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宮本浩次氏の生配信ライブと、スピッツの新曲と。

コロナ禍の中、天才たちが届けてくれたもの。

もうひと月近くも前になるのか。

宮本浩次氏は6月12日、本人の誕生日に”作業場”から生ライブ配信を行った。
作業場というのは、ギターやドラムなどの楽器、音楽機材、パソコンなどを置いたスタジオのような部屋で、ソファやミニテーブル、その上には茶器などもある、かれの創作や練習の場所のようだ。
とはいえ、ステージもバンドもなければ観客もいない。
こんな状況で、ギター1本でライブといってもどれほどのものになるのか。
期待と、若干の不安も抱えつつ、当日時間前にWOWOWにログインして待機した。

1曲目の「夜明けのうた」で、一瞬で不安は消し飛んだ。
ビブラートのない、ストレートでクリアで力強い歌声、掴むような指でバレーコードをおさえ、それをかき鳴らす右手、、いつものミヤジがそこにいた。

その表情は、歌えることを心から喜んでいるように見えた。

緊張が解けたのか、そのあとはもうどんどんパワーアップしていき、2、3曲目にはジャケットを脱ぎ捨て、腕を振り上げ(音がなくなるのに)、ソファに飛び乗り、隣の部屋のドアを開け、、いつものミヤジのまま、ライブは最後まで熱を失わずあっという間に終わった。
目を離すことなど、できなかった。
後でセトリを見ると、16曲も歌っていた。

そして、スピッツ。
その前の週の草野マサムネ氏のラジオ、ロック大陸漫遊記。
いつもスピッツの曲を冒頭にかけるのだが、今日は新曲ができたのでそれをかけるという。
なんの前触れもなく、新曲発表。そして曲は流れた。

やさしく少し寂し気な歌詞の世界、口ずさみたくなるように流れるメロディ、複雑なことしてるのに美しい音としてまとまっているバンドサウンド。
どれをとってもスピッツの音。
メンバー同士一度も顔を合わせることなく制作されたというその曲は、新曲として完成していた。

エンジニア他スタッフの技術力もすごいのだろうけど。
自宅でずっと過ごしているというので、こんな曲作ってみたよと、さらっとギターで弾いたりすることもあるかな、などとは思ったとこともあったけれど。

ラジオから流れた「猫ちぐら」。
素晴らしい曲だった。

短い間にあったこの2つのできごとは、わたしにものすごい安心感をもたらしてくれた。

小人閑居して不善を為す。
という諺がある。
たいしたことない人物は暇だとろくなことをしないという意味だが、天才は暇があるとその才能を溢れさせてしまうのだ。

ましてや今回は暇どころか、災害ともいえる非常時下という状況である。
さらにミヤジやスピッツは予定していたライブが中止や延期となり、先の見通しも立たない状態の中にある。
そんな時を、どんな気持ちで過ごしているのか。
凡人のそんな心配は無用だった。

わたしのような凡人は、ただ待っていればいい。
そして天才の才能から放たれるキラキラした光を、黙って浴びればいいのだ。

もちろん、かれらにしか持ちえない悩みもあるだろうし、ミュージシャンにとってライブができないことがどれほどつらいかも想像はつかない。

でもかれらはいつだって先を行き、何かしらを届けてくれる。
わたしはそれを待つ。

ありがとう、ミヤジ、スピッツ。

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