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back numberは“心の居場所”

一番深い場所で鳴る、人生のBGM

「日本一深い場所でつながれるバンドになりたい。」
NO MAGIC TOUR 2019で聴いた、依与吏さんの言葉。
あれからおよそ1年の月日が経つが、未だに色褪せることはない。私はこのとき、この言葉を聴いたとき、涙を流していた。思い出していたのは、back numberに出会った頃の記憶だった。

そのころの私は、終わったはずの片想いにいつまでも縛られている最中だった。
高校に入学したばかり。新しい環境のなかで、私は新たな一歩を踏み出せずにいた。
小学生のころからずっと好きだった男の子がいた。初恋だった。かっこよくて頭もよくてスポーツもできて、明るくてクラスの人気者だったその人を、私はいつも遠くから見ているだけだった。コンプレックスまみれの私には、近づくことなんてできなかった。
想いは募るばかりだった。それでも、告白などできず、されるはずもなく、私たちは中学を卒業し、別々の道へ進んだ。
もう会うこともない、連絡先も知らない。
つながりを失ったというのに、なおも募り続ける恋心が苦しかった。
もともと可能性などない恋なのに、会えなくなってからも好きでい続けている自分はおかしいんだと思い始めた。
あんな手の届かない人のことを自分なんかがこんなにも好きだなんて、気持ち悪いなとすら思った。
それなのに、この恋心が消えてしまうのが怖かった。捨ててしまいたいほどに苦しいだけのはずなのに、手放せなかった。

行き場のない気持ちをどうすればいいのかわからず、私は音楽に助けを求めた。
いろんなラブソングを聴いた。
けれど、なぜだか、どの曲を聴いても、どこか他人事のように聴こえてしまった。

…みんなキラキラしてるなぁ。私とは違うんだな。
私の恋は、やっぱり変なのかな。

NO MAGIC TOURで依与吏さんも言っていた。「楽しいときは何を聴いてもいい。でも、一刻も早く記憶から消し去りたいくらいの悲しいことがあったとき、(曲を聴いて)俺の悲しみの何がわかるんだって思ってしまった。」と。
私も同じ気持ちにとらわれていた。

友達にもうまく相談できず、孤独感でいっぱいだった。
好きな人のいない教室は、何のやる気も起きなかった。
新しい環境のなかで、他の男子をかっこいいと思うこともできなかった。

どうしようもなくて、悲しみにうちひしがれていたある日。
テレビからその歌は流れてきた。

“会いたいんだ 今すぐその角から 飛び出してきてくれないか”

ひと聴き惚れだった。電気が走った。
あんな感覚は初めてだった。

私はすぐにその歌を調べ、歌詞を何度も読み、何度も何度も聴いた。
心をつかんで離さなかったその歌のタイトルは「高嶺の花子さん」だった。
何度聴いても読んでも、驚くほどに私の心のなかの事が歌われていた。私の気持ちの男性目線バージョン、といった感じだ。今までに感じたことのない感覚だった。私はいつ、この歌を作った人に恋愛相談をしたんだっけ?なんで私の気持ちを全部知ってるの?はじめてわかってもらえたと思った。
驚いたし、嬉しかった。
私はこのときから、back numberの歌をさらにたくさん聴くようになった。

このときまでback numberのことを全く知らなかったわけではない。
これよりもさらに前のこと。
ある日テレビから流れてきた「ヒロイン」のサビ。
“雪が綺麗と笑うのは君がいい”
バンド名も曲名も知らないままで、ただひたすらになんていい歌なんだろうと、口ずさみ続けていた。
それから数ヶ月後、またもやテレビCMで流れていた、「SISTER」に、胸を打たれていた。このころもまだ、バンド名も曲名も知らなかった。「手紙」も同様だった。
月日は流れ、「クリスマスソング」が大ヒットを果たし、アルバム「シャンデリア」が発売された。
このアルバムのCMを見て、鳥肌がたった。
ずっと、ずっといいなと思って、頭に、耳に、心に残り続けていたあの歌たちが、全部全部back numberの歌だった。感動した。

私は、買ってもらったばかりのスマホで、back numberを調べた。次に出会った歌が、「青い春」だった。
ちょうど受験シーズン真っ只中で、勉強に励んでいた私は、「SISTER」と「青い春」を繰り返し聴いていた。どれだけ助けられたことか。おかげさまで無事に、志望校に合格した。このころから既に、back numberにはすごく助けられていた。

だが、このときからback numberの他の歌を聴くのを不思議と少し避けていた気がする。
嫌いなわけがないのに、どうしてだったのか。
答えはひとつしかなかった。
それほどの危機感を感じるほどに、back numberにハマることがわかっていたからだ。
もう引き返せない、今までにないくらいに、怖いくらいにback numberが大好きになるから、それが直感的にわかってて、心の準備をしていたのだと思う。
ちょっと変わっている気もするが、結局この直感は当たっていた。
「高嶺の花子さん」がとどめだった。
ここから何かの糸が切れたかのように、back numberのいろんな歌を聴きまくった。

改めて聴く「ヒロイン」に涙が止まらなかった。
“君の毎日に 僕は似合わないかな”
“雪が綺麗と笑うのは君がいい”
大好きなあの人の毎日に私は似合わないな。
あの人の隣で、雪を見たいなぁ。
全部好きな人がいい。好きな人が、よかったな。

「恋」は、卒業式が間近になった、あの日の夕暮れを思い出して胸がキュッてなる。
“でもできるなら あの子の事だけは 神様仏様なんとか なりませんか”
いつも祈りを込めて口ずさんでしまう。大好きな歌詞。

これらはほんの一例に過ぎないが、back numberの恋愛ソングは私の濁りきった心にグサクザ刺さりまくった。back numberのおかげで、心が浄化されていくのがわかった。

私の片想いは、おかしくないんだ。
私のこの気持ちも、恋とよんでもいいんだ。
こんな私でも、恋をしていていいんだ。
そう思えた。
back numberのおかげで、変わることができた。
友達にも、恋の話ができるようになった。
そして、あんなに苦しくて忘れられなかった片想いも、大切な思い出として心にしまうことができた。
 

今も、また恋をしている。
この恋も叶いそうにはないけれど、相手は高嶺の花だけど。
今でも劣等感にさいなまれて、これからもずっと恋なんて叶わないかもしれないって、不安になることもあるけれど。
back numberがいてくれるから、恋が楽しいと思える。
back numberの素敵な歌の主人公になれるなら、片想いも悪くないなぁって思える。
ちょっと目が合ったとか、しゃべれたとか、そんな些細な嬉しいことがあったとき。
好きな人が、他の女の人と楽しそうに話すのを見て、自信を無くしてしまうとき。
どちらも、心のなかで流れるのはback numberの歌だ。人生のBGMがあると、嬉しいときも悲しいときも、モチベーションが全然違う。
心の居場所があるって嬉しい。
 

back numberが、私の閉ざした心の扉を開け、
抱え続けていた「忘れられない片想い」という冷たい氷を溶かし、溶けた氷から出てきた光り輝く「思い出」を宝箱にしまってくれた。
もちろん救われているのは恋愛面だけではない。
学生のころの部活、試験でのとき。
社会人になって、不安な毎日を過ごしていたとき。仕事でミスばかりしてしまうとき。
いつだってback numberの歌がそばにある。

心の扉を開ける「鍵」も、大切な記憶をしまう「鍵」となるのも、back numberなのだ。
そんなことを考えながら、「鍵」の形をした、back numberのファンクラブである「one room」の会員証を見る。この会員証が鍵の形をしていることが、いつもよりもさらに嬉しく感じる。

back numberは、最初から一番深い場所で出会ってくれていた。
私があのとき、依与吏さんの言葉を聴いて涙を流したのは、“心の一番深い場所”で、息ができなくてもがき苦しんでいるとき、私にとって酸素となるのはback numberしかいないと、back numberに出会えて本当によかったと、強く感じたからだ。
back numberがいてくれる人生なら、きっとこれからも大丈夫だ。

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