星は 透明だから無くならない』

とても大好きな歌詞だけど、意味は分からないまま聴き続けて今に至る。

宝石になった日なんかは、高校の卒業式の帰り道に聴いてうっかり泣きそうになった曲である。

『あの温もりが 何度も聴いた声が 君がいた事が 宝石になった日』
『振り返らないから 見ていてほしい 強くはないけど 弱くもないから』

卒業して、3年間共に過ごした友達と別々の進路に向かおうとしている時に聴いたこれらの歌詞は、すぐさま私の心を掴んでいった。

でも、冒頭に記したあの歌詞の意味はよく分からないままだった。よく分からないまま数年が経ち、私が大学卒業を目前に控える頃になった。そんな今年の1月のことである。ある出来事が次々に起こった。

まず1つ目は、バイトの送別会でのことだった。上京を理由に1月で辞めていったバイトの同僚さんの送別会である。その人とは好きなもの(バンプではない)が似ていて、シフトが合う度にその話で盛り上がるような人だった。送別会でもわいわい楽しくお喋りして、いざ解散となった時、

「この人とはもう2度と会えないかもしれない」

と思った。

続いて2つ目は、掛け持ちしていた別のバイトの最後の出勤の時だった。かれこれ3年続けたこのバイト。手際が悪かったりミスしたり時々遅刻したりで迷惑をたくさんかけたけど、出勤の度に笑ったり焦ったりしながら共に働いた社員さんたちが大好きだった。退勤時に「長い間お世話になりました」と話していた時、

「この人たちとも一生会うことはないんだろうな」

と思った。
 

「この人とはもう2度と会えないかもしれない」
「この人たちとも一生会うことはないんだろうな」

今まで同じようなことを思ったことは何度もあったはずなのに、この2つの別れはひどく悲しくて、とても寂しかった。

正直な話、学校が同じ友達は連絡すれば会うことができるから、卒業して悲しい、寂しいと感じることはあまりなかった。

でも、この時お別れした、バイトの同僚さんは上京したので容易く会える存在ではなくなったし、社員さんは連絡をとってまで会おうと思う存在ではない。(失礼な言い方かもしれないけれど、所詮社員とバイトの関係である)

あんなに楽しくお喋りしたのに、あんなに楽しく仕事したのに、これから先の人生でこの人たちと交わる機会は、きっとない。

この事実がどうしようもなく切なくて、悲しかった。

「こういう微妙な間柄の人たちとの別れほど辛いものなんだなぁ」と思ったのと同時に、

「こんなに別れが寂しいと思うことができる人たちに会えて良かったな。嬉しいな。」
と思えたのだ。

『君と出会えて 本当に良かった』スノースマイル
という歌詞がある。今まで出会ったたくさんの人に対して何度も感じたことのある気持ちだ。

でも、「寂しいと思える存在に出会えて良かった」と思ったのは初めてだった。
 
 
 

ふと冒頭の歌詞を思い出した。あの歌詞ってそういうことだったのか!

今まで何百回何千回と聴いた曲の歌詞の意味が分かった瞬間だった。BUMP OF CHICKENの数年越しの伏線回収だった。

高1の時から6年越しに、高3の時から4年越しに、BUMP OF CHICKENにもう一度手を掴まれたような、そんな感覚。

好きになってからずっと、BUMP OF CHICKENには心を掴まれ続けているけれど、一度たりとも、それが離れなかったことはないけれど、

また新たに掴まれてしまったなぁ。
 

歌詞の解釈は人それぞれで、正解は人の数だけあると思っているけれど、今敢えてこの2つの歌詞を私が解釈するならば、

『寂しくなんかなかったよ ちゃんと寂しくなれたから』ray
あなたとの別れがちゃんと寂しく感じられる程、あなたは私にとってかけがえのない存在で、そういう存在に出会えた喜びがあるから、寂しくなんかない。

『こんなに寂しいから 大丈夫だと思う』宝石になった日
あなたとの別れがこんなにも寂しいけれど、それだけの存在があることが私の心の糧になっているから、大丈夫だと思う。

となる。ずっと好きだった歌詞だけど、自分の経験を通してみるとこんなにも理解できる歌詞になるのだと改めて気づいた。
 

BUMP OF CHICKENの歌詞には、まだまだ理解できていないものがある。数年前に、10年前に、20年以上前に生まれた曲、あるいはこれから先に生まれる曲の歌詞たちが、再び私の人生のどこかでひょっこり現れて、私の手を掴んでくれるかもしれない。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい