3911 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

春の知らせをくれた駿馬の足音

曲の中を生きる三浦春馬に魅せられて

表現者、三浦春馬。

彼の音楽に触れた瞬間、私の心には春一番が吹き荒れた。強くて、強くて、だけど心地いい風。体温が一気に上昇していった。

こんな感覚は初めてだった。

彼は、唯一無二のボーカルだ。

そう感じた理由をここに書き記しておこうと思う。

「Fight for your heart/三浦春馬」
この曲を初めて聴いた時の衝撃は忘れられない。ドラマや映画で観る彼からは想像もつかないほどの情熱的なハイトーンボイスが印象的なのだ。そのキーの高さと疾走感が凄まじく、彼のような “魅惑的な鋭さ” を醸し出すのは非常に難しい。昨年、音楽番組で披露された際には、ここに激しいダンスも加わり、勇ましく懸命に歌い踊りきる姿に心を奪われた。緊張感のなか、全身全霊を尽くした圧巻のパフォーマンス。きっと裏では壮絶な努力をされていたのではないだろうか。

「YOU/三浦春馬」
この曲のファーストインプレッションは “天使” だった。こんなにも天使な歌声に出逢ったことがない。そう言いきれるほどである。そして、彼の英語力には脱帽した。色っぽく物悲しいこの詞の世界観に寄り添うような発音の仕方・歌い方をされている。とても官能的な歌詞なのだか、彼が歌うことで切なさや麗しさや尊さも余韻として溢れだす。色気がどのくらい必要なのか、その線引きがとても上手いのだ。彼のような “穢れなき妖艶さ” を醸し出すのは非常に難しい。

「Night Diver/三浦春馬」
この曲は、とにかくリズムが複雑なのだが、そこをサラッと且つ丁寧に一音一音掬い上げるように歌っている。彼のような “軽やかさ” を醸し出すのは非常に難しい。この曲の中に潜って繊細に時に大胆に泳げる(歌える)のは彼しかいない。歌詞に沿った脱力感のある声色をしているのだが、曲の最後には沸々と溜め込んできた感情が爆発するような、心の叫びのような、彼持ち前のロングトーンが胸を締め付けてくる。なんて素敵なんだろう…。

このように、曲によって様々な表情を魅せてくれる彼だが、どの曲にも共通していることがある。それは “憑依” だ。まるで曲の世界の主人公が乗り移ったかのうように歌っている。曲の中を生きている。だから聴き入ってしまうのだ。これは、本業が役者である彼特有の性質なのだろう。お芝居で役にとことん入り込むように、音楽でもそのストイックさは変わらない。

真面目で手を抜くことを許さない彼の多彩な表現力は、歌詞には描かれていない細部まで行き届いている。例えば、Night Diver(Night Diver/三浦春馬)の「大事なもの失って」というフレーズの間で聴こえる苦し気な「Ah…」。これがあることで、孤独感や煩悶の大きさは変わってくる。そして、聴き手に悲痛な心境をひしひしと訴えかけてくる味わい深い曲となるのだ。

音楽に対しても真摯に向き合い、失礼のないように誠心誠意取り組む。そんな彼の人柄が彼の音楽には現れているように思う。だからこそ、狂おしいほどに引き込まれるし、一度引き込まれると抜け出せないのだ。

つまり、音楽を趣味の一部として楽しむというよりも、音楽に敬意を持ってアスリートのごとく追い求めることに尽力を注ぐ三浦春馬は、他者とは質感の異なる唯一無二のボーカルなのだ。

私は、曲の中を生きる彼に魅せられて涙する日々を送っている。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい