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優しさって何だと思う?

BUMP OF CHICKEN「ひとりごと」

『ねぇ 優しさってなんだと思う』
ーひとりごと(BUMP OF CHICKEN)

BUMPを聴き始めてもう10年以上になるが、この歌詞がこんなにも心に刺さったのは初めてのことで、若干戸惑いながら筆を執っている。
 

BUMPとの出会いは小学生のころ、アルバム「orbital period」だった。その頃の自分にとっては歌詞が難しく、すぐにファンになることはなかった。
だが中学生、高校生になるにつれて歌詞の深み、そこに込められた意味を感じることに楽しさを覚えて、一気にのめり込んでいった。

その「orbital period」は“voyager”から始まり“flyby”に至るまで、まさしく夜空を星が流れるように名曲が続く、今でも一番好きと言えるアルバムである。

だが“才悩人応援歌”“カルマ”“涙のふるさと”など、直接心を揺さぶられる名曲たちの中で、「ひとりごと」は聞き心地がよいけれど意味がうまく理解ができない、と感じていた。
それは小学生の頃から大学に入って、しばらく経っても変わらなかった。
 

そんな自分に転機が訪れたのは、数人の班での実習が始まってからのことだった。
特に優秀ではない自分が班に貢献するには真面目にするしかないと思い、頑張って予習をしたり、その内容を班員に共有したりしていた。
その時にはいつも「ありがとう」「優しい」と言われ、素直に嬉しかった。
そして自分の長所は優しいことなんだと信じていた。

だが、同時に「優しい」と言われることに違和感を感じていたのだと思う。
「自分は本当に優しいからやっているのか?」と。

その違和感を強烈に、かつ明確に示してくれたのが“ひとりごと”だった。

『君に良く思われたいだけ 僕は僕を押し付けるだけ
 優しくなんかない なれやしない』
ーひとりごと(BUMP OF CHICKEN)

これまで何となく聞いていたフレーズがここまで心に刺さるのか、と辛さを超えて感動まで覚えた。
自分には純粋な優しさなんてない、ただ自分のために動いていただけなのだと痛いほど自覚させられた。
そしてそんな自分を「優しい」と信じ込んでいた自分が心底恥ずかしくなった。
 

この曲がそれだけで終わっていたなら、自分の弱さから逃げるように聴かなくなるだけだったと思う。
ただBUMPは、そしてこの曲はいつも突き放すと同時に希望も与えてくれる。

『一人では無理な事だから 誰かとの間に在るから
どちらのものでもない 名前のない それだけに出会いたい』
ーひとりごと(BUMP OF CHICKEN)

この歌詞を改めて聴いて、初めて「優しさとは何か」が分かったような気がした。
 

「優しさ」は自分と相手の共同作業で創られる。
相手が本当に「優しい」と受け取ってくれたなら、きっとその半分は「優しさ」なのだ。

ではもう半分、自分が本当に純粋に「優しく」なれるためにはどうすればよいのか?
押しつけのない、打算も全くない「優しさ」はどうすれば渡すことができるのか?

…そう考えられることこそが、もう半分の「優しさ」なのだと思う。
 

他人へ渡す「優しさ」はきっと純粋な優しさではなく、自分のために行っている部分がある。
消そうとしても消えないその部分を常に自覚し、自省する。
そうして渡せた「優しさ」を、相手が純粋に「優しい」と受け取ってくれたなら。

それこそが本当の、純粋な優しさと言えるのではないだろうか。
 
 
 

最後に、自分の弱さに向き合わせてくれたこの曲、そしてBUMP OF CHICKENに感謝してこの文を締めくくらせていただきます。
また、このような駄文に目を通して頂いた方々にも感謝致します。

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