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ライブとはなんだったのか

OKAMOTO'S無観客ライブのポテンシャル

自他ともに認めるライブバンドのOKAMOTO’Sが無観客ライブ配信をした。デビュー10年目の武道館ライブからちょうど1年、11年目の幕開けである。

ライブを配信で見るメリットは大きい。立ちっぱなしの待ち時間も暑さも寒さも帰りの混雑もなく、時間的にも体力的にも非常に楽である。今回は赤ワイン片手にエアコンのきいた部屋でヘッドホンの音を楽しみ、セットリストもしっかりメモできた。また、空間的な制約もなく、自宅や電車の中や遠隔地など、電波さえあればどこでも見られる。その上新しい楽しみ方もある。今回OKAMOTO’Sが利用した配信アプリ(Thumva)には、視聴者同士がオープン/クローズのチャットができる仕様があり、リアルタイムのコメントを介して感情を共有することができる。映像や音は想像以上のクオリティーで満足度が高かった。

OKAMOTO’Sも、ソーシャルディスタンス対策は万全(会場は屋外)だったのはもちろんのこと、セットリストはコンパクトなものに収め、音作りも丁寧でシンプルなヘッドホン仕様。その上配信ならではのサプライズ演出もあった。ライブ直後のアフタートークも健在。本当に柔軟でタフなバンドだなーと感心した。

配信されたライブになじみを感じたが、それは遠くて参加できないライブをありありと想像するのに似ていた。今この時間にきっとライブハウスはこんな様子だろうな、と時計を見ながら何度も考える。もちろんそれは実際のライブに参加したことがあるからこその楽しみ方ではあるけれども。「ライブは両想いの場である」と例えるとすれば、配信ライブは「ネットを介した双方からの片想い」である。恋愛に様々な味わいがあるように、それはそれでなかなか悪くないという印象を持った。

現在は徐々にライブも解禁になっているようだが、今後も上手に生配信を並行利用していくといいのではないかと思う。従来のメインのファン層(フィジカルやグッズを購入+ライブ参加)に加えて、ストリーミングで聴きライブ配信も気軽に見るというライトなファンが増えるだろう。チケットを買って見る同時配信を行うことによって、ライブに参加できる人数が減ってコストが高くなるのを補いながら、ライブの実施回数を増やすこともできる。また、ライトなファンが配信を見て予習してから満を持してライブに参加するという段階を踏むことも可能になる。

複数のファン層に対するいくつかのコミットメントが用意されていれば、ファンは毎回その中から自分で選んで楽しむことができる。コアなファンがいるだけではなく、年齢や性別を気にせずに、どのライフステージでも継続してマイペースでアーチストを応援し続けることができる。ライブの生配信は、従来のライブを補うための繋ぎ以上の大きな可能性を持っていると感じた。

新しい技術を使って早い段階で無観客ライブを行ったOKAMOTO’Sの挑戦と達成は大きいと思う。これからもいろんな方法をうまく利用しながら、大切なアーチストをずっと応援していきたい。

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