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ゆずの曲とともに生きる

<もうすぐ30才>の意味がわかるようになった私

ファンとはなんだろう。ミュージシャンにとっては、客だ。楽曲やライブに対してお金を払ってくれる人。私たちのことををいつも応援してくれるみんな、とか、家族とまで言ってくれるミュージシャンもいる。では、私たちからしたら、ミュージシャンって何だろう。大げさでなく、生きがいであり、人生だ。

ゆずは、デビューして今年で23年。
ゆずのファンはゆずっこと呼ばれる。
私のゆずっこデビュー歴を数えるとするならば16年だ。
何かにハマったことのない私にとって、ゆずとの出会いは初めての感覚だった。当時は10才、小学5年生だった。栄光の架橋を聞いた時、自分の中に電流が走った。
1994年生まれ、ギリ、デジタルネイティブ世代。知りたいことはインターネットを使って調べれば出てくることを知っていた。学校から帰り、毎日ゆずについて調べた。ゆずについて少しでも知りたかった。今までに発売されたC Dを全て集めたい。リリースされた曲を全て聴いてみたい。グッズを集めたい。ゆずについて初めて知ることがあると、嬉しくて脳が揺れる気がした。学校の授業も上の空だった。いつもゆずのことを考えていた。もうこれは完全に初恋だったのである。
初めて自分のお金で買うC Dは、ゆずがいい、それもゆずが一番最初に出したC D
がいいと考えた。1997年に発売されたミニアルバム「ゆずの素」を買うことにする。
駅前のC D屋へ行き、五十音順に並ぶ棚の「ゆ」までたどり着く。「ゆず」“ゆずの素”を発見する。誰かに先に買われてしまったら困るので、すぐに手に取りレジへ向かう。
子供がC Dを買うなんて、変に思われないだろうか、ドキドキする。深い青色のレジ袋に入れられたゆずの素を受け取る。大急ぎで自転車を漕いで帰った。
歌詞カードを隅から隅まで読み込む。ポータブルC Dプレイヤーで何度もリピートして聴き込む。当時、インターネット上にアップロードされた楽曲を聴くことはあまりなかった。
公式チャンネルなんてあり得なかった時代である。

初めてライブに行ったのは、体育館ツアー2006「リボン」Tourの2006年2月11日横浜アリーナの公演だった。公演日が近づくにつれ緊張は高まった。前日はよく眠れなかった。当日朝は本当に早く起きてしまった。
初めて生で見るゆず、ああ本当に存在したのかと思う。雑誌、D V Dで見てきた景色、想像するよりも素敵だった。その後何回ライブに行ってもやはり、あの日だけは特別だったと思う。
このライブは2006年1月にリリースしたアルバム「リボン」を提げてのツアーで、アルバム2曲目の「もうすぐ30才」も演奏された。
もうすぐ30才になるゆずと、もうすぐ12才になろうとしていた自分の年齢差に泣けた。ゆずはすごく大人で、自分はすごく子供だと思って悲しかった。

2020年、もうすぐ30才の歌詞が痛いくらいに染みてくる。当時特に共感していなかった言葉の輪郭が見えてくるようになった。

変わっていったり 変わらなかったり それでも時間は過ぎてゆく
あぁ 僕ももうすぐ30才 気付けば僕ももうすぐ30才
(もうすぐ30才)

社会人にも慣れてきて、学生時代仲が良かった友人たちとも人生の進め方のペースがどんどんずれていっていることに気が付く。みんなそれぞれ自分の核を見つけていく。自分が大切と思うものを決めて、それのために生きていく。
何も見つけられていない自分は。昔と何も変われていない自分は。恋人がいない自分は。結婚していない自分は。若い頃のまま前進していない自分は一体他人からどう見えているのだろう。目前としている30才という年齢が漠然とした焦りを生み、不安となり、夜に降りかかってくる。

あの日大人に見えていたゆずは、実は全然大人じゃなかったと今になってわかる。
そして私は歳を取ったのだなと実感する。

生きていくことは、変化していくことだ。
それを成長と呼ぶ人もいる。
「あいつ、変わっちゃったよな」と変化を嫌う人もいる。
そんな、ぐるぐるした感情を一回リセットして、
仕切り直したくなるのが30才という節目なのかな、と思う。

今日より明日が良い日であるように 心で泣いても笑っている
あぁ 僕ももうすぐ30才 気付けば僕ももうすぐ30才
これでいいのか?!わからず30才 それでもガンバレ僕等も30才

私の人生にはいつもゆずの曲があった。
自分が変化していくことによって、歌詞の感じ方が変わっていくのが、これからも楽しみだ。

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