3894 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

ゴールデンボンバーという生命力の強いバンド

「おかしなこと」をするために「人としておかしなこと」は決してしない人たち

いつしかゴールデンボンバーは国民的バンドとなっていた。過去には紅白歌合戦に4年連続で出場。エアーバンドが市民権を得た奇跡。

けれども、彼らのパフォーマンスといったら、下ネタやパロディネタだったり、いつもギリギリライン。こんなにギリギリなことばかりしていると、誰かが傷ついたり怒られたりしそうなものだけれど、彼らはずっとこのパフォーマンススタイルを貫いている。

なぜ長きにわたり、このスタイルを貫けるのか。
なぜ一発屋で終わらなかったのか。

それは、彼らに「守り」の姿勢があるからかもしれない。
ゴールデンボンバーって、「おかしなこと」をするために「人としておかしなこと」は決してしない人たちなのだ。

✴︎

2020年8月1日に行われた有料無観客ライブでは、異例の冒頭が印象的だった。

ライブ開始時間になり、一人でステージに現れたのはボーカルの鬼龍院さん。「なぜ一人?」「メンバーは?」「これから何が起こるの?」といった不安と期待が交互によぎる。そんな視聴者を知ってか知らずか、無音の中、鬼龍院さんはゆっくりとした口調で話し始めた。

話されたのは、会場内がしっかりと換気されている旨やメンバーとマネージャーがPCR検査を受けて陰性だったこと、その証明書の提示に至るまで、実にこと細かなアナウンス。十分な時間をとり、わざわざ説明に時間をさいたのは、現場の感染対策だけではなく、見る人が少しでも安心できるようにという気づかいからだった。その徹底ぶりには、安心を超えて感動さえ覚えるほど。その後、「本日は安全にふざけさせていただきますので…」という言葉で話は締めくくられ、ライブ本編の幕が上がった。

蓋を開ければ、ふんだんに盛り込まれたネタに笑ったり、バラードや新曲に涙したり、画面越しであることを忘れるほど圧巻のライブ。こうして心おきなく楽しめたのは、冒頭の説明があったからに他ならない。

✴︎

何でもありなゴールデンボンバー。そんな彼らだが、どんなに過激でお下品なパフォーマンスであっても、人を傷つけない配慮や繊細な気づかいは常に行き届いている。

エンタメ業界に限らず、あらゆる場面で「攻め」の姿勢は注目されがちだ。
しかし、目立つことだけが必ずしも正義ではない。

「守り」というと消極的なイメージがあるが、スポーツの世界にもディフェンスとオフェンスがあるように、「守り」という土台がないと戦いに勝てない局面だってある。

守ることで、攻めが際立つ。

この「守り」の土台こそが、ゴールデンボンバーが持つ生命力の秘訣なのかもしれない。

✴︎

楽器を弾いていない、ふざけている、白塗りの人がいる、「女々しくて」の一発屋etc…

「ゴールデンボンバー」というバンドのイメージを問えば、そんな返答があるかもしれない。どれも正解だろう。でも、一発屋という印象だけは違う。

エアーバンドという特異な形態にも関わらず、変わり続ける時代の波にうまく乗り、彼らは荒波の音楽業界にずっと生存し続けている。
持ち前の瞬発力と行動力を武器に、人に元気を与え、ときに世間をざわつかせ、ファンを涙させる。

サーフィンするみたいに世の中の波に乗る、ゴールデンボンバー。
彼らのサーフボードは、やけにしっかりしている。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい