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その坂の先へ

ゴスペラーズG25ツアー中止で感じたこと

驚きと、無力感、悲しさ、やるせなさ。
全公演中止を知った時、いろんな感情に襲われて、涙が出てきた。
 

ゴスペラーズ坂ツアー2019-2020 ”G25“
デビュー25周年を迎えた彼らの、記念すべき全国ツアー。
4/26の札幌公演延期が発表されたのは、4/6のこと。
ご存知の通り、北海道は2/28にひと足早く緊急事態宣言が出され、自粛要請でほとんどのライブがキャンセルになっていた。3月に行く予定だった別のライブも流れていたので、延期が発表された時は「この状況ならやむを得ないよなぁ」と、残念と思いつつも納得した。
一緒に讃歌する友人に連絡してもわたしと同じ考えで、むしろお互いにホッとしたくらいだった。
ただ、振替公演の日程が出ていなかったことだけは、心に引っ掛かっていた。
今思えばこの時からもう「振替公演、ないかも」ということが、ずっと頭の隅にあったのかもしれない。
 

この翌日、政府からの緊急事態宣言。
わたし自身も在宅勤務になった。次々とライブやイベントが中止になり、ライブハウス閉店のニュースまで流れてくる。GWが明けてすぐ、別に予定していたライブの開催見合わせが発表され、仕方ないと思いつつも、落ち込んでいた。
そして5/11、G25全公演の中止発表。
延期のアナウンスがあった段階で、振替公演なしもあり得ると覚悟はしていた。でも本当にそうなるなんて、まさか全公演中止になるなんて。しばらくは信じられなかった。
中止を知った瞬間の驚き、すぐ後に襲ってきた無力感と悲しさ、やるせなさ、
どう言葉で表現したらいいのか、表現してもいいものなのか、中止発表から1ヶ月以上経って払い戻しを終えた今も、わからないままだ。
わたしだけでなく、メンバー・スタッフ全員、ライブを待ち望んでいた人たちが皆、言葉にし難い同じような思いを抱えているんじゃないかと思う。
 

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ゴスペラーズに出会ったのは高校3年の秋、
先にハマった妹が持っていたアルバムを勝手に借りて聴いたのがきっかけ。
もともとR&Bのようなリズムの曲や、コーラスがたくさん重なった曲が好きだった(中西圭三さんとか、SING LIKE TALKINGとか)。中学まではピアノを習っていたし、高校は吹奏楽部だったので、合奏も大好き。
ブラバンを引退して、あぁ受験かぁ、音楽からしばらく離れないとならないのかぁ、そう思っていた時に彼らの音楽は飛び込んできた。
とにかく声の重なりに圧倒された。リードの時は誰が歌ってるのかすぐ分かるくらい全く声が違うのに、ハモると誰がどこを歌ってるのか初めはほとんど分からなかったくらい。聴いてて本当にすごく気持ちのいい声。
曲自体も初聴なのに、どこかで聴いたことのあるような心地良い音。
メインのメロディが歌えなくても、ハモリパートを歌える。楽しい。
大学受験直前という、周りから見たら突っ込み所満載のタイミングで、彼らの歌声が自分の日常の1つになった。
村上リーダーが当時北海道で持っていたラジオのレギュラー番組を聴きながら勉強し、
無事に受験が終わって、旭川で初めてライブを観た時のワクワク感は今でも忘れられない。
(初ゴスペラーズはスタンディングの最前列。今じゃとても考えられない…)
学生の時もライブやラジオの公開生放送を観に、旭川から札幌や小樽へ何度も行ったし、
社会人になっても変わらずに、彼らの歌声を聴くとワクワクして、ついつい顔がにやけてしまうし、
ライブが決まった時は仕事の同僚や上司にも、「この日ゴスペラーズのライブなので休み下さい!」と公言するくらいだ。
何だかんだで23年、変わらずゴスマニア。ある意味奇跡かもしれない。

本当にこれアカペラ?!と衝撃を受けた『侍ゴスペラーズ』
受験会場へ向かう電車やバスの中でずっとリピートしてた『MO’ BEAT』
リリース前に札幌のラジオで流れて涙した『ひとり』
胆振東部地震の後のツアーで聴いた時に号泣してしまった『アンジュナ』etc…
まだまだあるけれど、それぞれの曲にちゃんと記憶があって、数え始めたらキリがない。年齢を重ねた今、聴いている音楽のベースのひとつは間違いなく彼らだと言える。そのくらい、長い時間をゴスペラーズの曲たちと過ごしてきた。

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5/25に緊急事態宣言が解除されたが、今も連日のように、多数のライブや夏フェスが公演延期、公演中止になっている。
振替公演が決まっていても、それすら延期もしくは中止になっていく。
得体の知れないものが、わたし達の当たり前の日常を、楽しみを奪っていき、
近くにあったものも遠ざけて、
大好きなものが遠くへ離れていってしまう。
近くに居て欲しいものほど、それがいつ近くに戻ってくるのかが見えない、見えてこない。
これが今の現実だ。
もどかしいし、悲しい。
それでも、出演者・スタッフ関係者全員、オーディエンス全員の安全が確保できて初めて、本当に待ち望んだライブが楽しめるとわたしは思っている。
だから今は、時間を置くということも、待つということも、受け入れようと思う。
 

ちょうど1年前の昨年6/23、初めて東京に遠征し、妹と合流して観てきたゴスフェスDAY2 at 東京国際フォーラム
これが今のところ、わたしが観た彼らの直近のライブ。
学生の頃からいろいろ聴いてきた音楽が、いろんな所で一本に繋がった、大事な日になった。
まさか1年後にライブが出来ない状況になるなんて、会場にいた全キャスト、全オーディエンス、全スタッフ、その時は誰一人思ってなかったはずだ。
この日のゴスペラーズオフィシャルインスタグラムの一文、
『ゴスペラーズはこれからも坂道を登り続けて行きます』。
わたしたちは生きていく中で、幾つもの坂を登らなければならないが、
いま目の前にあるのは、自らの強い意思と力で登って行かなければならない、とても大きく長い坂。
自分だけでなく誰もが直面し、もがきながら進まなければならない坂。
いつその坂の先が見えるかは分からない。けれど、ゆっくりでも今は登って行こうと思う。
登りきったら、そこに見える視界はまっさらで、あたらしいものを自由になんでも描けて、たくさんの歌声が聴こえてくるはず。
そう願って、信じて。
 

ゴスペラーズの皆様へ
ゴスペラーズに出会えて、よかったです。
また必ず、ライブ会場で、お会いしましょう。
札幌で、待っています。

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