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RO JACKがリスナーに与えた使命

RO JACKコンテストの終了に寄せて

ライブもままならず、新たなやり方を模索しているインディーズ業界にさらっと、しかし確実に激震が走るニュースだった。

2020年でRO JACKは終了する。

今や誰もがYouTubeやSoundCloudに音源を投稿すればミュージシャンと言われ、スタートラインが不明瞭となった時代に、大きな目標の灯火として輝いていたものが、フッと消えた気がした。
そして私も邦ロック好きの1リスナーとして、開拓好きとして、そしてそれが高じてライブハウスでイベントをさせてもらった1人として、寂しい気持ちになった。

明確に目標として掲げていたバンドマンのことが心配にもなる。
年齢的にそろそろ結果を出したいと言っていたバンドマンのことも心配になる。
そして今後、その灯火を目指すというストーリーを今後見られなくなるのも、なんか恒例行事が減った気分である。

着実にステップアッブを重ねたバンドが、そのままの勢いでグランプリを獲得した時のあの無敵感も見れないのか。
着実にステップアッブを重ねたバンドが、まさかのグランプリではなく、1つ足場を外されてそのまま解散や活動休止になるというシビアな現実も見れないのか。
全く誰も知らない存在が優勝し、その後も快進撃を続けるというおいしくるな展開も見れないのか。
なかなか評価されなかった若者がグランプリになり、表彰式で涙してアーティストとしての決意を固める長靴をはいた猫な瞬間も見れないのか。
そしてグランプリを掴めなかったバンドが諦めず、自力でひたちなかの舞台を掴むハンブレやノーブラな展開も見れないのか。

その一つ一つのストーリーがどれもオリジナルで素晴らしいものだった。
無名の若者達が音楽を武器に、同世代のライバルと共に、日本最大級の夏フェスの舞台や幕張メッセを目指すのは、漫画のような現実を見せてくれた。(印象深いのは多くの高校生バンドが入賞となった2019年夏。青春やん)

コンテストやオーディションはRO JACKが始まった2008年から増えに増えたけど、
ここまで「見れなくなるもの」が多いコンテストはなく、改めて積み上げた歴史を感じる。
「入賞したんで初めてバンドとして東京に行くんです!」という地方バンドのキラキラした声も聞いたことがある。自分達の音楽が全国区であるということを認められたら、それはそのバンドのみならず、その地方の仲間達にも希望になっていた。

音楽において、勝者とそれ以外を決めるのはどうかという気持ちの人もいると思う。それを安全圏からエンターテイメントとして楽しむのはいいものなのだろうかと。

でも個人的にはアリなんだと思う。
前述のように、誰でも音源を投稿できて、誰でもミュージシャンやアーティストも名乗れる時代。多くの人に音楽を届けられる分、その実感が薄いことに対するジレンマに苦しむことが往々にあると聞く。
そこにコンテストやオーディションというのはスパイスになるし、YouTubeの再生回数やSNSフォロワー数とは違う達成感を得られるし、そういったものよりライブに注ぎ込んだ時間が多いバンドも認められる数少ないチャンスな気がして、古い考えかもしれないけどライブハウスを愛する自分にはやはりコンテストはありがたいものだと思うのです。特にこのコロナ禍でライブができない今においては。
そして受賞し、アーティストとして初めてスタートラインに立った背中を見たとき、「あぁ応援しかしてないけど、応援してきたよかったなぁ」と思うその感慨深さは、社会人として決められた日々を過ごすことで錆び付いてくる心に潤滑油となってくれる。
私はそこから見えなくなるくらい飛び立ってほしくなる。動けば動いてくれるほど溢れるその汗は私に勇気をくれるから。さぁバチボコに売れろ。俺だって負けねぇから。でもたまには休んでね。

もちろん私はリスナーだから、プレイヤー側のみなさんのストーリーや苦しみに気持ちを重ね合わせるのは迷惑かもしれない。
だけれども私はそのアーティストのストーリーをなるべく初めから見るのが、どうしようもなく好きだ。そして名作が生まれた瞬間に立ち会えた時に、そしてその曲があらゆる勝負に闘える武器になった時、勇気を、メジャーアーティストよりも貰えるのだ。
だから私は今日も音楽を開拓する。良いと思ったものを勧める。ライブハウスにはあなたの人生を変えるものが転がっていることを伝え続ける。

ROJACKがこれまで25回で私に教えてくれたことは、私に与えた使命はそれなのかもしれない。
2021年からの楽しみは、もう始まっている。
 

最後に。
過去に夏冬連続で入賞してグランプリになれなかったバンドが2組いる。
2018年の立ち耳スコティッシュフォールドという大阪のバンドと、2010年にあのindigo la Endだ。
最後に川谷絵音のリベンジ、ないかなぁ。

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