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THE BACK HORNからのラブレター

日常に寄り添う優しい新曲・瑠璃色のキャンバス発表に寄せて

「THE BACK HORN」と「ラブレター」

自分で文字にしておきながら、どうも結びつかない2つの言葉。
うん、バックホーンファン歴は15年を越えたが、今までの楽曲を思い浮かべてもなかなか結びつかないぞ、この単語は。
でも確かに今、私は小さなスマホの画面の中に、彼らからのラブレターを受け取って読んでいる、そんな気がしてならない。

事の発端は、2020年6月10日12:00、THE BACK HORNからファンクラブ会員・銀河遊牧民宛にメールが届いた事による。
内容は「新曲が出来た」というもの。
私は、コロナによる自粛の影響で休業していた仕事が再開してから2週間程経ってはいたが、休業前と同じような働き方が出来ず、疲れる日々。そんな中、休日だったこの日は、ゆっくりと寝転んでいた為、急なお知らせに驚き飛び起きた。
そして、すぐさま、会員用サイトにアクセスした。

この新曲は近日発売との事で、現時点ではファンクラブ限定のコンテンツとして公開されている為、極力、歌詞の引用は避けつつ、ネタバレにならないように感想を記したい。
本来なら、音源として発表されてから、歌詞を引用しつつ述べるべきだと思うが、初めて聴いたこの瞬間の感動を逃すわけにはいかない、と、衝動的に書いている。

大好きで大好きで、最早自分の身体の一部と言っても過言ではないくらいのTHE BACK HORNからの新曲。
しかも、ファンクラブ会員・銀河遊牧民限定で先行試聴。もうこの時点で、「遊牧民、大事にされてるな〜」感、満載。

新曲のタイトルは「瑠璃色のキャンバス」
作詞作曲: 山田将司のクレジットに胸が熱くなる。
喉の不調・手術を終えて、ツアーの再開を1番、待ちに待っていたのは、彼自身だろう。ツアーが再延期になり、悔しい思いをしたのもまた彼であり、THE BACK HORNのメンバーだ。2019年の年末のCDJから、THE BACK HORNとして音楽を鳴らす事が出来ていない彼らの心中は如何ばかりだろうか。

2019年から始まったカルペ・ディエムツアーが5月に延期となった時、私達ファンは「まぁたまにはゆっくり休んでね」と言えるくらい、THE BACK HORNは活動し続け、走り続けてきた。
正真正銘のライブバンドだ。
お楽しみが数ヶ月先に延びただけ、そう思っていた。

しかし、待ち望んだ春はやって来なかった。
 

新型コロナウィルスによる自粛の影響を音楽業界はモロに受け、THE BACK HORNのカルペ・ディエムツアーも再延期となった。
2月・3月くらいは、コロナにより、どんどん延期・中止となっていくライブやイベントの情報を見ながら、まだどこかで、春になったら再開出来るんじゃないかと期待していたが、現実はそんなに甘くはなく、感染は収まるどころか、私達は外出自粛を余儀なくされたのである。

コロナの影響が出る前から、バンドしての活動が止まり、ツアーが再開する頃に収まっていればと願っていたコロナも未だ去ってはくれず、THE BACK HORNはもう半年近くライブが出来ていない。

私は幾度となくライブが出来ないバックホーンの事を考えていた。バンド結成から22年となる歳月の中で、自分達の意思と関係なく、長期に渡りライブが出来なくなった事は初めてなんじゃないだろうか。彼らは今、何を思い、どうやって過ごしているのだろう。
大袈裟かも知れないが、THE BACK HORNは音楽を作るだけでなく、ライブをする事で生きている実感を得ているような、そんな人達だと思っている。アルバムを出して、はい、終わり。ではなく、そのアルバムを引っ提げて各地を廻り、ライブをする事で、更にアルバムの純度を高め、生きるエネルギーへと変えて、それを食べて生きているかのような、ライブお化けみたいな人達。
そんな印象が強いので、ライブが出来ない事でフラストレーションが溜まってやしないか、時間が増えた事で、考え過ぎて負のスパイラルに陥っていないか、お節介な事に、そんな心配をしていた私を良い意味で裏切るかのように、THE BACK HORNは自分達の事よりも、ファンの事を想い、行動してくれていた。
それは、SNSの更新もそうだし、本来のツアー日程に合わせて、過去のライブ映像を配信するというKYO-MEI MOVIE TOURの企画もそうだ。
それでも、カルペ・ディエムツアーが再開され完走するまでの期間は、こういう過去の映像やSNSで近況を知るくらいで、THE BACK HORNとしての新曲は無いのかなと心のどこかで思い込んでいた。
 

だからこそ、このタイミングで新曲が出来たという報せは、いつもの報せより特別で、きっとこの先、なかなか上書きされる事の無い嬉しい報せとなったのでは無いだろうか。

実は、会員サイト内でも公開されたのはフル尺ではない。
ただ、公開された一部分のメロディと優しい歌声、そこに公開されていた歌詞を読んだだけで、私達はとんでもないギフトを贈ってもらったなと思った。

そこに書かれている歌詞は、まるで、バックホーンからファンへ向けたラブレターのようだ。
ちょっと、いや、大分気持ち悪いかも知れないが、心の底からそう感じてしまった。ファンとバンドの絆、烏滸がましいかも知れないけど、そんなものを今まで以上に感じたし、究極のラブソングのようにも感じた。
こんな曲作られたら、一生ついていくしかない。
また、ファンに向けてだけでなく、彼らが愛して止まない「音楽」へのラブレターであるのかも知れない。

瑠璃色のキャンバスの壮大なイントロは、今、緊急事態宣言は解除されたものの、音楽業界にとってはまだ訪れてはいない夜明けが目前に広がっているような気さえしてくる。
Aメロの歌詞は、ライブハウスに集まり、バックホーンの歌に心を傾け、共に声を上げた日を思い出させる。ここで書かれている「さよなら」は、「もう会わない気がするよ」と歌われた≪冬のミルク≫とは違い、ライブでいつも将司が投げかけてくれ、≪アンコールを君と≫の歌詞ともなる言葉、「また生きて会おうぜ」に繋がる「さよなら」だ。
新曲、≪瑠璃色のキャンバス≫の中で、私達は、ライブが終わってもそれぞれの生活を続け、またバックホーンと会う約束をしているのだ。

そこに描かれている世界は、ファンクラブ専用サイトで公開されている事も相まって、音楽を鳴らし続けるTHE BACK HORNと、彼らを愛するファンー銀河遊牧民の日常のようだ。大人になったら、もっと上手く生きられると思っていたけど、実際そんな事はなくて、今だって何が正解かわからず、迷いながら生きている。それでも、そんな日々をバックホーンの音楽と共に乗り越えながら、またライブハウスに集う。
「僕ら」は「THE BACK HORNとライブハウスに集う私達」。

そんな光景を思い浮かべながら、この曲を作ってくれた事。

それが、今の私達にとって、どれだけ嬉しいことか。
どう言葉を紡いだら、彼らにその嬉しさや感謝を伝えられるのか。

でも、言葉は要らないのかも知れない。この曲が完成したという事実、そしてこの歌詞を読んだだけで、私達ファンの、バックホーンへの重っ苦しいくらいの情熱は伝わっていたのだなとそう思えたから。
この曲は、バックホーンにライブで会うたびにエネルギーを貰い、歓声を届け続けたそんな私達への優しい優しい返事だー。
 

瑠璃色のキャンバス。
少し意外だったのは、このタイトルだった。

かつて、≪証明≫の中では、
「この世界のキャンバスでいくつ夢を暴いたんだ 未完成な魂よ 描き続けてゆけ ステージのピカソ」
と歌っていたように、「キャンバス=自分達の表現を描いていく場所」のイメージが強く、キャンバスに既に◯◯色と、決まった色が塗られている事に少し驚いた。

色が指定されている理由は何かあるのだろうか、と考え始めると、≪ペトリコール≫では
「闇のキャンバスに月を貼り付けて」
というフレーズがあった事を思い出した。
キャンバスは空を表現しているのだ。
闇のキャンバスは、真夜中の夜空だろう。
それならば、瑠璃色は…?と色のイメージは出来るが、時間帯のイメージが出来なかったので、調べてみた。
「瑠璃色 空 時間」で検索。
すると、どうやら日没後と夜明け前にブルーアワーと呼ばれる時間帯があり、その時間に瑠璃色の空が見れるらしい。
これはもう、壮大なメロディーとその他の歌詞と合わせて、「瑠璃色のキャンバス=夜明け前の空」と考えるのが相応しいだろう。
夜明け前、瑠璃色の空を見ながら、これからの未来に想いを寄せる。それは、新しい朝の始まり。

空は、ころころ表情を変える。
昨日までは、思い悩んで、どんよりとした曇り空だったかも知れない。目前に広がる瑠璃色の空は、眠る事が出来ずに迎えた夜明けかも知れない。それでも、ブルーアワーと呼ばれるその瑠璃色の時間帯だけは、少しだけでもマシになった未来を想像し、新しく始まる今日を思い描く事をしてみたのなら、眩しい未来へと繋がる一歩となるーそう感じる事も出来る。
 

ファンクラブ限定で先行試聴となった為、勝手に脳内会議で盛り上がり、THE BACK HORNとファンの為の曲だとか、ラブレターだとか勝手な事を綴らせてもらっておいて言うのもなんだが、この曲が発売され、世に放たれた時には、私のこの勝手な考察と駄文は消し去って、音楽を愛する全ての人に聴いてほしいと思っている。

何故なら、私が「僕ら」を「THE BACK HORNとそのファン」だと感じたように、この曲に描かれる「僕ら」は「音楽を奏でる人と、それを愛する人」であり、瑠璃色のキャンバスを聴いた人がそこに思い浮かべる「僕ら」は、アーティストとそのファンの数だけあるのだから。

例えば貴方がミスチルのファンだとしたら、「僕ら」は「Mr.Childrenとそのファン」であり、貴女があいみょんのファンだとしたら、「僕ら」は「あいみょんとそのファン」なのだ。

「僕らの場所」も、聴く人によって、ライブハウスだったり、フェス会場だったり、もしかしたら東京ドームにだってなるかも知れない。

そんな色んな人に当て嵌まる、普遍性に満ちた楽曲が、THE BACK HORNからリリースされる事を嬉しく思う。

そして、まだリリース日さえ公開されていない新曲を、フルで聴けるその日が待ち遠しくて堪らない。

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