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今、私たちに必要なこと

[Alexandros]が教えてくれたものとは

――――風が吹いた
 

閉鎖的な放送センターが、一瞬にして、太陽に照らされた眩い大海原に変わった。
 

これは、忘れもしない、今では大好きなあの人達の声を初めて聴いた日。

その日もいつもと変わらない様子で、放送委員の私は、昼休み、校内から集まるリクエスト曲を流していた。

その時なのだ。
イントロが流れた瞬間、私を大海原へ連れていってしまったのは。

この曲のタイトルはなんと言うのか、この曲を歌っている人は、ギターを、ベースを、ドラムを奏でている人はいったい誰なのか。
今まで経験したことのないような興奮が私を襲った。

とにかく、このCDの持ち主に会って話を聞こう、そう自分に言い聞かせ、なんとかこのとてつもない興奮を落ち着かせようとした。
 

偶然にも、持ち主は、同じクラスの人だった。あまり話したことはなかったけれど、勇気を出して聞いてみた。
おそらく、落ち着かせたはずの興奮がでて、しまったのだろう、その人は(今では大切な友人である)私の圧に驚いた表情をみせていたが、色々なことを教えてくれた。

どうやら、これは[Alexandros]というバンドの、‟ワタリドリ”という曲らしい。
私は、今までバンドの曲なんて一度も聞いたことがなかったし、バンドというものは、どこか治安が悪いイメージで、なんとなく聞いてこなかった。
だから、[Alexandros]の爽やかさは衝撃だった。

その日の夜、友人から借りたCD(「ALXD」である。この数日後、私は人生初のCDとして人生初のタワレコに行き、これを買うことになる。)を何度も何度も聞いた。一曲目の‟ワタリドリ”はもちろん、14曲全てが、衝撃と興奮であった。似たような曲は一つとしてなく、それでいてバラバラでもない、不思議な繋がりをもった14曲であった。
中でも、‟Adventure”が一番の衝撃だった。
少し雨っぽいのに、雨の日の曇り空というよりは、雨粒の輝きを歌っているような感じ。
どこか懐かしいような、不思議な世界に包まれていく。
息をするのも忘れて、全神経がその不思議な世界に引き込まれていった。
4分43秒の不思議な、美しい旅、まさにAdventureだった。
 
 

あれからもうすぐ3年が経とうとしている。
この3年間、色々なことがあった。
最近のことでいうと、世界は、コロナウイルスの影響でたくさんの人が悲しい思いををしたり、悔しい思いをしている。

[Alexandros]は、ドラムの庄村サトヤスさんの勇退、という大きな決断に迫られた。

私はというと、(ここに並べるのは大変おこがましいのだが)高校3年生になって、進路を考えるようになり、将来への漠然とした不安に駆られている。

そんな、言ってしまえば、目を背けたくなるような現実のなかで、[Alexandros]の曲を聴き、私は一つ発見をした。辛い状況だからこそ分かった大切な発見だ。
[Alexandros]の曲に共通して流れる、はじめて出会った時から感じ続けている不思議なものの正体の答え、(答えといっていいのかは分からないが、)である。
それは、一言で言ってしまえば、「生命力」である。
先ずは歌詞をご覧いただきたい。

Seize the day you boys and girls and young and the old
(老若男女よ今日という日を掴め)        ―Oblivion
 

僕らには いつまでも 光と闇が待っているの、いるの
Well maybe it’s not so but 今をただ生きていく  ―月色ホライズン
 

Sometimes it’s good Sometimes it’s bad 愛しい 我が人生
                        ―NEW WALL

連なっていく 連なっていく その続きを 今 生き抜いていけ
                        ―Starrrrrrr
 

お分かりいただけるだろうか。この潔さ、「生命力」を!!!
ここでは一部しか紹介できないのがもどかしいのだが、これだけでも十分伝わってくるだろう。
人生にはそりゃあ、良いことだって、悪いことだってある。どうなるかは誰にもわからない。だから、ただ純粋に一生懸命生きていくしかない。
そんな、当たり前だけど、つい忘れてしまいがちなことを再確認させてくれる。
これは、デビューするために、命を懸けて努力してきた彼らが歌うからこそ、説得力が生まれるのだと思う。
泥臭く頑張ることは、ダサくなんかない、むしろカッコイイことなのだ。
命ある限り、がむしゃらに生きることが、今、私たちができることなのだ。
 

これから、誰も想像できないような大変なことが起こるかもしれない。
未来なんて、どうなるかは誰にもわからない。
でも、「生命力」があれば、きっと乗り越えていけるだろう。
そして、進むべき道を見失ったら、また、[Alexandros]の曲を聴こう。
そうすればきっと、また、前に進む勇気が湧いてくるだろう。

最後に、この曲で終わろうと思う。
 

‟明日、また 泣きじゃくる時が来たとして 怯まず笑えば あなたは今まで以上に 強く在れる 思いも寄らず、として”

‟愛したいなら 思う存分愛せばいい 今でも疼く傷跡も 息を吸い吐く身体も 生きると願うから”

                   ―明日、また

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