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2017年9月12日

ぴぴこ (27歳)

輪廻転生。

SKY-HIのリインカーネーションを通してー再生ボタンを押せば何度だって蘇るー

“リインカーネーション”

可愛らしい印象を持つタイトルを持った一曲に出会った。
 

馴染みがなかったこの言葉を調べると、
リインカーネーションとは、”転生、輪廻”と言う意味合いだと知った。
そして彼は”再生”という言葉でこの曲を表現する。
 

SKY-HIのリインカーネーションを紹介させて欲しい。

この楽曲は、2017年1月に発売された、アルバム、『OLIVE』の1曲目である。

<音楽家は、再生ボタンを押されると何度でも蘇るという意味もあって。
明日俺が死んだとしても、再生ボタンを押してくれれば、何回でも蘇る。
これからいろんなことが始まるよ、という曲ですね。
これはアルバムの最高の導入であり、エンディングでもあるかな>
(SKY-HIの言葉”T-SITE NEWS”)
 

このリインカーネーションの始まりは、
ピアノの音で始まる。一定のテンポで、「チャンッ チャンッ チャンッ チャンッ」と鳴る。
その中で、テレビのノイズ音の様な音や、水の中にいるような音が入り混じる。
そのイントロから、なんだか何もない殻の中に閉じこもっているような感覚になった。

真っ暗で、無の世界。
まるで、自分の心の中を映し出している様な…
 

そこに「YEAH」とSKY-HIの声が通った瞬間に、
扉があけられ、光が差したその先に、外に連れ出してくれる手が差し出されている。

そんな光景が浮かび上がる様な始まりだ。

メロディも、SKY-HIの歌声も、優しいが、
歌詞には、この世界の今起きている現実が包み隠さず描かれている。

<この世は転んだ人に手を貸すどころか後ろ指さし笑うところさ>
<致し方ないと諦めた今しがたが 積み重なり忘れる愛し方>
(リインカーネーション歌詞より)

今の、世界は、SNSが多く普及され、人とのコミュニケーションの取り方は、昔と比べて随分と変化した。
直接関わらなくとも、人と会話をすることができるツールがあり、それは、国内にとどまらず、世界へ向けて自由に発信される。
いい面もあれば、やはり顔が見えない分、見ていられない様な言葉が飛び交っていたりする。
 

そのコミュニケーション方法については、このOLIVEが発売された時に、SKY-HIも、インタビューで話をしている。

OLIVEのジャケット写真は、無機質なコンクリートから、木(有機質)が生えていたり、太陽と月が一緒に写っていたり矛盾な点が多い。
そこについて彼はこう語った。

<すごく無機質に見えることが多い2017年のコミュニケーションが念頭にあって。
人との関わり方とかも、俺が子供の頃と今では大きく違うんだけど、今はそれが普通になっていて。
電波の上って血が通っていない。
それ自体には血が通ってなくても、そこに血を通わせることが出来るのは、
受け手と作り手に血通った人がいるからっていう。<中略>

生命力のあるアルバムを作ろうって思っていたし。”2017年に一番必要な物”になれた感覚はすごくあるかな”>
(SKY-HIの言葉:ミーティア インタビュー)

無機質な中に、血を通わせる。生命を宿したい。
そんな思いが込められている。

そして、彼はリインカーネーションにこの歌詞を込めた。

<変わらない世界 変えられる自分の視界
手伝うさ もう一回聞くよ、準備いいかい?>
(リインカーネーション歌詞より)

他人や、過去、世界までは変えられなくとも、自分の視界、考え方、振る舞いは変えられる。
一人一人がもし、自分の世界の視界を変えることができたら。。。

私がイントロで抱いていた、
「扉が開いて、光が差し込み、そこに伸ばされた手」という感覚。
その差し伸ばしてくれた手は、SKY-HIだとずっと思っていた。
でも、実は、もう一人の自分なのかもしれないと感じた。

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そんなリインカーネーションを含めた
アルバム、”OLIVE”を、引っさげて行われたツアー
WELIVEでは、オープニングとラスト1曲に
このリインカーネーションが用いられていた。

ラスト1曲、この曲を歌う時にSKY-HIは必ず言った。

<今日が終わるってことは
俺と出会うまでの君が終わるってことだな。
って事は、明日から俺と会った後の君が始まるって事だなあ。

移り来る毎日の中で俺と出会ったあとの君は
何度だって俺に助けを求めることが出来る。
何度だって再生ボタンを押してくれ、イヤホン越しに君を幸せにする>
(SKY-HI の言葉 WELIVE)

何度この言葉に助けられたか、わからない。
普通に聞けば、ちょっと照れてしまうほどの言葉だが、ステージ上から、SKY-HIが言ってくれるこの時は、妙に勇気をもらった。
SKY-HIの目を見ていれば、その言葉が、ただの演出で言っているわけではないとわかったからだろう。
そんなWELIVEが終わって、4ヶ月。

2017年9月7日。
突然その知らせは来た。

9/8に、”WELIVEのLIVE音源が全曲解禁”

時間になるとすぐさまDLをし、緊張と、楽しみで高揚し、少しばかり震える手で
私は”再生ボタン”を押した。

武道館の会場、地方公演で回った会場。
愛媛公演の後、島根公演も急遽行くことにしハチャメチャなスケジュールを強行したこと。
そこで、待ってくれていた仲間(FLYERS)の顔。
そして、何よりもSKY-HIが歌う時に時折見せる本当に幸せそうな表情。

一気に鮮明に思い出させてくれる。
その音こそが、オープニングのリインカーネーションだった。

LIVEを一つ一つ思い出しながら、
最後のリインカーネーションまで聴き終え、余韻に浸っていると、不思議な事に気付いた。

「終わらない」という事に、だ。

私はiPhoneのリピート再生機能を使用していた。
そうすると最後のリインカーネーションを終えたから、1曲目始まる音までが繋がっているように聞こえるのだ。
 

再生。輪廻。転生。
まさにその言葉の意味が
このLIVE音源アルバムを通して表されていた。

偶然なのか、意図してなのか。
それは、私にはわからないが、この再生が妙に幸福感をもたらした。
 

転生という言葉には、
「環境や生活を一変すること」という意味も持つ。

“人生は、何度だってやり直せる。”

再生ボタンを押すだけで
イヤホン越しに手を差し伸べてくれるこの音楽と共に。
 

<終わりのないモノなら無いけど/始まるモノもその分あるでしょう/いつかお別れが来たって/また何度だって蘇るさ>
(リインカーネーション歌詞)

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