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宮本浩次「P.S. I love you」を聴いて

本気な大人の愛と色気はどこまでも深い

やっぱり、宮本浩次の愛は深かった。
「P.S. I love you」との曲名から私は、浅はかにも男女のラブソングかと思っていた。

そして7月24日深夜の配信を待ち構えて聴き入ったが、男女の愛など軽く超え、全てに対する丸ごと大きな愛だった。もはやI love youと言う名の応援歌ではないかと思えた。そんな、優しくも心強い曲だった。

この曲の歌詞はどこをとっても、活きた言葉が直に伝わってくる。自身の身をもっての経験をフィルターにして、抽出された言葉を手にしたかのよう。また、力みの無い緩やかさにリアル感が増してくる。心地よくスッキリとしたメロディーに乗った素直な言葉の数々が降り注ぐような曲で、エレカシのような愛ある厳しさはどこにも無い。有るのは、どこまでも愛ある優しさだった。激情とは対極にあるような緩やかな愛を感じる。それは、激情を持っているからこその緩やかさなのかもしれない。そして、やっぱりこの曲は宮本浩次のものなのだ・・・と思わされた。

また、『愛してる 愛してる 悲しみの向こう』とのフレーズが繰り返し出てくるが、悲しみに寄り添うように愛がある。私には愛してるが「大丈夫 大丈夫」とも聞こえてきた。随所に溢れる、「愛してる」と「I love you」。こんなにも盛大に愛の言葉が盛り込まれていることにも驚いた。これも宮本浩次にしか出来ないだろう。愛さえも振り切っている。いつも彼に感じる感情の過多がここにも見えた気がした。悲しみも、怒りも、希望も、愛も溢れ出てる。溢れ出てるからこそ人の心に強く伝わるのだろうが、本人はしんどくないのだろうか?様々な想いが溢れ出し、それを抱えていく日々は尋常じゃない。年を重ねていくと、鈍い位で丁度イイと思えることが多々ある。自分に降りかかる全てを直に受けとめ、咀嚼して歩み続ける。更にそれを『バカらしくも愛しき ああこの世界』と言える潔さ。痺れるしかない。しかも、これだけ愛の言葉を多用しているのに、スッキリと真っ直ぐに届く不思議さも感じた。こうした言葉にはどこか暑苦しさや、重さを感じることがあるが、それを全く感じさせない。本来の愛ってこれくらい清々しいものなのかもしれない…とまで思ってしまった。これも、宮本浩次の純粋さの現れかもしれない。愛にエゴや意図が乗ったとたんに暑苦しくなる。まんまの愛は清々しい。

そして、『若き日の夢が 悲しみと交差するとき』、『何度でも立ちあがる人の姿は どこかまぶしい』、『いつまでも輝きもとめて』など「あなたのことではないですか?」と言いたくなるフレーズがいくつも見られ、何度か聞いているうちに、宮本浩次が自分自身に向けても歌っているのではないか?とも思えてきた。I love youでさえ、あなたという私に向けての言葉に思えた。自身を心から愛してる、信じてる、と聞こえてきた。だとしたら、とても心強く、素敵なことだ。そして、私も自分自身に向けて『愛してる 愛してる 悲しみの向こう 立ち上がれ がんばろぜ バカらしくも愛しき ああこの世界』と聞いた時、救われた気持ちになった。自分で自分を愛し、励まし、信じ、救えたら最強だ。

そしてなにより、今も宮本浩次が最前線に居て、人生を並走してくれていることが何よりも嬉しい。今を切り取って歌にしてくれる。その時だからこその思いが伝わってくる。この曲の『大人の旅路は着の身着のままがいい』は今だからこその言葉に思える。そして、強く頷く。年齢と共に背負うものはドンドン増えていく。あまりにも背負い込み過ぎて、要か不要かさえ分からないものまである。だからこそ、身軽に、気楽に行こうと促してくれるこの言葉が胸に届く。今を受取り、受けた気持ちを発露する。この歳になっても、こうしてコールアンドレスポンスが出来ることの幸せをしみじみ思う。また、大人の本気と色気を見せてくれる宮本浩次は、今の私達にとって必要な人なのだと思う。

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