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KANZAI BOYAーそれは面白ソング?いいえ、愛の歌

KinKi Kidsが歌う亡き育ての親への感謝のFUNK

「♪カンッサイ、ボォーヤっ♪」

やたらとリズミカルな音楽が、テレビから流れてくるのを既に聴いた人はいるだろうか。

2020年6月17日リリースとなった、KinKi Kidsの新曲・KANZAI BOYA(カンサイボーヤ)の一節である。リリース前からCMで耳に入り、耳を疑った人もいるかも知れない。そして、そのMVにも驚愕した事だろう。

「KinKi Kids、一体どうしちゃったの??」
そんな声が聞こえてきそうだ。

KinKi Kidsと言えば、デビュー前からドラマに出演したり、オリジナル曲が無い頃から音楽番組に登場したりとお茶の間に存在を知らしめ、満を辞してリリースしたデビュー曲・硝子の少年はミリオンヒットとなり、その後もヒット曲を連発し、デビュー曲からオリコン1位を獲得し続けているアーティストとして、ギネスにも登録されている輝かしい実績を持っている…そんなイメージを持つ人が多いのではないだろうか。

今まで発表されてきたシングル曲も、哀愁漂う失恋ソングから、アッパーなかっこいい曲まで振り幅が大きい。
 

が、しかし、まさか「♪カンッサイ、ボォーヤっ♪」と一見面白ソングをシングルとしてリリースする日が来るとは思わなかった。
曲の振り幅に対して、メトロノームのように、左右にカチカチと触れる針があるとすれば、今回の曲は今までの振り幅を大きく振り切って、針が飛んで壊れてしまう。
それくらいのインパクト。
 

しかし、この曲はタイトルにも書いた通り、ただの面白ソングではないのだ。
 

というのも、この「KANZAI BOYA」という単語、実は、KinKi KidsがKinKi Kidsと命名されるその前に、故・ジャニー喜多川氏から与えられた、彼等の最初のユニット名だ。このKANZAI BOYAは幻のユニット名であり、ジャニー氏との思い出でもあるのだ。

そして、この曲、本来なら、2020年5月5日リリース予定だった。
KinKi Kidsがこどもの日にKANZAI BOYAという曲をリリースする。
「キッズ、こどもの日、ぼうや…」この一文だけで情報が渋滞しているような感覚を受けるが、更にこのこどもの日というのは、堂本光一・堂本剛が初めて出会った記念日でもあるらしい。情報量が半端ない。

半端ない情報量の中から、このシングルには並々ならない想いが詰まっていると感じる事が出来る。

そして、リリース前に出演した音楽番組を見て、初めてまともにこの曲を聴いた私は、「これはKinKi Kidsからのジャニーさんへの愛ある感謝のメッセージだ」と思った。

そしてまた、作詞作曲を手がけた堂本剛のセンスに脱帽する。

故人への想いを綴った歌というものは、得てしてしっとりとしたバラードだったり、優しいメロディーになりがちだ。

しかし、この曲は、FUNKのリズムに乗せて、軽妙にジャニー喜多川氏との想い出を楽しむかのように作られている。

というより、曲中に故・ジャニー喜多川氏が登場しているのだ。

こんな歌詞がある。

≪いまじゃもう 魂となりました 誰にも名前つけられず暇よ
もう 信じらんないよ≫

≪ラララまた閃いた 誰かほら 僕の御告げ聞いちゃいなよ
誰か拾えないの? ah!!!≫

これは、明らかに、魂となったジャニー喜多川氏の今の想いが歌われている。数々の所属タレントのユニット名をつけてきたジャニー喜多川氏が、「今となってはもう新しいユニット名をつけることも出来ないよ」と嘆いている、という描写だ。

このLyricを読んだ私は、「KinKi Kidsがイタコになった…」なんて事を思いながらも、「ジャニーさんが亡くなった事をこんなに明るいリズムに乗せて世に発信出来るのは、KinKi Kidsとジャニーさんの信頼関係によるものなんだろうな」と冷静に受け止めてもいた。
 

誰しもいつかは死を迎える。
人が亡くなるという事は、悲しい事だ。
だからと言って、いつまでも湿っぽい空気ではいられない。
何より、エンタテイメントを愛していた社長が、それを望んでいるはずがないだろう。
育ての親と言っても過言ではない恩人に想いを馳せているうちに、「そういえばこんなユニット名もらったなぁ。これから先はもうあんな風にジャニーさんに命名される子はいないんだなぁ。」と思った(※実際にインタビューで似たような発言をしている)堂本剛は、「貴方(ジャニーさん)は今、お空でこんな風に思っていませんか?」とジャニーさんの心を想像し、歌詞をしたためたのだろう。

また、この曲をFUNKナンバーとして完成させた事も興味深い。

FUNKと言えば、堂本剛がソロで活動している時の音楽ジャンルであり、今まではFUNKはソロで、それ以外のKinKiに合いそうだなという曲はKinKi Kidsの音楽で、と、棲み分けをしていたからだ。

ソロの音楽とグループでの音楽を分けていた彼が、グループにFUNK色の強いナンバーを持ってきた事も、自分にシンガーソングライターとして歩むきっかけを与えてくれたジャニーさんに、ソロでも育んできた音楽を、グループに還元出来るようになりましたよという成長の証のようなものを届けたかったのかも知れない。

そして、作詞作曲を手がけたのが堂本剛だったため、つい彼に焦点を当てがちになってしまったが、これをシングルとしてリリースする事に抵抗を感じるどころか、シングルにするべき!と推した堂本光一にも勿論、ジャニーさんへの並々ならぬ想いがあった事だろうと思う。
そしてまた、この曲をリリースし、エンタテイメントとして昇華する事で、彼の中でジャニーさんが亡くなった事に対する気持ちの区切りがついたのかも知れない。

そして、どうせやるなら徹底的に‼︎とでも言うかのように振り切ったMVも興味深い。
とりあえず、目がチカチカするくらい眩い衣装に身を包んだKinKi Kidsと、周りを取り巻くバンドメンバーの絵面は、落ち込んだ日に見ると、小さな悩みなら吹っ飛ぶくらいに面白いし、暗い話が多い昨今、笑いを与えてくれるエンタテイメントだ。
 

曲の最後の「オチ」も、可能ならばMVで見て欲しい。
 

きっと天国のジャニーさんには、2人からの感謝の気持ちが届いている事だろう。

軽妙でつい身体が動き出しそうな、FUNKナンバー。
貴方も是非聴いてみませんか?

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