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今、夢中になれるもの、そして未来への可能性

初期パンクとBABYMETALの音楽

「今、夢中になれる音楽があるから、未来への希望が見えてくる!」
と、ある人が語っていた。

最近、その彼と頻繁にメッセージのやり取りをしている。彼と私は、パンクが好きで、そしてBABYMETALのファンでもある。

私は1980年代前後の初期パンクを、リアルタイムで聴いた世代である。
当時、FM局の電波に乗って、クラッシュの『ロンドン・コーリング』がラジオから流れた時、私は素直に「カッコイイ!」と思った。
それまで聴いていたプログレやハード・ロックとは違う、シンプルでスピード感溢れる音楽。ギターやキーボードの壮大で技巧的な演奏はないけれど、短くてストレートに響いてくる音楽。今までにない新しい響き。
何かそこには、未来への可能性があるように思えてならなかった。

そんなことを彼に伝えると、
「私がロックを好きになった時、もうパンクの時代は終わっていましたよ」
と、彼は悔しがっていた。

その彼が、リアルタイムで夢中になった音楽が、BABYMETALの『ド・キ・ド・キ☆モーニング』だと知った時、私は少なからず衝撃を受けた。
『ド・キ・ド・キ☆モーニング』のMVを見て、彼はBABYMETALにハマったと言う。

何故だ! 何故、パンク好きが『ド・キ・ド・キ☆モーニング』にハマるのか?
その謎を解こうと、『ド・キ・ド・キ☆モーニング』のMVを、何度も繰り返し見てみた。

すると、『ド・キ・ド・キ☆モーニング』は、とても型破りな音楽だという気がしてきた。

MVの出だしは、ポップなタイトルコールから始まる。まるでアニメ・ソングのように。コールが終わると、ドラムとギターの重低音。そして、アイドルのような少女が、突然、「ギャー」と叫ぶ。激しいリフの繰り返しと激しいダンス。骸骨姿のミュージシャンが楽器を操り、三人の少女がキュートに弾ける!

怪しいけれどカワイイ! 激しいけれどポップ! 不気味なのにユーモラス!
今までにない音楽の予感がした。

京都のmy letterというバンドのリーダーが、こんなことを言っている。
「今までいろいろなバンドがいろいろな曲を作ってきたけど、
 それらを吸収したうえで、再構築して
 聴いたことのない音楽、今までになかったものを創造しようとする
 それがパンクだと思う」

今までにないものを創造すること。
それは、今と向き合い、今を越えていこうとするアーティストの挑戦である。

「PUNK IS ATTITUDE! NOT STYLE!」
彼は、クラッシュのジョー・ストラマ―の、この言葉が好きだと言う。
パンクはスタイルではなく、物事に立ち向かっていく姿勢、
と、この言葉は語っている。
その言葉の中に、彼は、常に挑戦し続けるBABYMETALの姿を感じていると言う。

音楽の中には無限の可能性があって、今を越えていこうとする時に、可能性が現実のものとなって姿を現し、新しい響きが生まれてくる。
それがパンクであり、BABYMETALの音楽だと思う。

彼と私は、今までになかったものを、ずっと追い求めていたのだろう。

「やっと、リアルタイムで夢中になれる音楽を見つけた!」
彼のメッセージは興奮していた。

それは、私も同じだった。
1980年代前後にリアルタイムで体験した初期パンク、その後、出てくる音楽に、私は夢中になれなかった。何か新鮮さがなかったような気がする。初期パンクに出会った時のような新鮮な衝撃。そういうものを感じられなかった。

以来、私はロックの中にノスタルジーを感じる毎日を送っていた。

それが、まさか、「今、夢中になれる音楽」に再び出会うことができるとは、考えてもみなかった。

最後になるが、彼に、こんな言葉を送りたい。
「今、夢中になれる音楽を追い求めることは、音楽の可能性を見続けることかもしれませんよ」

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