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「RUN」と「Mazy Night」2つの相対性について

Sexy ZoneとKing & Princeが歌うダブル主題歌

ダブル主題歌とは一体?
どちらがどんな曲を出すのか、バランスはどんなふうになるのか。
ドラマのオープニングとエンディング。それぞれで流れるのを聞いた今、成立していることのすごさを感じて、
この相対性について、考えたくなった。

Sexy Zoneの中島健人さんとKing & Princeの平野紫耀さんがタッグを組んでの二人主演ドラマ
「未満警察 ミッドナイトランナー」
中島健人さんが演じるのは、理論派の本間快
平野紫耀さんが演じるのは、体力派の一ノ瀬次郎
そのドラマの主題歌が、なんとどちらのグループからもリリースされると聞いた時は驚きだった。これまで、別グループの出演がある場合でも主題歌は1つのグループが担うことが大半で、そこを合わせていくのか…という衝撃もあった。
 
 
オープニングに使われる挿入歌と、主にエンディングに使われる主題歌。
ドラマを見ていると、どちらかがインパクトを持っていく場合、このドラマと言えばこれ!と挙げられやすい認知度は、どちらかに偏ることが多い。
どちらも成立していると感じたパターンだと「逃げるは恥だが役に立つ」のオープニングが、チャラン・ポ・ランタン「進め、たまに逃げても」エンディングが星野源さん「恋」だった時。
エンディングがドラマの空気感を確かなものにしていると感じたのは、「アンナチュラル」で流れる米津玄師さんの「Lemon」だった。
ドラマのエンディングを聴く時に感じていたのは、そのドラマをどんなテンションで見ていいかを指し示す温度計の役割を、エンディング曲は持っているということだった。
コメディとして捉えたらいいのか、しんみり見ていいのか、制作側がどういう意図でドラマを作っているのかを感じ取るのに音楽は不可欠。
作品の雰囲気と主題歌がちぐはぐだと、どんな気持ちで見ていいか掴みきれなくて、困ったりする。
 
 
「未満警察」の放送が始まる前、ふとした拍子に「RUN」と「Mazy Night」意識して聴く前の今の時点で、ごっちゃにならずに分けて思い出せるだろうかと自分をテストしたことがある。
すると頭に思い浮かんだのは、

|止まらないで 止まらないでよ (Sexy Zone「RUN」)

|Mazy Night… (King & Prince「Mazy Night」)

それぞれのフレーズがすっと出てきた。
これはすごいことだと思った。バラードとポップスなどで曲調が大きく離れている訳でも無い、シリアス × シリアスとも言える組み合わせで、それでも見分けがつく。
 
 
まず、6月10日にリリースされた、King & Prince「Mazy Night」
作詞:RUCCAさん
作曲:Tyler Shamyさん・Tidoさん・KAYさん
編曲:KAYさん、Tidoさん、ha-jさん

“Mazy Night…”のインパクト。
平野紫耀さんの声質が最大に活かされている。平野紫耀さんがシリアスに一言呟くと、注目して見なければと引きつける意味がそこに生まれる。
MVのメイキングを見ると、平野紫耀さんからの要望もあり、振り付けに警察学校で身につけた所作を取り入れたり、衣装にも機動服に近いものを用意したことがわかる。
スタイルの良さを封印しかねない繋ぎ衣装で、それでもスタイリッシュさを失わない。このテイストの衣装で歌番組の披露もできたことは、ある意味革命的じゃないかと思う。
 
 
|いつだって走るよ 何故だろう “It’s You”
|一瞬の閃光を 掴めよ “It’s Truth”
|燻ぶってないで Act! Act! Act!

サビ前にくる、高鳴るリズム感がとても好きで、ここのフレーズが忘れられない。
“いつ”と“It’s”、“一瞬”と“It’s Truth”の音が重なる楽しさ。
“一瞬の閃光を 掴めよ”という歌詞も、ずっとそこにある光ではなく、一瞬で消える閃光を見逃さず掴もうとする描写に惹かれる。
そして、“燻ぶってないで Act! Act! Act!”と盛り上がっていくところ。“Act!”の言葉選び。【演じる】という意味で聞き慣れていたけど、英単語としては【行動】の意味も持つ。
歌詞の脈略からすると、行動し続けるというメッセージとして受け取れる。いずれにしても、捜査の上で必要になってくる課題とリンクする歌詞にぐっときた。
 
|Show Goes On 目の前には未満の未来
|Get Ready 是が非でも手に入れたい

“未満の未来”と出てきて、“未満”が歌詞に入るワクワク。
“是が非でも手に入れたい”という言葉遣いも、淡々としながら粛々と狙っている空気を感じてソワッとする。

|Oath… 信じ貫けるかを試す時代

Oh…と歌っているのかと思ったら、歌詞カードには「Oath…」と書いてある。
あまり見ない英単語で意味が知りたくて調べると、【誓い、誓言、宣誓】とあった。
信じ抜けると書くことが多いのを、貫く(つらぬく)と書いて“信じ貫けるかを試す時代”と表現するところがいい。
“見上げたCrescent”とつづく歌詞も好きで、【三日月】の意味を「クレッセント」という音感にしているのがメロディーのなかでポイントになっている。
歌詞には細かく英単語が混じり合っているから、なんとなくでしか分かっていなかった所を再度調べてみると楽しかった。
“まだ青い Honest…”と歌われる“Honest”の意味は【真実、公正】とあって、前文の脈絡を見ると、公正の方の意味が合う気がする。警察官学校に入って、まだ判断の基準が曖昧な主人公の彼らにしっくりくる。

“Necessary”は【なくてはならない、必要な】
“Linkup”には【結合、連結、結合点】
“Overcome”には【打ち勝つ、圧倒させる】
 
 
2番の歌詞で
|満ちてくCrescent
と再び三日月のキーワードを持ってきて、欠けていた月が満ちていく描写になっている。 

|迷わない 恐れない 何処かで君も
|戦っているから I Believe It Actually

この歌詞を好きになった。
“Actually”(アクチュアリー)という言葉の音も、その言葉が含むニュアンスも好きで。
意味としては【実際に、実は、本当に、なんと】などの意味があって、さらには文全体を修飾して用いることもある。修飾とは美しく飾ることで、私はそれが好きなんだと気づいた。
おそらく歌詞で伝えたい本質は、I Believe It でも伝わるところに、“Actually”で【本当に】と重ねて強調する、口語的な英語の使い方にぐっとくる。
 

そして、8月5日にリリースされるSexy Zone「RUN」
先日放送された歌番組「音楽の日」で、Sexy Zoneは「ぎゅっと」と「RUN」を歌った。
その時の「RUN」が、すごくよかった。
 
|困難な問題も挑んで ここでやめんな やめんなよ

切迫感のなかに、切実な願い。
挑んでいくことを諦めてたまるかと睨みつけるような視線が鋭く向かってくる。
そして、“やめんな”とすこし乱暴に歌うのが佐藤勝利さんであることが意外だった。穏やかに歌ったり切なげに歌う姿は見たことがあっても、感情をあまり怒りに振り切って表現する印象がなかったこともあり、ドキッとさせられる。
続く“君がいなきゃ何も始まらない”という歌詞からは、優しさと強い思いがひしひしと伝わってくる。

|止まらないで 止まらないでよ 僕らはまだ始まったばかりさ
|途切れないで 途切れないでよ このまま夜が明けてゆくまで
|太陽はきっと きっと この闇を 照らすはずさ

サビのこの歌詞に、胸がどうにも熱くなる。
“止まらないで”とはじめは置いた言葉を、もう一度“止まらないでよ”と畳み掛ける。それも、語尾が“でよ”と強まることで、切実さが増していく。
相手に伝えるようにも、自分自身に言い聞かせるようにも聞こえるから、その願いが聞き届けられるようにと思わずにはいられない。

歌のラストにくるのは、
|昨日未満でも yeah 明日以上へと

“未満”をキーワードに、互いの曲に忍ばせているのも2つの曲の魅力。
第1話で「未満警察 ミッドナイトランナー」の文字と共に流れるオープニングの「Mazy Night」を聴くと、
これからどんな事件が起きてしまうのか、ミステリアスな雰囲気に迷い込む感覚になって、“Mazy”の言葉通りに【迷い込む、混乱する】世界観を作り出していた。
あまりにもな無防備さで事件に巻き込まれに行ってしまう二人が、なんとか警察学校の大人たちに助けられてからのエンディング。「RUN」が流れてきた時に、ああ助かった…!という開放感と、次週予告に重なっていく疾走感がぴったりときた。

このままオープニングは「Mazy Night」エンディングは「RUN」で定まったのかと思っていた第3話で、曲のポジションが入れ替わった。
オープニングとして聴く「RUN」
エンディングとして聴く「Mazy Night」
入れ替えただけで成り立つものではないのでは…と思ったけれど、第3話のストーリーは次の第4話につづくストーリー進行で、1話完結ではなかった。
「RUN」の走り出したくなる勢いのあるメロディーにぴったりと、始まりは二人のコミカルなやり取りが中心になって、後半はなかなかシリアスな展開へ。事件が解決しないまま週をまたぐ時に、「Mazy Night」が流れてきてそういうことか…と腑に落ちた。
物語の始まりにいる時と、物語の終わりにいる時。曲が表情を変える。
 
 
「Sexy Zone」と「King & Prince」
2つのグループ曲を1つの作品で起用することは、デリケートなことではあると感じている。
あえて競わせる販売方法はいろいろな思いを増幅させるし、シンプルなはずのことが難しいことになって、良い影響ばかりではないと思うことに変わりはないから、今回のケースがいい曲を生み出しているとしても、販売の形式としては買う側は心苦しい。
けれど、ドラマそのものの空気やインタビューからは、中島健人さんも平野紫耀さんもバディを組めることを楽しんで、この場を最大に活かしていこうと決意しているように感じる。
 

「RUN」で中島健人さんが握り突き伸ばした拳を、「Mazy Night」で平野紫耀さんが開いた手のひらで受け止める。
相対性とは、【互いに他との関係性を待ち合って成立・存在すること】
対立するより互いがいることで生まれるものを築き上げたら、どんなものが出来上がるのか。
ダブル主題歌でダブル主演という機会に真っ直ぐに向き合う、中島健人さんと平野紫耀さん二人の相対性に注目していきたい。

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