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12歳の自分へ

Creepy Nutsの「かつて天才だった俺たちへ」を聴いて

8月26日に、Creepy Nutsのミニアルバムがリリースされた。
私は今、表題曲の「かつて天才だった俺たちへ」を聴き、衝動的にこの文章を打っている。
この歌から、鮮明に呼び起こされた記憶があったからである。
 

小学校の頃の夢は「小説家」だった。
幼稚園の頃から読書が好きで、自分も何か物語を作りたいと思ったのが始まりだった気がする。
 

魔法が使える女の子の話から、あっさりトリックが見破れてしまいそうな推理小説、テレビドラマのパロディのような話などを、原稿用紙に書き続けた。
 

授業中も、空想に忙しく国語以外の内容は全く頭に入っていなかった。
絵にかいた様な「ぼーっとした子供」だったと思うが、全然気にしなかった。
 

小学4年生の時、厳しかった担任の先生に唯一褒めてもらえたのも、国語の授業の課題で書いた物語だった。
「ビックリマークが多すぎる」「句読点の数が多い」とか色々言われた気もするが、その指摘も耳に入らないくらいすごく嬉しかったことを今でも覚えている。
 

あの瞬間の私は、紛れもなく歌詞に登場する「天才」だったなあと思う。
 
 
 

中学校に入学し、部活動や友達付き合いに必死になっていくにつれ、小説を読む時間も、書く時間もほぼ無くなっていった。
 

目まぐるしい日々に追いつこうと必死で生活している内に、「小説家になりたい」という夢すらすっかり忘れてしまった。
 

そしていつの日か、買いだめしていた原稿用紙や途中まで書いた物語を、ごみ箱にまとめて捨ててしまった。
 

こうして12歳の私の夢は、あっさりと終った。
 
 
 

あれから14年。私は小説家とは全くかけ離れた医療職に就いた。
自分で決めた進路であり、現在も今の仕事は好きで、やりがいを感じている。
 

しかし「かつて天才だった俺たちへ」を聴き、ふと12歳の自分が頭に現れた。
 

あの日、何の気なしに捨ててしまった原稿用紙達にも、未来があったのだろうか。
その瞬間、何だか急に、何かを書きたくて仕方がなくなってしまった。
 

そして今、この文章の冒頭に至っている。
 

あの頃描いていた、夢のような空想はもう出てこないかもしれないけど、私は今すごくわくわくしている。
 

「かつて天才だった俺たち」に、もう一度逢えるような気がして。

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