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スガ シカオ『愛について』を今年も朝っぱらから唄ってる

愛ってモノをよく知りもせず。ビターライフ21st. 

灯を消して眠りにつく前。小声で言った。言ってみた。
「19年ですねぇ・・・」
それに対してダンナは、「えっ・・・何が?」と怪訝そうに。
記念日だよと言うと、溜め息交じりに「あまりに慌ただしくて忘れてた」
と呟き、気を遣って「何かお祝いでも」と言いながら、寝息を立てた。
そうだ、そんなもんだ。

夫婦も長くなると、結婚前に淡く抱いた夢なんか日常のゴタゴタに紛れ、
あっという間に溶けてしまう。
ゼ○シィ抱えて夢見てる女子には悪いけど、現実って甘くない。
夢打ち砕いちゃって失礼。
だけど、ゲームをクリアしてもまた次の強敵が現れるように、次々試練は
やってくる。
とりあえず我が家に限っては、振り返れば結婚前から辛い想い出の方が
多い。滅多にケンカしないふたりが本気で言い合って、声を荒らげて別居
まで考えたのもつい最近の話。
姑との同居そしてその介護が、こんなに夫婦の暮らしを変えるなんて、
想像してなかった。いや想像はある程度できたけど、宇宙人な彼女の場合、
想像以上に襲いかかるすべてが、キツかった。
子育ての苦労はせずにきたけど、赤子に戻った姑が子育てと介護という
大きな問題を、歳を取った今、私達に課した。

苦しい中もがきながら、なんとか今日まで辿り着けたのは、ふたりの経験と
知恵と体力と気力、そして家族以外の味方になってくれる存在・・・が頼りになったから。武器になるモノ全部必死で使って、生き延びた気がする。
今もすべてが解決したわけじゃない。穏やかな暮らしとも言い切れない。

それでも、多くを望まない私達には充分だ。
19年経ってやっと、“平穏“の意味を少しだけ噛みしめている。

こんな朝っぱらから大きめの音量で唄いながら、アルバム『FAMILY』を
聴いてる。あの日のことは今でも、ほとんど覚えてる。
『愛について』がリリースされた直後。彼氏(ダンナ)に
「いい曲があるんだよ」と話したら、「俺も」となり。
ふたり同時に出た名前がスガ シカオで。
彼も『愛について』をラジオで聴き、気に入ってCDシングル(当時)まで
買っていた。
それからというもの。日本海側の実家へ車で帰省する時には、ふたりで
『愛について』を何度も唄った。大声を出すことも日頃滅多にしない彼が、
大声でご機嫌に(でもヘタだけど)唄ってたのが、今でも印象に残ってる。
その時からこの歌は、私達夫婦の“テーマソング”になった。
<ただひとつ 木枯らしにこごえる日には
かじかんだ手を 温めてほしい>

<ぼくらが もう少し 愛についてうまく
話せる時がきたら くらしていこう
すばらしく すばらしく 毎日が過ぎて
悲しみに出会う時は 涙を流そう

夜がきて あたたかいスープを飲もう
明日も きっと また寒いから>
19年経っても、私達は<愛についてうまく 話せ>ない。

結婚前からずっと、<悲しみに出会>ってばかりで、<涙を流>してばかりの
時が続いて、普通の夫婦以上にムダに苦労の連続だった気もする。
だけど、<かじかんだ手を 温めて>くれる心と
<あたたかいスープ>を絶やさずに
これからもふたりで進めるとこまで、進んでいきたい。

※2018年7月の私のブログ『アサカラシカオ』より一部修正加筆済み※

******

2020年7月。早いもので結婚生活も21年目を迎える。
上記に載せたブログの過去記事を2年ぶりに覗いてみたが、あの頃の私達は
人生で二番目か三番目のピンチを越えた直後の時期、だったように思う。
この2年で私達の変わったことと言えば、つい先日、同居していた姑が
亡くなったのが、やはり大きいだろう。
彼女と同居する前の夫婦だけの暮らしに戻って、二週間程度しか経ってない。だから、まだ、ふたりとも彼女の気配をそこかしこに感じるので、変わった
という実感がない。でも今行っているひとつひとつの手続きや片付けを進めるうちに、徐々に気づくのだろう。
これから先、本当に“私達ふたりきり”の生活になるのだと・・・。

私の闘病、ダンナの転職、姑の介護などなど・・・
ありとあらゆる“どん底”を経験してる間に、生活臭の染みついた哀愁すら
漂うイイおっさんとおばさんになっちゃった。
ふたりが知り合った初めから甘い日々などなかった気がするから、今さら
“甘い生活”なんか、何も期待しない。そもそもそんな甘さを私が求める
ような乙女な部分はモトからないので、これからもきっと和風出汁風の
あっさりした夫婦のままだ。

そんな我が家の第二ピリオドを越えての21年目の始まりを、今年もこの歌と
共に。
1998年のアルバムだから、『愛について』を私は結婚前から聴いてきた。
今まで一体どれだけの回数聴いてきただろう? 算数はとても苦手なので、
ザッとのプレー回数を計算したりは絶対にしないが、とにかく“ものすごい
回数”聞き込んでると、大威張りで言える。

スガ シカオの魅力は、ファンクな音楽性と世の中を斜めに見てるよな捻くれた
歌詞にあると思う。そう言いながらも私は、『愛について』のイントロを
聴いただけで鳥肌が立つ。なぜなら私にとって、この歌が今の私の“原点”
とも言える大切な歌だから。

ただし、これだけ繰り返し聴いて唄っているクセに、バカだからいまだに
肝心な“愛”というものを捉えきれていない。情けない。
20年夫婦やっても、私達は<愛についてうまく 話せ>ない。
だけど、これから始まる新しい夫婦のカタチで“何か”を掴めればいい。

<かじかんだ手を 温めて>くれる心と
<あたたかいスープ>を絶やさずに
これからもふたりで進めるとこまで、進んでいけるよう強く願いながら、
私は今年も『愛について』を朝っぱらから唄ってる。

※<>内はすべてアルバム『FAMILY』収録『愛について』より拝借

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