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青春の煌めき、そのせつなさ

Mrs. GREEN APPLE と平手友梨奈が溶け合ったとき

 バイト終わり、あのミュージックビデオを観てしまってから、私の鼓動は全く言うことを聞いてくれなくなってしまった。心の奥底から、何かがぐわっと湧き上がってくる不思議な心地がする。

 とにかくこの感情を忘れたくない。その想いで、今パソコンを開き必死に文字を打っている。
 

 YouTubeで公開されたMrs. GREEN APPLE 「WanteD! WanteD!(Side Story ver.)」のミュージックビデオ。このMVの主演は平手友梨奈さん。
 

 私は平手友梨奈さんのファンであり、Mrs. GREEN APPLEさんのファンでもあるので、自分の大好きな人、大好きなバンド、そしてミセスを知るきっかけとなった大好きな曲のコラボの知らせを目にしただけで心が躍った。

 自宅に帰るやいなや、自室の2段ベッドの階段をイヤホンとスマホを手に半ば強引に駆け上がり、観賞スペースを確保。そわそわしながら動画アプリを開くと、画面の一番上、髪にインナーカラーを施し強いまなざしでこちらを見つめる平手友梨奈さんのお顔が映っていた。
 
震える手で再生ボタンを押すと、たちまち私は画面の中の世界に吸い寄せられてしまった。
 

ここから書く私がこのミュージックビデオをみて感じたことは、あくまでも一個人の感情であり、ミュージックビデオをご覧になった皆さんは自分自身の見方、感じ方を是非大切にしてほしい。ここで読むのをやめてもらっても構わないし、読み進めてくださるという方は何十万と再生されている中の一つの心と思って読んでいただけたら、と思う。
 

最初のシーンで、息を切らしながら走ってきて壁に倒れこむ平手さん演じる少女。このカラフルな服装、茶色のインナーカラーという出で立ちから、2年前に公開されている「WanteD! WanteD!」のミュージックビデオを思い出した。あちらのMVは朝の海辺の風景から始まり華やかで楽しげなパーティーシーンが大部分を占めている。一方このMVの最初のシーンの情景は夜の街中で、平手さん演じる少女はまるで何かから逃げているように苦しそうな表情をしている。 「少女は、あのパーティーから逃げてきたのかもしれない」「理不尽な大人によってつらい思いをさせられたのかもしれない」といろいろな考えが渦巻いた。

そのあとに映る、海で少女が寝転がっている足。そして少女のつらそうな表情。この海辺も前のMVと通ずるものがある。
落書きだらけの夜の街中と対照的な明るいのどかな海辺。
 

 気を紛らわすかのようにおもむろにイヤホンを耳につけスマホを取り出した少女は、そのスマホを大事そうに胸に当て、そこから曲のイントロが流れ始める。助けを求めるかのようにスマホをぎゅっと握りしめる姿に、少女にとってこの曲がものすごくかけがえのないものであるということがひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられた。

 歌いだしのサビが流れ始めると、いきなり浜辺で少女が開放的に踊りだした。すべての憂いを取っ払ってしまったような舞い。ああ、この感覚。久しぶりだ。でも、違う。言葉に表すことができないが、何かが変化しているように感じる。とっても素敵。なんだかすでに泣いてしまいそうだ。
 

 夜の街中にいた少女も、吹っ切れたように飛び出していく。
 
 ボーカルの大森元貴さんの甘く伸びやかな歌声と溶け込んだ麗しく、しなやかで力強いダンス。私は今、とんでもない化学反応を目にしているのかもしれないと感じた。
 

 2番では、夜の街中に怯える少女と何かを馬鹿にするように狂気的なほどの笑みを浮かべ浜辺で踊る少女が交互に映っている場面が登場する。

“あの子は馬鹿で スラスラ生きれている” 

 この場面で指をさし笑う少女は、なかなか器用に生きることができない自分と他人を比べてしまい抵抗しているようにみえた。そして何事も上手くいかず優秀な他人を羨ましがる自分の姿と重ねてしまい、不覚にもどきっとした。
 

“何かのせいにして 遊べるのは今だけなんだ 焦らなくていい? 少しずつ気づいてゆけばいい?“

 二番終わりのCメロ、ここの歌詞の場面は、2年前のMVだと大森さんが大人になった視点から子供たちに対して語りかけているような印象を受けたが、今回のこの場面は平手さん演じる少女が全身で楽しさを表現している。以前のMVと異なり、全力で「今」を楽しんでいる少女を客観的に歌声とともに観ているような気持ちになった。自由に表情豊かに踊り狂う少女の姿に心を鷲掴みにされてしまう。

 山積みの課題に追われ、色々なことに折り合いをつけてただ生きていくことに精一杯だった最近の自分が忘れかけていたものを思い起こさせてくれた気がして、少し目が潤んでしまった。

 そして、海辺の少女、夜の街中にいる少女共に、2年前のMVでも登場した流れ星のようなものを観ているシーンでラストを迎える。
 

 ラスト直前に映る少女のこちらを射抜くような強いまなざしは、いったい何を訴えかけていたのだろうか。
 

 有名な曲のサイドストーリー、観る前はどんなものになるのだろうと思っていたが、私の心はたちまちすごいものを観てしまったという衝撃と多幸感、青春の眩いほどのきらめき、その切なさに包まれ、この曲をより深いところで感じられた気がした。
 

 ベストアルバム“5”でフェーズ1が完結するMrs. GREENAPPLE。
平手友梨奈さん主演のこのMVは、フェーズ1の中身の濃さを実感させフェーズ2への可能性がさらに膨らむ素晴らしいミュージックビデオだった。

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