3911 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

エレファントカシマシとの出会いを振り返る

生きて行く私

 今日は、息子一家が小田原から帰ってくる。
何時の帰宅か定かではないが、炊き込みご飯の準備をしている。
エレファントカシマシの30周年のブルーレイを見ながら、のんびり具材を切り始めた。

 あれから、約2年半の月日が流れた。
それは、忘れもしない2018年3月17日のことだった。
高校同期の私達66歳の3人が、エレファントカシマシの30周年の記念すべきコンサートに参加するために、埼玉スーパーアリーナに集結したのだ。
いつもは、くじ運の悪い夫が、最後の抽選で、3人分のチケットをゲットしたのは、誠に幸運なことだった。
夫の川柳に「宝くじ当たらず貧乏くじ引く」というのがあるくらいだから相当なのだ。

 私が、エレファントカシマシを知ったのは、彼らが初出場する紅白歌合戦のほんの少し前だった。
当日の朝のNHKのインタビューで、ヴォーカルの宮本さんを初見した。
起き抜けのベッドの中から偶然つけたテレビで見たのだ。
宮本さんは、紅白に出場することをとても喜んでいた。
正直に言うと、我が家では何年も紅白歌合戦を見ていない。
でも、朝のその番組で、ロック歌手の宮本さんが、NHKの児童合唱団の出身だったことを知り、なるほどと納得した。
これは、紅白を見るべき。そう思った私は、久しぶりに紅白を見ることにした。

 夜になって、見始めたけれど、その日はビートルズも他局でやっていたのだ。
ちょっと、退屈なのは飛ばして、ビートルズを見ながら、エレファントカシマシの出場を待った。
もう少しで見逃しそうな危ないタイミングで、これも偶然に、彼らの「今宵の月のように」を見ることができた。
宮本さんのまっすぐな歌と、少年のような眼差しと、エレファントカシマシの4人の端正な佇まいに私は魅了された。
なにしろ、音楽不感症なかなりの長い年月を過ごしていたのだ。
コンサートに行かないわけではないが、あまり感動しなかった。
どれもこれも未消化で、毎回不満だった。楽しみに行ったのに、ステージの上で販促活動されたり、たいして歌を歌わずに、べらべらしゃべったり、そんなのに遭遇して、私は、コンサートというものを、あまり期待しなくなった。
いくら一生懸命踊ってくれても、どんなに舞台が華やかでも、私は口ぱくのコンサートは嫌だ。
私は、ちゃんとステージで歌う最高の歌と演奏を求めていたのだ。
どうやら、エレファントカシマシは、そんな私の願いを叶えてくれそうな気がした。

 私は、エレファントカシマシのコンサートチケットを夫に依頼した。
そして、奇跡が起きて、私達は、2018年3月17日、埼玉スーパーアリーナの前にいた。
前回ここに来たのは、シルク・ド・ソレイユと亡きマイケル・ジャクソンの映像のコラボを見に来たのだ。
あれは、いったい、何年まえだったのだろうか?
やはり、予想どおり未消化で帰宅した。素晴らしかった。だけど、それだけだ。
マイケル・ジャクソンが実像でなかったのが、大きかったと思う。
横浜アリーナに、ロックコンサートを見に行ったこともある。
すごく有名なバンドなのに、友人と私ときたら、周囲で拳を振り上げる若い人々の腕の美しさにだけ感心したのだ。

 埼玉スーパーアリーナの私達の座席は、なんと歌舞伎座の天井桟敷さながらの最上階ではあるが、それなりに最前列で、ステージからの花道の真正面の席だった。
エレファントカシマシの最初のコンサートは、なんてラッキーと友人たちと喜んだ。
しかも、その席は危険防止のため、スタンディングが禁止だったから、高齢者にはこれ以上の望みはないくらいだった。
私達は、座って、じっくりとエレカシを初体験した。
まず、宮本さんのすごい声量。そして、素晴らしい声。聴く人に寄り添う歌。そして、想像以上に鍛えられたバンド。
もの凄いエネルギーで、30曲以上をやり切る渾身のステージ。
花道を駆け抜ける宮本さんは輝いていた。
歌を伝える真っ直ぐな気持ちが、長い音楽不感症の私にも凄まじく伝わった。
私は、大満足だった。

 それは、3人同様の感想だった。
私達は、ついに見つけたのだ。私達のエレファントカシマシを。

 それからの私達のグループラインは、ぞろ目記念日と名付けられた。
66歳の記念だ。
毎日のように、エレファントカシマシ情報とソロの宮本さんの活躍を報告しあっている。
この2年間で4つのコンサートに参加することができた。大雨の野音の外聞きもしてみた。
チケットがないのに、Wake upツアーの名古屋Zeppまで記念写真を撮るためだけに友と日帰りの旅もした。
それは、なんだか修学旅行のやり直しみたいで、とても楽しかったのだ。
そして、2019年の新春のブルーレイに、どうしても見たかった、名古屋Zeppが一緒に入っていたことに震えた。
神への信仰心は持ち合わせていないが、誰かが私達を見ていたに違いない。
名古屋Zeppでは、「カッコいいぜ!俺が!」と宮本さんが叫んでいたが、なんの異論もない。本当だ。
毎回、もちろん感動している。やはり、私は音楽不感症ではなかったのだ。
今や、私の毎日は、とても楽しい。
エレファントカシマシのすべての曲が録音されているアイポットは、どこへ行くにも私のお供で友なのだ
勿論、ソロの宮本さんの曲も。だから、ちっとも寂しくない。
2020年2月22日以降、私は外出を自粛しているが、ガッチリとエレファントカシマシとソロの宮本さんの音楽に支えられて生きている。
好きな音楽を見出す事は、生きる力をもらえる。
こうして私は、死ぬまでは生きて行くんだ。

 

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい