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「音楽はつづく」

米津玄師と新曲・感電に向ける感謝の言葉

3月辺りからずっと、やるせない思いでいっぱいだった。
 

私の大好きなアーティストである米津玄師は、2020年2月からツアー「HYPE」を開催していた。
が、しかし、2月の末頃に、途中の公演から最終公演まで全て延期もしくは中止が決定した。
新型コロナウイルスの影響だった。

その発表から数日、今度は一転して嬉しい知らせが飛び込んできた。
今年の春から始まる連続ドラマの主題歌を担当するということだった。
本当に嬉しかった。新曲が聴ける。ドラマの主題歌。しかもLemonが主題歌だったドラマと同じ制作チーム。曲にもストーリーにも期待が高まっていた。
しかし予定通りの放送は出来ず、初回放送は見送りとなった。
これも新型コロナウイルスの影響だ。
 

SNS上では、それらに関連したことだけでなく、ライブやイベントが中止になってしまったアーティストや脚本家、監督、スタッフなどの言葉が並んでいた。
私の目に付いたのは、「申し訳ありません」の文字。
謝らないでください、誰も悪くないし、誰も責めないから。
生命に関わる未曾有の出来事に、誰もが怖くて不安になっていた。収束の見通しは立っていない。緊急事態宣言が全国に出た。新学期なのに、学校にも行けない日々。
私の通っている学校も休校になって課題が出された。まだ習っていない範囲、どんどん増えていく課題、わからないことがあっても直接先生には聞きにいけない。それでも、休校が終わって登校すればテストはある。おまけに息抜きに友達と遊びに行くこともできず、春ドラマは延期、新曲の解禁もライブも先延ばし。勉強に追われてステイホームを楽しむ余裕もなかったが、楽しみにしていたこともなかった。前みたいに外を歩ける見通しはどこにもなく、休校期間は1人で暗闇に閉じこもっているような感覚になっていた。

でも、ここで頑張らなくてはいけないと思った。“みんなで心をひとつに”なんて、綺麗事だと思っていた私が、それは綺麗事ではないと証明しなくてはいけないと思った。
待っていれば新曲も聴けるし、ドラマも見られる。
もしかしたら他にも新曲が出るかもしれないし、アルバムの制作をしているかもしれない。
あと少し。ここで負けるわけにはいかない。
私の心臓の奥の方で、ずっと、米津玄師が出したコメントの最後の1文が響いていた。
「不安が去った後、お互い晴れやかにまた会えますように。」
 
 

緊急事態宣言が空けてから少し経ち、8月5日にアルバムを発売するとの発表がされた。
“止まっていた時間が動き出したような感覚”を心から実感した。
ここからだ。ここから、また私達も前に進まなくてはならない。

そしてそこからまた数日、今度はドラマの初回放送日決定の知らせが来た。
主題歌が決定してから放送日までは、もう3ヶ月が経っていた。
長かった、けれど確かに、ずっと待っていた。ずっと、こうやってテレビの前で新曲が聞ける日を信じて、待っていたのだ。その願いが、やっと叶うんだって、そう思うとこの期間は決して無駄ではなかったし、ちゃんと一日一日を乗り越えた自分たちを誇りにさえ思うようになっていた。
 

そしてドラマの初回放送日、新曲が初解禁される日。
私はテレビの前に座ってドラマを見ていた。

エンディングで初解禁となった感電を聴いた。
すごくよかった。
ドラマのストーリーと重なる部分、かっこよさ、時折ちらつく『兄弟』『祈り』『お前はどうしたい?』など、他の楽曲にも共通する歌詞の断片。
気付けば、曲の中盤あたりから泣いていた。
大抵歌詞に共感して泣くことが多い私が。
実際、第1話ではハッキリ歌詞が聞こえていたわけではないし、それにこの曲は人間の奥底にある気持ちを引き出して“共感”を誘うような曲ではないと思う。

それでも、全く涙が止まらなかった。

米津玄師がこの曲を歌っているということ。

自分の大好きなアーティストが新曲を出すということ。

数ヶ月前にレコーディングしたのであろうこの曲が、きちんと私の元に届いたということ。

ライブもできない、新曲の情報も遅れる中、アルバムを作っていてくれて、そこにもまた新曲が何曲もあって、それらを聞くことができること。

やっと、少しずつではあるけれど、でも確かに日常が戻ってきたんだと、思わず涙を流してしまった。
 

彼がよく言っている「音楽はつづく」と言う言葉通り、ウイルスに自分達の生活を壊されても、音楽は日々作り出されていたし、それを私達は受け取ることができていた。
しかしそれは、当たり前のことではない。
だから、感謝しなくてはいけないと痛感した。
 

本当に本当に、ありがとうという感謝の言葉しか出てこない。
音楽に救われて、音楽があったから、私はここまで来れた。
 
 

米津玄師さんをはじめ全てのアーティストさん、スタッフさんに、

私には抱えきれないほどの感謝と愛を込めて。
 

“音楽はつづく”
 
 
 

(※文中、『』内の言葉は米津玄師「感電」より引用)

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