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あの日々を許してくれたのは女王蜂だけだった

queen・beeが照らす先にあるもの

初めて彼らをライブで見たのは、2017年、恵比寿liquidroom。蜜蜂ナイト3で、対バン相手はSUPER BEAVERだった。アヴちゃんがカバーした「秘密」はご本家様のぶーやんの歌声とはまた違った、いい意味でどす黒い【秘密】で、ただただ、わたしの背筋がゾクゾクと震える感触を覚えている。
 

女王蜂のライブは、ライブという言葉が似合わない。文字にするのであれば、ショーか、宴。観るものを魅了する、妖艶なパフォーマンスと、圧倒的技量で届けられる音楽。
 

あれから3年が経って、女王蜂は幕張メッセでのワンマンライブを迎えるーーはずだった。コロナで中止にさえならなければ、開催されるはずだったライブ。
 
 

2020年の2月に発売されたアルバム『BL』を境に、わたしの周りでも女王蜂の名前を耳にする機会が増えた。
 

性も人種も、酸いも甘いも、彼らには関係ない。
 
 

ピース ピース ピース
好きな人とキス
いつか R I P
だから L I P
黒白黄色 その奥の虹色
まぁ色々あるけど
行く先は ばら色

はじまらないからはじめた それだけ
何も怖くもないのに
怯えてはいられないでしょう?
 

これは女王蜂『Introduction』からの引用であるが、わたしがこの曲を聴いていた場所は、仕事場であるとある風俗店の一室であった。辟易するような毎日の中では凡庸なラヴソングなど聴いていられなくて、それでも女王蜂の、アヴちゃんの歌声だけが、蜘蛛の糸のようにわたしを照らしてくれた。
 

幸福を謳うことだけが音楽じゃなくて。
 

絶望の中に光る一筋が誰かを助けることもあるわけで。
 
 

それがわたしにとっては、女王蜂の音楽だった。
 
 
 
 
 
 
 

音楽と人の寄り添い方は人の数だけある。
 
 

――背中を押してくれる音楽。

――優しく寄り添ってくれる音楽。

――自分を奮い立たせてくれる音楽。

――1人でひっそりと泣ける場所を与えてくれる音楽。
 

私にとって女王蜂の音楽は、スポットライトだ。
 
 
 

何かに後悔しないための音楽、じゃなくて、何かに後悔している人のための音楽の存在に、幾度となく救われた。
 
 
 
 
 

ずっとずっと上から、私がうずくまっていた、暗い沼の底まで、真っ直ぐな光で照らしてくれた。お日様の光みたいな暖かさはないけれど、ギラギラと貪欲に。とにかく力強く。ダンスホールのミラーボールとか、新宿のネオンとか、ああいう類の禍々しい光。でもその生々しさが、痛みに慣れてしまったあの時、ああまだ私終わってないや、ちゃんとまだ眩しいって思えることを気付かせてくれた。
 
 
 

音に、命が宿るってこのことなんだって感じさせてくてた、はじめての音楽。
 
 

女王蜂という宗教と、教祖アヴちゃんに、心より感謝を込めて。

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