3898 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

私とBUMP OF CHICKEN、旅と音楽

休業中の今、ハルジオンを通して希望をここに託す

音楽文の事は知っていた。
投稿されている皆さんの文章力や表現力に圧倒され、感動したり、共感したりしながら何度か読ませて頂きながらも
私には到底無理だし書けないと思ってきた。
しかも私の心の支えであるBUMP OF CHICKEN を検索して表示される投稿数の多い事!
皆さんの熱い思いが沢山詰まっていて、何ならまとめて1冊の本にして頂きたいくらいだ。
さてそう思っていたはずの私がなぜ今この文章を書いているか…
それは今このタイミングでしか書けない気持ちを残しておきたいと思ったからだ。

私は旅行業界で働いている。
ご存知の通り、世界的なコロナ禍で休業を余儀なくされ、早くもすでに2ヶ月が過ぎようとしている。
精神的にかなり厳しい所まで来ているのが正直な所だ。
本来ならこの時期は多忙な時期。それが今はどうだろう…仕事もなく毎日自宅にいる。
毎日不安な気持ちで無気力な状態が続いていたそんな中、先日大好きなBUMP OF CHICKEN がYouTube で
今まで未公開だったMVを突然公開した。
久し振りに明るい気持ちになり、ワクワクしながら懐かしいMVを見ていた。
ただその中の1曲『ハルジオン』だけは号泣してしまい最後まで見る事ができなかった。
ハルジオンはもちろん何度も聴いている大好きな曲だが、ただ思い出してしまったのだ。
過去にも今と全く同じ気持ちでこの曲を聴いた記憶があったという事を。

それは2001年9月、アメリカの同時多発テロが起こった年だ。
その当時勤めていた会社も大きな打撃を受け、私は数ヶ月の自宅待機を強いられた。
会社を辞めたも同然の状態…ハルジオンが発売されたのはそんな時だった。
その時私はまだ社会人に成り立てで慣れない大都会に住み、経験もなければ生きていく術も知らなかった。
そんな辛い時、生きる為に仕方がなくしていた日雇いのバイトから自宅に帰る途中でたまたまこの曲を聞いて、
イヤホンから聞こえてくるその歌詞がその時急に深く心に刺さり、号泣し道端で座り込んだ。
人生でそんな経験をしたのは後にも先にもあの一回しかない。

『生きていく意味を 失くした時
  自分の価値を 忘れた時 』

『夢なら どこかに 落としてきた
  希望と 遥かな距離を置いた 』

その時、ハルジオンの咲く時期ではなく季節はもう肌寒くも感じる秋の夜だった。
そうだ、私がBUMPを好きになったきっかけはハルジオンだった…
十数年前の自分の気持ちを今このタイミングでリアルに思い出したのだ。

話は変わるが、昨年運良くROCK IN JAPAN FESに初めて参加する事ができた。
今までひたちなかまでなかなか足を運べなかったのだが意を決して行った所、とても楽しく、快適で最高だった。
これまで行かなかった事をとても後悔した。
BUMPはその日のトリを飾った。vo.藤原基央はステージでこんなような事を語った。

ー音楽は衣食住のどれにも当てはまらない
  でもないと生きていけないのが俺らや君達なんだ

最近この言葉を良く思い出す。
私が生業としている旅行、旅はしなくても生きてはいける。
そして音楽。確かに音楽がなくても生きてはいける。
でももしこの世から音楽がなくなったら…

もし旅がなかったら、BUMPの音楽と出会ってなかったら、私は全く違った人生を歩んでいたはずだ。
そして私にとってはこれまでもこれからもこの2つはなくてはならないものだ。

今世界的にこのような事が起き、仕事もできない。
行きたい所にいく事ができないし、行きたかったライブも中止や延期になっている。
ファンはもちろんの事、沢山のアーティスト、関係者の皆さんが心を痛めているというようなコメントも良く目にする。
つい数ヶ月前までは当たり前だった事が当たり前ではなくなった。
悲しい現実だが、現状旅行業も音楽業界も最初に影響が出て、恐らく元に戻るのは1番最後なのだろうと思う。

『 生きていく意味と また 出会えた
  自分の価値が 今 生まれた
  枯れても 枯れない花が咲く
  僕の中に深く 根を張る

  ほら ここに 揺れる白い花
  僕は気付かなかった 忘れられていた名前
  僕の中で揺れるなら 折れる事なく揺れる
  揺るぎない信念だろう』

絶望と希望の2つを描いたこの歌詞に、十数年前にも背中を押してもらえたからこそ今私はここにいるのだ。
もうそろそろハルジオンの花咲く季節も過ぎようとしているけれど、自分の心の中で咲く希望という花の存在を忘れないように、
そしてあの時のようにもう1度自分を信じてみようとこの曲を聴きながら思えたのだ。
こうして私にとってBUMP OF CHICKENの音楽は気付いた時には自然と自分に寄り添ってくれる大切な存在になった。

最後に、旅行も音楽もそのものは形に残る物ではない。
思い出に、記憶に、心に残る物だからこそ何にも変えがたい価値があると思っている。
私はお客様からありがとうと言って頂けるその瞬間の為に旅行を生業としていると言っても過言ではないし、
そこに行かないと見れない景色や感じられない思い出を作る事のできる特別な時間であるからこそ旅が好きだ。
これは音楽も同じではないかと思うのだ。
音楽も聴いた者1人1人にそれぞれ大切な時間と価値を与えてくれるものだと私は思う。
イヤホンから聴こえる音楽もライブに行ってアーティストから直に受け取る音楽もどちらもかけがえのないものだ。
もちろん価値観は人によって違う。ただ、私にとっては旅も音楽もどちらも生きる希望なのだ。

さあ、新しい月がスタートする。少しずつでも前に進んで行きたい。
1日でも早く日常が戻ってくる事を心から祈りながら、ここに私の希望を託す。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい